「韓国の力なしに日本アニメは成り立たない」 10年前の記事

ジブリパークが開園するとの報道もあり、久しぶりにジブリ関連の記事を書きます
雑誌「WEDGE」のサイトに2012年3月、掲載された小田桐誠の記事から引用します。「千と千尋の神隠し」を公開した宮崎駿監督が韓国を訪問した際、「あなたたちがいなければこの映画は完成しなかった」と謝意を述べて関係したスタッフをねぎらったのですが、それが韓国メディアの手にかかると、「韓国のアニメーターの協力がなければ日本アニメは成り立たない」という意味に翻訳され大々的に扱われました。また、韓国のそうした報道を逆輸入し、「いまや韓国の優れた技術によって日本のアニメは支えられているのだ」と記事にしたジャーナリストもいます
あれから10年経って、現状を考えてみようとの意図です


家電の次はアニメか?日本に猛追する韓国 “ジャパニメーション”危うし
(前略)
韓国スタッフをねぎらった宮崎監督
宮崎アニメを代表する作品に対する国内外の評価は高く、翌年開かれたベルリン国際映画祭において、日本としては39年ぶり、アニメーションとしては史上初の金熊賞(最高賞)を受賞。さらにはベェネツィア国際映画祭のオゼッラ賞、ニューヨーク映画批評家協会最優秀アニメーション賞、03年には長編アニメーション部門でアカデミー賞などを受賞した。
『千と千尋の神隠し』はまた、米英仏伊や中国・韓国など8カ国で公開された。韓国では直訳で『千と千尋の行方不明(神隠し)』として日本での封切直後に公開されているが、自らフィルムを携えて訪韓した宮崎駿監督は、「あなたたちがいなければこの映画は完成しなかった」と韓国スタッフの労をねぎらったという。
エンドロールに出てくる韓国のアニメ制作会社
じつは国内外の映画賞を総ナメにしたアニメ作品は、韓国のアニメーターに支えられていたのである。
映画のエンドロールでは、製作総指揮:徳間康快、音楽:久石譲などと製作スタッフが紹介されている。その中で動画やデジタル部門を注意深く見ていると、韓国人スタッフや韓国のアニメ制作会社が出てくる。個人として画面に登場するスタッフは、30名ほどになる。後述するが、この動画制作は、アニメ作りにおいて重要な作業だ。
韓国人スタッフとして関わったDRムービー社長のチョン・ジョングンは、みずほ総合研究所が編集・発行する法人向け会員誌『Fole』(フォーレ)の03年4月号でこう語っている。
「劇場用アニメーションの制作で大切なのは、品質管理と作業効率です。とくにスケジュールどおりに作業をきちんと進めていくことは、集団作業には欠かせません。その両方の部分が評価されて、宮崎監督の次作にも参加することになったのだと思います」
同社は、97年スタジオジブリが『もののけ姫』の動画制作の一部を受託したのをきっかけに、宮崎作品を手掛けるようになった。もちろん『ハウルの動く城』にも参加した。
(中略)
日本のアニメに食い込む同友動画
やはり動画からアニメーター生活を始めたキム・ヤンドゥー(金英斗)は、91年3月に同友動画を設立。94年にはフジテレビ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』やNHK『おじゃる丸』などを制作しているぎゃろっぷ(本社・練馬区、若菜章夫社長)のOEM会社(相手先ブランドの生産業者)として認定された。
同友動画は、フジの『こち亀』『姫ちゃんのリボン』、テレビ東京の『赤ずきんチャチャ』などの制作に関わる一方、03年4月には日韓初の共同製作アニメ番組『無限戦記ポトリス』に参画した。『ポトリス』は韓国発のオンラインゲームから生まれたアニメ番組だが、日韓両国はもとより欧米市場も視野に入れてキャラクター商品化など、マルチユース展開を睨んだソフトでもあった。そのために、テレビ東京や少年漫画誌『コミックボンボン』で『ポトリス』を連載する講談社、バンダイなど日本側6社と韓国側4社が「日韓共同ポトリスプロジェクト」を結成したのだった。
(以下、略)


記事に登場する「無限戦記ポトリス」については自分も知らなかったので調べました。サンライズと同友アニメーションが組んで制作したもので、全52話という大作ですが、日本では人気がなくビデオ化もDVD化もされていません。脚本と絵コンテは日本人スタッフ、演出は韓国人スタッフ(一部、日本人スタッフ)で、作画監督は韓国人スタッフが担当しており、動画を見れば韓国クオリティの低品質なアニメだと分かります
これを成功例であるかのごとく小田切誠は挙げているわけですが、鑑賞眼がない言うしかありません

Tank Knights Fortress (9-12)

そもそも日本のアニメーション作品は韓国のアニメ制作スタジオに動画を発注していた経緯があるのですが、韓国のひどい手抜き仕事に悩まされてきたのも事実です。動画のクオリティが低かったり、絵コンテや脚本を無視した作画もしばしばでした。しかし、テレビアニメの場合は放送のスケジュールが決まっているため、やり直しができず泣く泣く低クオリティの作品を放映せざるを得ない状況に陥ります
小田桐誠は知らないで記事を書いているのでしょうが、宮崎駿も日本のアニメファンも韓国による手抜き仕事、作画崩壊は十分承知しています
なので、宮崎駿が社交辞令として韓国のスタッフに例を述べただけであり、別段韓国のアニメ制作会社の技術や仕事の質に感嘆したわけではありません
現在の韓国アニメを見ても、「無限戦記ポトリス」とほとんど同じであり進歩も革新も感じられません
この10年、何をしていたのかな、と思うばかりです。とても韓国のアニメーション作品が日本を超えるとは予感できないのであり、差は縮まっていないと書いておきます
以下、作画が崩壊したアニメを紹介する動画を貼っておきます。ほとんどが韓国のスタジオによるものです
こんな仕事をしておきながら「品質管理ができている」などと胸を張って口にする感覚が理解できません。作画崩壊を防げないうちは日本のアニメを追い越すなど無理でしょう

全米が鼻で笑った作画崩壊したアニメ

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