杉田水脈政務官 過去の差別発言を撤回

総務省政務官に就任した自民党の杉田水脈議員については、過去のツイッターでの発言や雑誌に寄稿した文書に差別的な表現が見られる、として問題になっています。また、伊藤詩織氏に対する侮辱的な行為では民事訴訟で賠償を命じる判決が示されています
で、野党は国会で杉田政務官に対し発言を責任を追及しているのですが、「回答を控えさせていただく」という逃げの答弁ばかりで埒が明きませんでした
ここのきて総務大臣が交代となり、松本新大臣が杉田政務官に対して過去の問題発言(ツイート等を含む)を撤回するよう指示したため、杉田政務官は渋々従っています。岸田内閣の支持率低迷を受け、このまま杉田政務官が発言撤回をしないのであれば、さらに内閣支持率が低下するとの危機感が背景になるのでしょう


過去に「LGBTは生産性がない」との投稿をしていた杉田水脈総務政務官。松本総務相の指示を受け、一部の投稿を撤回し謝罪しました。一方で2014年の「男女平等は絶対に実現し得ない反道徳の妄想です」など過去の発言については…。
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杉田水脈総務政務官(2日、参議院・予算委員会)
「私の過去の発言などに対する厳しいご指摘・ご批判、重く受け止めています。傷つかれた方々に謝罪し、そうした表現を取り消します」
杉田政務官が謝罪・撤回したのは、2016年、国連の会議に出席した際の「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」との自身のブログへの投稿と、2018年に雑誌「新潮45」(現在は休刊)に寄せた「LGBTカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」との文章です。
2018年10月当時、杉田水脈氏は記者の問いかけに対しー
「不用意に言葉を使ってしまったことで、このような状態を招いていると、大変重く受け止めています」
――撤回と受け止めていい?
杉田水脈氏(2018年10月):「いえ、『生産性』という言葉については、本当に不適切だった」
これまで野党側から追及を受けてもこのように明言は避けてきました。それが一転、謝罪・撤回した背景には、松本総務相の対応がありました。
2日午後1時ごろ、松本総務相と杉田政務官はともに委員会室に入っていました。実は、この4時間ほど前、松本総務相は「傷つかれた方々におわび・謝罪をし、そうした表現を取り消すように、申し渡したところでございます」と発言していました。
松本総務相のこの指示を受け、杉田政務官は過去の投稿などの謝罪・撤回をしたのです。
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その一方で、参議院・予算委員会では追及が続きました。
社民党福島党首:「さまざまな発言も撤回されるんですか、伊藤詩織さんの『いいね』を押したことも撤回されるんですか、どこまで撤回・謝罪するんですか」
杉田政務官:「従来の発言についても、精査して適正に対応してまいりたい」
2014年、次世代の党に所属していた際の「男女平等は絶対に実現し得ない反道徳の妄想です」との国会での発言についても、問いただされました。
杉田政務官:「当時、現在とは異なる政党に所属しており、私がその党を代表して、内閣提出の法律案について質問した際の発言でございます」
社民党福島党首:「理解できません! 党は変わっても、あなたはあなたでしょ!」
答弁を終えた後、記者から「なぜ急に発言を撤回したのか?」「松本総務相と、どのようなやりとりがあったのか?」と直撃されても、杉田政務官は無言でした。
野党側は杉田政務官の更迭を求めていますが、岸田首相は「しっかり説明をしてもらわなくてはいけない」と更迭を否定しました。
(日本テレビの記事から引用)


総務省政務官は行政官という側面がありますので、個人の思想・信条だけを優先するわけにはいきません。国民全体への奉仕者と位置づけられます。なので、一個人の政治家としては好き勝手な発言ができたとしても、内閣の一員であるからにはそれが許されません。どうしても自分の思想・信条による発言を優先したいのなら政務官を辞するしかないのです
ですから、杉田政務官も渋々撤回に応じたのであり、本心から謝罪する気にはならずふてくされている部分があるのでしょう
上記の記事のように社会党の福島党首は厳しく追及していますが、政治家の個人的な思想・信条を国会の場で議論したり問い詰めるのはあまりに非生産的な行為です。はっきり言って時間の無駄です
杉田政務官が過去の発言を撤回しようとも思想・信条を手放したりはしないのであり、本質は変わりません。そうと承知の上で国会の貴重な審議時間を費やすのは無駄です。杉田政務官を辞任に追い込めば手柄を上げた気になれるのでしょうか?
「過去の発言を撤回する」という形ばかりの態度でもそれはそれとして、もっと政策論議に時間を費やすべきなのでは。福島党首が杉田政務官の頭の中に手を突っ込んで思想・信条を改変するなどできないのですから
大臣の政治資金問題やらを国会で追及し、辞任に追い込めば国民が拍手喝采すると思うなら大間違いです。それで社会党の支持率が自民党を上回ったりはしません
国民が野党を支持しないのは、上記のように野党が大臣のアラ探しをして辞任に追い込むのを国会活動だと勘違いしているからでしょう
疑惑の追及は必要ですが、それだけが国会活動ではありません

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