門真4人殺傷事件を考える5 母親に賠償を命じる判決
面識のない門真市の住宅に侵入して家の主を殺害し、3人のこどもに怪我を負わせた小林裕真受刑者(現在は坂部裕真)とその母親を相手取り、「統合失調症だったのに治療を受けさせなかった、受けなかった責任は大きい」と被害者家族が損害賠償請求をしていた民事裁判で、大阪地裁は6200万円の支払いを命じる判決を下しています
小林受刑者が坂部姓になっているのは、養子縁組でもしたのでしょうか?
小林受刑者は懲役30年ですから、有期懲役の上限いっぱいの判決でした。求刑は死刑でしたが、殺害された被害者が1人というケースでは滅多に死刑判決は出ません
6年前(平成28年)、大阪・門真市の住宅に刃物を持って押し入り、面識のない男性を殺害し子ども3人に重軽傷を負わせた罪で有罪が確定した30歳の受刑者とその母親に対して、遺族が賠償を求めた民事裁判で、大阪地方裁判所は、母親についても「当時、統合失調症の受刑者が第三者に危害を加える危険性が切迫していることは認識できた」などと責任を認め、合わせて6200万円余りの支払いを命じました。
大阪・門真市の無職、坂部裕眞、旧姓・小林裕眞受刑者(30)は6年前、大阪・門真市の住宅に刃物を持って押し入り、川上幸伸さん(当時43)を殺害し川上さんの子ども3人に重軽傷を負わせた罪で3年前(令和元年)、最高裁判所で懲役30年が確定しています。
遺族が受刑者とその母親に賠償を求める民事裁判を起こしていました。
25日の判決で、大阪地方裁判所の横田典子裁判長は、「母親は、事件当時、統合失調症だった受刑者に対し親として治療を受けさせるなど状況を改善しうる立場にありながら、放置していた。受刑者がなたを自室に保管し第三者に危害を加える危険性が切迫していることは認識できた」などと指摘して受刑者の母親の責任も認め、2人に合わせて6200万円余りの賠償を命じました。
判決のあと、遺族が記者会見を開き、妻の川上千春さん(49)は、「加害者に精神疾患がある事件では、裁判でも減刑されたりします。被害を起こした犯人だけが悪いわけでなく、その家族にも関係があり、責任を問われることを知ってほしいと思います。今まで諦めていた被害者に、こういう判決があるんだと知ってもらいたい」と話していました。
(NHKの記事から引用)
以前にも小林受刑者の母親のものとされるブログから一部を引用し、紹介しました。高校に進学したものの、そこを中退すると言い張る息子を懸命に説得しようとする母の姿が浮かび上がってくる内容でした。その時点で小林受刑者は精神状態が不安定であり、統合失調症の影響が出ていたのかもしれません
精神障害の患者さんを抱えた家族はその対応に苦慮し、あれこれやってはみるものの患者本人が治療を拒否し、投薬を拒否し、入院を拒否するため疲れ果ててしまう…という現実があります。小林受刑者も同じで、治療を拒否し、薬の服用を拒否し、入院を拒否し母親を手こずらせたのでしょう
被害に遭った川上さんの家族も、小林受刑者の母親がどれだけ苦労したのか十分承知しているはずで、それでもなお損害賠償請求の訴訟を起こし小林受刑者と母親の責任を判決で明確にしたかったものと推測します。被害者家族の意地なのでしょう
なお、小林受刑者の母親に賠償するだけの資産がないのも分かっているはずであり、お金目当ての訴訟ではないと書いておきます
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