父弟殺害 足立朱美被告に無期懲役判決
2018年3月、建設会社社長の足立聖光さんを煉炭自殺に見せかけて殺害し、さらにその2か月前にも実父である足立富夫さんにインスリンを大量に投与して殺害した疑いで逮捕・起訴された足立朱美被告の判決公判があり、大阪地裁は無期懲役判決(求刑は死刑)を言い渡しています
公判で足立被告は「何も申し上げることはありません」と黙秘を貫き、弁護人は捜査が尽くされていないと指摘して無罪を主張していました
堺市で平成30年、インスリン製剤の過剰投与で父親を、練炭自殺を装って弟をそれぞれ殺害したとして、殺人罪などに問われた無職、足立朱美被告(48)に対する裁判員裁判の判決公判が29日、大阪地裁で開かれた。坂口裕俊裁判長は無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。
弁護側は全面的に無罪を主張。足立被告は一貫して認否を黙秘し、最終意見陳述でも「(言いたいことは)特にございません」と述べていた。
論告で検察側は、足立被告が事件前に「低血糖放置で死ぬ?」などと検索していたほか、練炭の購入履歴もあったと指摘。弟の聖光(まさみつ)さん=当時(40)=については、偽の遺書を作成した上で殺害したとして、「巧妙で計画性が高く、極刑を回避する事情がない」と指弾した。
対する弁護側は、足立被告が家族を殺害する「動機は不明」と主張。父親の富夫さん=当時(67)=の死因は持病の末期がんだとして低血糖脳症との因果関係を否定したほか、聖光さんについても、「体格差のある相手に1人で犯行が可能だろうか」などと疑問視した。
また、仮に有罪の場合でも、「人命軽視の度合いが著しく高いとまでは言えない」と死刑を回避するよう求めていた。
起訴状などによると、足立被告は平成30年1月下旬ごろ、堺市中区の実家で、富夫さんに多量のインスリン製剤を投与して低血糖脳症で死亡させたほか、同年3月には、聖光さんを睡眠薬で眠らせた上で練炭をトイレ内で燃やして一酸化炭素中毒により殺害したとしている。
(産経新聞の記事から引用)
今日の夕方時点で判決内容の詳細はまだ報じられていないのですが、検察側の主張を認めた形で有罪判決が下されたものと思われます。どこか、足立被告の情状を酌むところがあったのでしょう。死刑判決の求刑に対し、無期懲役という判決になりました
この事件は足立被告が実父から経営を引き継いだ会社の経営がうまくいかず、倒産寸前にまで追い込まれ精神的にいっぱいいっぱいの状態になって弟や実父、さらに実母までも殺害して一家心中を企図したのではないか、と推測されるわけですが、足立被告は犯行の動機についても語っていないので不明のままです
何も語らないまま刑に服すつもりなのでしょう。あるいは拘置所、または刑務所内で足立被告が自殺を図る懸念もあるわけで、拘置所や刑務所の刑務官は注意する必要があります。自殺をさせず、懲役刑確定者を刑に服させるのが仕事です
弁護人は控訴するものと思われますが、被告が控訴に合意しない可能性もあります
家族内にどのような対立、葛藤、愛憎があったか表沙汰にしたくないという足立被告の思いが感じられます。もちろん、刑事裁判としては決して望ましい形ではありません
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