映画「スラムダンク/THE FIRST SLAM DUNK」公開
漫画家の井上雄彦による人気漫画「SLAM DUNK」の新作劇場版が公開されました。公開まで作品の中身が「山王工業戦」になるかどうかも伏せられたまま、という異例の形でした。通常なら映画メディアなど集めた試写会を複数回やり、ヨイショ記事を書いもらって宣伝、というのがお約束です。実際に一般公開前の試写会をやったのか、やらなかったのかは不明ですが、そんな宣伝をやらずとも客を呼べる自信があったのかもしれません。なにせ多くのファンが望んでいた「山王工業戦」がついにアニメ化されたのですから
年末年始の映画興行は大型作品、話題作が集中します。その中で「スラムダンク/THE FIRST SLAM DUNK」がどこまで興行成績を伸ばせるか、注目しましょう。おそらく「劇場版 呪術廻戦0」(興行収入137億円)より認知度、期待度は高く、ファン層も厚いと思われますので、興行収入100億円超えて130億円は確実ではないか、と予想します
「SLAM DUNK」と「黒子のバスケ」の違い
以前にも当ブログで書いたところですが、同じバスケットボールを扱ったスポ根漫画ではあっても、両者は大きな違いがあります
「黒子のバスケ」は中学時代に圧倒的な強さで「奇跡の世代」と呼ばれた傑出したプレーヤーたちが高校に進学し、それぞれのチームで活躍する様を描いており、いわば選ばれた天才たちの物語です。ただでさえ図抜けた才能があるのに、さらにゾーンに入ることで超人的なプレーを披露するというドラゴンボール風の展開になり、白けてしまいます。いわば「オレ、ツエー」という異世界ライトノベル風の物語です
「SLAM DUNK」にも選ばれた天才は登場しますが、決してスーパーサイア人のごとき超展開にはなりません
物語のベースが桜木花道という、身体能力は抜群でもバスケットボールの初心者という設定が効いています。これがサッカー漫画なら点取り屋のフォワードとして成長するパターンでしょうし、野球漫画ならエースで4番打者に化けるパターンでしょう。しかし、桜木花道はゴール下で泥臭くリバンドを制する選手へと成長するのであり、物語の作り手として井上雄彦の才能が光ります。桜木花道を主役としつつも、しっかりと脇役の湘北高校メンバーが生かされており、それが幅広いファンを獲得できた要因だと考えられます
往時のシアトル・スーパーソニックス
アメリカのプロバスケットボール・リーグに名を連ねるシアトル・スーパーソニックスというチームが自分は好きでした。当時、マイケル・ジョーダン率いるシカゴ・ブルズの最盛期だったのですが、それに比べればスーパーソニックスはスーパースター不在のチームです。華々しいスターがいない代わりに、5人のスターターとベンチの選手でしぶとく勝つ試合運びが特徴であり、スリーポイントシュートを多用する攻撃が眼を惹きました。あの頃は派手なダンクシュートこそバスケットボールの華であり、醍醐味とされていた時代です。ソニックスは先発5人のうち4人がスリーポイントシュートを得意としており、さらにこぼれたところをリバウンドで粘り、得点につなげるパターンでした
湘北高校とは違いますが、1人のスーパースターに依存しないチーム作りという点では似通った部分もあったと思います
劇場版の評価は
話を戻します。「SLAM DUNK」は過去にも劇場版が作られており、興行結果はぱっとしませんでした
「SLAM DUNK劇場版」(1994年) 14億円
「全国制覇だ!桜木花道」(1994年) 11億円
「湘北最大の危機!燃えろ桜木花道」(1995年)12億円
「吠えろバスケットマン魂!!花道と流川の熱き夏」(1995年)興行収入不明
これらの作品はアマゾンプライムビデオなど、有料配信サイトで視聴可能であり、関心のある方は御覧ください
劇場版で山王工業戦をやるとの企画は過去にもあったと思われます。が、コミック本の売上に比べて劇場版での興行収入があまりに悪く、劇場版制作はビジネスとしてリスクが高いとの判断があったのかもしれません
今回の劇場版制作に関しては、やはりここ最近の「鬼滅の刃」から「劇場版 呪術廻戦0」の成功が後押しになっていると思われます
「日本のアニメは終わった」などと評する向きもあるわけですが、劇場版で100億円の興行結果を叩き出すだけの力は備わっているのであり、まだまだコンテンツとしての魅力は失せていないと証明されています。中国や韓国に「SLAM DUNK」は作れません
映画『THE FIRST SLAM DUNK』CM30秒
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