父弟殺害 足立朱美被告に死刑求刑
4年前、大阪府堺市で糖尿病を患っていた父親にインシュリンを大量に投与して殺害したほか、弟を練炭自殺に見せかけて殺害したなど容疑で起訴された足立朱美被告(48)に対して大坂地検は、死刑を求刑しました
足立被告は黙秘を貫いており、弁護人は無罪を主張して争ってきました。黙秘するのは被告人の権利であり、不当な逮捕・起訴への抗議という意味もあるのでしょう。しかし、本当に無罪であるなら黙秘などせず、積極的に無罪であると主張するべきでは?
堺市で平成30年、インスリン製剤の過剰投与で父親を、練炭自殺を装って弟をそれぞれ殺害したとして、殺人罪などに問われた無職、足立朱美被告(48)に対する裁判員裁判の論告求刑公判が7日、大阪地裁(坂口裕俊裁判長)で開かれ、検察側は死刑を求刑した。弁護側は無罪を主張している。
足立被告は初公判で「何も申し上げることはございません」と述べ、一貫して認否を黙秘している。
起訴状などによると、平成30年1月下旬ごろ、堺市中区の実家で、2回にわたって父親の富夫さん=当時(67)=に多量のインスリン製剤を投与し、低血糖脳症で死亡させた。また同年3月には、弟の聖光(まさみつ)さん=当時(40)=を睡眠薬で眠らせ、実家のトイレ内で練炭を燃やして一酸化炭素中毒により殺害したとしている。
検察側はこれまでの公判で、実家で起きたいずれの事件も犯行が可能だったのは、足立被告だけと指摘。事件に用いられた睡眠薬と同じ成分の薬が足立被告に処方されていたほか、事件前後にスマートフォンなどで「低血糖」「一酸化炭素中毒」などと検索していたことも踏まえ、「用意周到な犯行で、強い殺意があった」と指弾した。
対する弁護側は、全面的に無罪を主張する。富夫さんの死因は、進行していたがんだったと病死の可能性を指摘。聖光さんについても体格差のある相手に1人で犯行が可能だったかといった複数の疑問点を示した上で、「数々の疑問がある。憶測で判断することは許されない」と訴えていた。
(産経新聞の記事から引用)
体の大きな聖光さんに睡眠導入剤で飲ませて眠らせた後、小柄な足立被告がトイレまで運び便器に座った状態にして煉炭自殺を図ったよう見せかけることは不可能、と弁護人は主張しています
前回も述べたように、介護の方法を学べば体の大きな男性を女性1人でベッドから起こし、車椅子に移すのは不可能ではありません。火事場の馬鹿力に頼らずともできるでしょう
足立被告は持病を持つ両親の介護に多少なりとも関わっていたようですから、できなくはないと推測します
ただ、足立被告が黙秘を貫いているため、なぜ父親と弟を殺害し一家心中を図ろうとするまで思い詰めるに至ったかは不明のままです(実母に薬物を入れた飲み物を与え、階段から落として殺害しようともしています)
父親から引き継いだ会社の経営に行き詰まっていたとしても、会社を清算して経営から手を引く選択肢もあったのでは?
周囲が足立被告を追い詰めたのか、足立被告が勝手に追い詰められたと思っていたのか、足立被告が語らないのですから不明なままです
おそらく足立被告は何も語ろうとしないまま、死刑判決を受けるのではないでしょうか?
求刑は死刑でも、情状を斟酌して無期懲役判決を言い渡すというのが裁判では珍しくないものの、足立被告の犯行に同情すべき点はないと思われます。弁護人も無罪を主張していますので、被告の情状を強調するような弁護をしていません
(関連記事)
父弟殺害 足立朱美被告は犯行全否定
父弟殺害 足立朱美被告の初公判
放火殺人 岩崎恭子に無期懲役判決
放火殺人 岩崎恭子の闇
不倫の果て 菅井優子被告に無期懲役判決
不倫の果て 殺人に放火保険金詐欺で懲役30年
京都連続不審死事件 最高裁で筧被告に死刑判決
京都連続不審死事件 筧被告に死刑判決
京都連続不審死事件 筧被告が公判で犯行を自供
京都連続不審死事件 他に6人を殺害
朝日新聞に掲載された木嶋佳苗の手記 その1
朝日新聞に掲載された木嶋佳苗の手記 その2
朝日新聞に掲載された木嶋佳苗の手記 その3
結婚詐欺師木嶋佳苗の死刑判決を考える
婚活殺人木嶋佳苗に死刑判決
大口病院不審死 3人殺害しても無期懲役判決
大口病院不審死 死刑求刑
大口病院不審死 元看護師が48人殺害か