ウェブトーン? 日本の漫画バカ売れ

「日本の紙のコミックなど時代遅れ。これからは縦スクロールで読むウェブトーンの時代」と豪語する記事を過去に幾つか紹介しました
ただ、ウェブトーンに決定的とも呼べるほどヒット作はなく、単に「無料で読める作品が多い」との特典で客を引っぱっているだけなのではないか、という気もします(数字的な裏付けはなく、単なる自分の印象です)
さて、今日はクーリエ・ジャポンの記事「なぜいま海外で日本のマンガの売上が爆発的に伸びているのか?」を取り上げます
縦スクロールのウェブトーンこそが革新である、と書いてきたライターたちの反応が楽しみです。どう反論するのやら(まあ、無視するのでしょうね)


なぜいま海外で日本のマンガの売上が爆発的に伸びているのか? 欧米の出版関係者が語る“その熱狂”
どれも「1巻」がない!
12歳になる娘の誕生日プレゼントを探すため、私はランチタイムに大型書店のウォーターストーンズに向かった。娘のための本選びはうまくいったためしがないので、20代の書店員におすすめを尋ねると、マンガのコーナーへ案内してくれた。
「面白いわよ。右のページから左へ読んでいくの。娘さんも気に入ると思うわ」と言われた。「社会不安症の高校生を描いた『古見さんは、コミュ症です。』なんかいいかも。でなければ、ダークファンタジーの『東京喰種 トーキョーグール』は? 対象年齢が少し上だけど、10代の子はそのほうが喜ぶから」
だが、2人で棚を探してみると──なんと、4つの棚がまるまるマンガに充てられていた!──、良さそうな作品はどれも1巻が見当たらない。在庫切れだと説明された。あまりの人気で売り切れてしまったのだという。
(中略)
ニールセンブックスキャンの調べによると、2012年のマンガ本の販売部数は43万4633部で、317万ポンド(約5億3000万円)を売り上げた。それが2019年には2倍以上の98万3822部、910万ポンド(約15億3000万円)となった。
2022年はこれまでに180万冊のマンガが売れており、3年前の通期の売上高のほぼ倍になっている。
ロックダウンで人気急上昇
マンガは米国でも目を見張るような数を記録している。NPDブックスキャンの集計によると、2020年のマンガの販売部数は968万部だったが、2021年には160%増の2520万部に急増。同年、マンガは米国の印刷書籍市場全体において、2番目に成長率の高いカテゴリーである恋愛小説の数字を3倍上回り、成長率トップのカテゴリーとなった。
日本のマンガの英語版販売会社「ビズメディア」によると、米国や英国だけでなく、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど、すべての地域で過去18ヵ月間に「驚異的な」販売数の増加が見られたという。
「マンガの売上増は最初のロックダウン期間中に始まり、オンラインでの売り上げが毎月3倍になるなど、確固たる成長を遂げました。その後、店舗が再開すると、書店での販売数も急増しました。需要は高まるばかりです」と、ウォーターストーンズのベア・ビア・カルバーリョは言う。
「マンガは(週刊誌で連載される日本と異なり、英国では通常単行本として刊行される)すでに書店の仕入れが間に合わないほどの売れ行きを見せていましたが、そこへロックダウンが起こり、印刷が物理的にストップしてしまったんです」
そう説明するのは、ノッティンガムのコミックショップ「ページ45」の経営者スティーブン・L・ホランドだ。
「そのため、人気の高まりと希少性のダブルパンチを食らいました。もちろん、それが余計に人々の関心を引き上げたわけです。誰もがマンガを欲しがりました」
米国でもまったく同じ事情で、「2021年の大規模なマンガ不足」として話題になったほどだ。「ロックダウンの2ヵ月目には全巻セットが品切れになっていました」と、ビズ・メディアの出版販売部門の上級副社長ケビン・ハムリックは話す。
(以下、略)


出版関係者の言によれば、デジタルでの売上も増加しているが、やはり紙に印刷された本物のコミックを手に入れたいというファンが多いのだとか
「紙の時代は終わった」とか、「日本のマンガは時代遅れ」などとさんざん言われてきたわけですが、決してそうではないと判ります。もちろん、今後も紙のコミックが売れ続けると断言するわけにはいきませんが、すべてデジタルにシフトし、紙のコミックが根絶されるのはかなり先の話になるものと思います
「縦スクロールでスラスラ読めてストレスがない」とウェブトーンの利点が強調されるわけですが、ひょっとして韓国の漫画家やウェブトーン関係者は日本のマンガに見られるコマ割りによる表現力を理解できていないのでは?
あるいは「AKIRA」の大友克洋のような、情報が爆発している緻密な描写を「労力の無駄」だと思っているのでは?
少ない線の数でサクサク描いた方が短時間で稼げる、といった理由でウェブトーンをやっているのかもしれません。そんな考え方では一時代を築くような名作が生まれないでしょう

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