宝塚ボーガン殺人 野津被告の病気で公判予定取消し
宝塚市で自分の祖母や母親、弟の３人をボーガン（クロスボウ）で殺害し、伯母にも重傷を負わせたとして起訴された野津英滉被告について、公判予定が決まっていたものの公判は開かれず経緯が不明になっていました
丁度神戸拘置所で男性被告が自殺したとの報道がありましたので、「野津被告が自殺したのか？」とも思いました
読売新聞の記事によれば、精神状態が悪化したため医師の判断で公判が見送られたとの話です
兵庫県宝塚市で２０２０年６月、家族ら４人がクロスボウ（ボウガン）で撃たれて死傷した事件で、殺人罪などで起訴された無職野津英滉（ひであき）被告（２５）について、地裁が１０、１１月の裁判員裁判の期日全てを「被告の事情」により取り消した。勾留中に心身の状態が悪くなり、治療が必要になったためだ。本来、今月７日に判決が言い渡される予定だったが、今後の成り行きは不透明で、回復が見込めなければ裁判が取りやめになる可能性もある。
起訴状によると、野津被告は２０年６月４日、宝塚市の自宅で祖母（当時７５歳）と母親（同４７歳）、弟（同２２歳）をクロスボウで撃って殺害し、伯母（５２）に重傷を負わせたとしている。地検は逮捕後の精神鑑定で刑事責任能力があると判断。昨年１月に殺人と殺人未遂の両罪で起訴した。
地裁は昨年９月、検察、弁護側と裁判の争点を確認する公判前整理手続きを開始。今年７月の第３回会合で、１０月１１日の初公判から１１月７日の判決まで全６回の期日を決めた。しかし、その後、神戸拘置所（神戸市北区）にいる野津被告に心身の不調が見られ、治療が必要だと医師が診断したため、９月２８日付で期日を全て取り消した。
裁判員選任手続きは１０月４日の予定だったが、それも中止。地裁関係者は「初公判直前に日程が白紙になるのは珍しい」と驚く。
野津被告は現在、入院はせず、拘置所で投薬治療を受けているというが、地検関係者は「症状を聞くかぎりでは、今、裁判に出るのは難しいだろう」と話す。
再び鑑定請求も
野津被告の裁判は今後、どうなるのか。
症状が改善すれば、地裁が期日を再設定し、裁判が始まるだろう。ただ、治療にどれくらいの期間がかかるのかは分からない。
回復が見込めない場合、裁判が始まらない状態がいつまでも続くのは適切ではない。しかし、公判前の段階では、裁判所が打ち切りを決めることはできない。手続きを終了させるには、起訴をした地検が公訴を取り下げるしかないとみられるが、地検幹部は読売新聞の取材に「治療が始まったばかりなので、まだ判断はできない。今後、適切な訴訟行為をする能力（訴訟能力）の有無を見極めるための精神鑑定の実施を請求する可能性はある」と話した。
（読売新聞の記事から引用）
３人を殺害し１人に重傷を負わせた凶悪事件であり、公判が開かれれば検察は死刑を求刑するケースです。そう簡単に公判中止を決定するわけにはいかず、しばし野津被告の容態を見守るしかないのでしょう
記事の書き方からして身体的な病気ではなく、精神状態が悪化しているものとうかがえます。起訴前の精神鑑定でも期間を延長して行っていましたので、犯行時から精神状態が不安定だったものと推測されます。が、明らかに心神喪失状態が続き裁判を受けても自己を弁護する能力（訴訟能力）を欠いていると判断されない限り、起訴して刑罰を問うのが検察の方針です
本件でボーガンの殺傷能力の高さが注目され、警察が規制に乗り出しています。過去にはボーガンで野鳥を殺傷する事件があって注目はされましたが、所持規制にまでは話が進みませんでした
さて、こうして公判が取り消しになると「殺人犯を野放しにするのはけしらん」云々と、ニュースサイトにコメントを書き込む人が現れます。いつも書いているように勾留取り消しの決定が出ない限り身柄は拘置所に勾留されますし、控訴棄却となった場合は精神病院に入院させる措置入院の手続きが取られますから「野放し」になったりはしません
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