新潟連続強姦殺人事件を考える8 無期懲役判決

無期懲役判決を受けて服役していた喜納尚吾受刑者が、2014年に新潟県新発田市内で女性を殺害し遺棄した疑いで逮捕されたのが2020年です。あれから2年半を経てようやく新潟地裁は喜納受刑者に無期懲役の判決(求刑は死刑)を言い渡しています
これが2018年の無期懲役判決が確定する前に余罪が発覚し起訴できていたなら、喜納受刑者は死刑判決を受けていたでしょう
結果として喜納受刑者は5人の女性を襲って強姦し、うち2人を殺害したとして2回の無期懲役判決を受けたわけです。まだ喜納受刑者が隠している余罪があるのかもしれません。日本では年間約8万人以上の人は行方不明になっており、中には犯罪に巻き込まれ人知れず殺害されてしまった人も少ないないと考えられます


新潟県新発田市で女性を相次いで襲ったとして無期懲役が確定している39歳の男の被告が、一連の事件とは別に20歳の女性を殺害した罪に問われた裁判で、新潟地方裁判所は無期懲役を言い渡しました。
喜納尚吾被告(39)は、新潟県新発田市で女性4人を相次いで襲い、このうち1人を死亡させた罪や逮捕後に裁判所から逃走した罪などで、2018年に無期懲役の判決が確定していました。
その後一連の事件とは別に、2014年に同じ新発田市内で当時20歳の会社員の女性が運転する車に乗り込み、わいせつ目的で連れ去って殺害したなどとして服役中に逮捕・起訴され、あらためて殺人などの罪に問われました。
裁判では、検察が「すでに確定した罪を再び処罰することはできないが、刑の重さを判断する際に考慮することは許される」と主張し、「身勝手極まりない無差別的な犯行で、立ち直りは期待できない」として死刑を求刑しました。
一方、弁護士は検察が証拠としている女性の車から検出されたDNA型について、個人の特定はできないとしたうえで「目撃者の記憶も曖昧だ」として無罪を主張していました。
18日の判決で新潟地方裁判所の佐藤英彦裁判長は、「被害者の車から検出されたDNA型は被害者と被告のものと言えるうえ、現場付近で被告を見たという目撃者の証言から、常識的に考えて被告が犯人と認められる」と指摘しました。
そのうえで、「被害者に落ち度はなく、強い殺意に基づく犯行だったことは明らかで身勝手極まりない。被害者の恐怖や絶望は筆舌に尽くすことができず結果は重大だ」と述べました。
一方で「遺族の死刑を望む気持ちは厳粛に受け止めなければならないが、過去の同じような事件は、ほとんどが無期懲役で死刑を選択することはできない」として無期懲役を言い渡しました。
裁判長は最後に「裁判所としては被告に強い非難の気持ちを持っている。ご遺族の気持ちを真摯(しんし)に受け止めて頂きたい」と諭すと被告はうなずいていました。
(NHKの記事から引用)


被害者が1人ならば死刑を回避するという、カビの生えたような判例に縛られた結論です。これでは余罪を自供せず隠し通した者の勝ち、という図式であり、正直に余罪を自供した者が馬鹿を見るわけです
むしろ、余罪を自供せず隠し続けた者こそ、厳重に罰せられなければならないはずです
喜納受刑者は今回の無期懲役判決を不服として控訴するのでしょう。が、先に確定した無期懲役刑にも服さなければなりません
既に書いたように、最初の無期懲役刑が執行され、刑が満了(有期刑の上限が懲役30年ですから、30年以上服役したところで最初の無期懲役の刑期を終えたものと見なす)してから、2つ目の無期懲役刑が執行されます。刑務所での行状(行刑成績と呼びます)が良好であれば仮釈放の対象になりますが、被害者遺族の意向も勘案した上で仮釈放にするか否かが決定されます。実際問題として喜納受刑者が仮釈放を得るのは困難と推測されます

(関連記事)
新潟連続強姦殺人事件を考える9 控訴審でも無罪主張
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/502412386.html
新潟連続強姦殺人事件を考える7 死刑求刑
新潟連続強姦殺人事件を考える6 「身に覚えがない」
新潟連続強姦殺人事件を考える5 新たな殺人で起訴
新潟連続強姦殺人事件を考える4 余罪で再逮捕
新潟連続強姦殺人事件を考える3 無期懲役に不満、控訴
新潟連続強姦殺人事件を考える2 無期懲役求刑
新潟連続強姦殺人事件を考える1 初公判で否認
死刑執行 三島女子大生殺人の服部死刑囚
光市母子殺害事件 最高裁も死刑判決支持
光市母子殺害事件を考える 最低の弁護団
松戸女子大生殺人事件を考える 「女は強姦されたがっている」
松戸女子大生殺人事件を考える7 最高裁も死刑を否定
松戸女子大生殺人事件を考える8 裁判員制度を否定
元Jリーガーを逮捕 強姦事件を繰り返す
殺人道化師ジョン・ゲーシーの数奇な人生
自分を捨てた父親を探したら殺人鬼だった 「ゾディアック事件」
「切り裂きジャック」研究者が売春婦殺害で逮捕
現代の切り裂きジャック事件に終身刑の判決 英国
「切り裂きジャック」事件 125年目の真相
座間9人殺害事件を考える 死刑判決
座間9人殺害事件を考える 犯罪心理学者の見解