中国アニメ「天宝伏妖録」が日本公開 ウケるのか?

当ブログの9月の記事「中国アニメは日本を超えたのか?」で、経営コンサルタントか何かの会社を経営する人物が「中国アニメはデジタル化とグルーバル化によって日本を超えた」などなど述べているダイヤモンド・オンライン掲載の文章を取り上げました
決まり文句のように「デジタル化」とか「グルーバル化」などと主張しているのですが、中国アニメの中身は日本アニメのフォーマットを忠実に踏襲しているだけであり、どこにも新しさなどありません。経営コンサルタント氏は「新しい世界をゼロベースで構築するアーキテクト思考」が中国アニメに革新をもたらしている、などと持ち上げていましたが、本当にそうなのでしょうか?
ちなみに日本アニメがダメなのは「デジタル化やグルーバル化で遅れを取っているから」なのだそうですが、経営コンサルタント氏にはいまだに日本がセル画でアニメを作っていると思い込んでいるのかもしれません
さて、飛躍著しい中国アニメ?の新作が日本でもテレビシリースとして公開されます。中国のライトノベル「駆魔師」シリーズをアニメ化したもので、まあ「呪術廻戦」や「鬼滅の刃」のような化け物退治のファンタジーです
CS放送で公開するようで、松竹ブロードキャスティング株式会社によるPRは以下の通りです


中国の人気作家 非天夜翔の代表作「駆魔師」シリーズから「天宝伏妖録」がアニメ化!bilibiliでの再生回数は1.3億回を突破。シーズン3まで制作が決定している大人気ブロマンスファンタジーアニメ。メインキャラクター李景瓏の声優をアニメ「魔道祖師」&ドラマ「陳情令」で藍忘機を演じた辺江が、孔鴻俊の声優をドラマ「陳情令」で藍思追を演じた陳錦聞が務める。
あらすじ
唐の天宝十二年、曜金宮に住む半妖の少年鴻俊(ホンジュン)は3つの任務を背負って憧れでもあった人間界の長安にやってくる。人間界に着いて早々事件に巻き込まれ、曜金宮から持ってきた心灯を無くしてしまう鴻俊だったが、任務のため訪れた駆魔司で出会ったのは、心灯を砕いた張本人の李景瓏(リー・ジンロン)だった。個性豊かな仲間たちとともに駆魔師として妖魔退治を行う中で、鴻俊は凡人すなわち普通の人間でありながら駆魔司を率いる李景瓏と信頼関係を築いていくが、長安妖王の陰謀も徐々に明らかになっていく――(全13話)

「天宝伏妖録」

ファイナルファンタジーとかのゲームムービーみたいな絵になっています。美男子キャラをこれでもかと並べるのが、ここ最近の中国アニメの流行りですが、自分はとても感情移入できそうにありません
また、このいつの時代なのか不明な歴史ごちゃまぜの世界観のどこが「グローバル化」なのか、と思うばかりです。登場キャラの髪の毛の色があれこれ分かれているところでしょうか(皮肉です)
宣伝文句では中国国内で大変な人気を得ているようですが、これが日本でウケるとは思えません。日本のアニメファンにウケる要素が何一つ、見えないわけで
昨年夏公開された中国の劇場版アニメ「白蛇:縁起」についても、中国側は「これ、絶対に日本でヒットします」と太鼓判を押していたのですが、興行結果は惨敗でした。日本で「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」が人気だから、妖怪ものの中国アニメもヒットすると安易に考えるのは大間違いです

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