教師犯罪の原点 中国自動車道少女監禁事件(2001年)
教師犯罪の原点と書いたのは、現在毎日のように報道されている教師による性犯罪の、ある意味原形のような事件と自分が記憶しているからです
もうあれから20年経ってしまったのですが、当時報道で事件を知った時の衝撃はまだ鮮明に覚えています
どのような事件だったか、振り返ってみましょう。被害者と逮捕された教師の名は仮名で表記します
事件の発端
2001年7月23日、神戸市に住んでいた12歳の中学1年生M子さんは「友達と会う」と言い残し家を出て、帰宅しませんでした。M子さんは両親と姉と弟の5人家族で、家出する特段の理由はありませんでした
7月24日の夜10時過ぎ、中国自動車道の路肩で死亡しているM子さんが通りがかった車の運転手にによって発見されのですが、死亡が確認されました。M子さんの両手には手錠がかけられ、頭を鈍器で殴られたか、路上に転落してできたのが頭蓋骨が陥没するほどの怪我を負っていました(自動車にはねられてできる傷ではなかった、ということです)
中学校教師逮捕
2001年9月になって、捜査本部は兵庫県香住町立香住第一中学校教諭H(当時34歳)を容疑者として逮捕します
H教諭は24日夜、ツーショットダイヤルを通じて知り合ったM子さんを携帯電話で呼び出し、大阪府吹田市内で落ち合い、自分のワゴン車に乗せました。さらに用意していた手錠をかけて監禁。高速道路車を疾走させてM子さんを脱出困難にしたものの、M子さんが車外へ飛び降りたため、後続のトラックに轢かれて死亡したとの供述しています
逮捕のきっかけはM子さんの通話記録で、テレホンクラブに頻繁に電話をしていたと発覚し、そのテレホンクラブの利用者でもあったH教諭が容疑者として浮上したものです
H教諭は和歌山大学教育学部卒業後、兵庫県で教員として採用されたものの、香住第一中学校では塞ぎ込んで休みがちとなり、6月から休職中でした。が、療養に専念するのではなくテレホンクラブを利用し、若い女の子を物色するのに専念していたわけです。(H教諭は独身)
監禁常習
H教諭は犯行に使った手錠を1998年に購入したと供述し、さらに催涙スプレーも使っていました。つまりは1998年頃には援助交際と称して若い女の子を誘い出し、手錠と催涙スプレーで脅し、金を払わずセックスする犯行を繰り返してたきた常習者だったのです
M子さんは手錠をかけられ、座席の一部に括り付けられたのですが、必死になって暴れて振りほどき、走行中の車から逃げようとしたところで路上に転落したのでしょう
求刑は懲役12年
H教諭は6月にも京都府内の別の無職少女(17)を同府福知山市内のホテルに連れ込み、手錠をかけたり、催涙スプレーを吹き掛けるなどして、現金3万円を奪った余罪が発覚。M子さんの監禁致死と併せて起訴され、神戸地検は懲役12年を求刑しました。現在の感覚からすると懲役12年は随分と軽いように感じます。今なら懲役15年くらいは求刑するのでは?
判決に驚かされる
この弁護しようにも弁護のしようがない犯行をなしたH教諭ですが、神戸地裁はなんと懲役6年の判決を言い渡し、世間を驚かせました
判決を報じた記事の一部から以下、引用します
M子さん(当時12歳)を車から転落・死亡させたなどとして、監禁致死などの罪に問われた元中学教諭H被告(35)に対し、神戸地裁は25日、懲役6年(求刑・懲役12年)を言い渡した。森岡安広裁判長は「卑劣かつ自己中心的な犯行」としながらも、量刑理由のなかで「飛び降りは予想できなかった」と指摘。「責任は殺人罪に比肩するほど重大」とした検察側主張を退けた。また、少女がテレホンクラブを利用して事件に遭ったことで「被害者に全く落ち度がなかったとは言えない」とした。
判決は「卑劣で用意周到な犯行。現場で懸命に努力している教職員に多大な動揺を与えた」と、事件が教育現場に与えた影響の大きさにも言及。しかし「飛び降りは予想できなかった」との弁護側の主張を「合理性がある」と認めた。少女がテレクラを通じて見ず知らずの男と会った点についても「危険に自ら身を投じたといえ、善良な社会生活上是認できないものだ」と指摘した。
要は被害者であるM子さんにもテレホンクラブでどこの誰とも分からない男相手に援助交際していた落ち度があり、それを斟酌すればH被告の刑は懲役6年が相当、というものです
M子さんの両親は娘に責任をなすりつけたこの判断を批判し、神戸地検も控訴したのですが、大阪高裁もM子さんに落ち度があると強調して懲役6年とした神戸地裁の判決を支持しています
この他にも裁判官は、被害者が車から飛び降りるとはH被告に予想できなかった、として被告の過失責任を割り引く判断を示し、なおかつ神戸地検が「責任は殺人にも比肩するほど重大」と指摘した件についても「そんなことはない」とわざわざ否定しています
なぜここまで性犯罪者であるH被告を裁判官が擁護するのか、自分には理解不能です。すべてはH被告の犯行に起因しているのであり、車の中に監禁されたからこそM子さんは必死で足掻き、逃げ出そうとして転落死したわけで
判決文の最後にはH被告が親の協力を得て損害賠償1800万円を支払ったこと、H被告の車の自賠責保険から死亡保険金が支払われたことが明かされています。犯罪に絡むケースですから、任意の自動車保険の方から死亡保険金支払いはなかったものと思われます
まったくもってけしからん判決なのですが、確定しています。H被告は懲役6年ですからとっくに刑務所から出所しており、どこかで暮らしているのでしょう
教師が己の性欲のため児童・生徒を平然と食い物にする一連の性犯罪が、ここから始まったなどと書くつもりはありませんし、そんな認識は大間違いです。が、教師の質が落ち、学校の内外でこうした性犯罪を日常的に起こすようになったのは2001年のこの事件の頃からか、と人々に記憶されるであろう鬼畜な事件であるのは確かでしょう
(関連記事)
静岡の中学教頭 少女2人へのわいせつで懲役12年
静岡の中学教頭 少女誘拐監禁で免職
電車で女子中学生に体液 元教頭は罰金40万円
電車で女子中学生に体液 教頭逮捕
女生徒監禁の教師 内田慎也被告に懲役8年の判決
中学教師が生徒を監禁・暴行し逮捕
7人の女児にわいせつ 千葉市が550万円支払い
7人の女児にわいせつ 元教師八木航に懲役14年判決
わいせつ教師八木航 異常な性癖
女子児童5人を強姦し懲役20年 鬼畜教師
わいせつ教師に懲役30年の判決
女性教諭が盗撮で逮捕
盗撮バレて暴行 小学校教頭の乱行
高校教師懲戒免職に不服 「教え子と淫らな交際」
女性教諭が男子生徒にセクハラ 懲戒免職
小学校教頭が女子中学生を誘拐未遂・逮捕