新潟連続強姦殺人事件を考える6 「身に覚えがない」

強姦殺人で既に無期懲役刑が確定している喜納尚吾受刑者が、新たに別件の殺人罪に問われている裁判について取り上げています
犯罪容疑で逮捕した際、本件以外に余罪はないか、警察官は確認しますし検事も同じです。余罪があってもそれをしゃべってしまうと更に立件され、刑罰が重くなるとの懸念があるため黙っている容疑者は案外多いのかもしれません。ただ、仮に本件で執行猶予付き判決を得たとしても、後日、余罪がバレれば再び逮捕され、起訴されます。執行猶予が取り消されて服役期間は長くなるでしょう。あるいは服役した者でも、刑務所にいる間に余罪がバレてしまい、刑務所を出たところで逮捕された例も実際にありました
この事件の喜納受刑者のように複数件の強姦殺人なら死刑は確実ですから、余罪についてはしゃべらずに通したのでしょう


8年前、新潟県新発田市で当時20歳の女性を車で連れ去ったうえ殺害したなどとして、殺人などの罪に問われている39歳の被告の初公判が開かれ、被告は、「全く身に覚えがありません」などと述べて起訴された内容を否認しました。
喜納尚吾被告(39)は、8年前の平成26年1月、新潟県新発田市で、出勤中だった当時20歳の会社員の女性が運転する車に乗り込んで連れ去ったうえ、殺害したなどとして殺人などの罪に問われています。
17日新潟地方裁判所で開かれた初公判で、被告は「全く身に覚えがありません」などと述べて、起訴された内容を否認しました。
裁判では、事故や自殺ではなく、事件なのかどうか、仮に事件だとして被告が犯人なのかどうかなどが争点になっています。
冒頭陳述で検察側は、「被害者が死亡したことなどは、事件であり、犯人は喜納被告であることを状況証拠の積み重ねで立証していく」などと述べました。
そして、遺体の状態や、死亡させるためには顔面を水につけ続けるか、首を圧迫する必要があることなどから、何者かによって殺害された事件であると主張し、被害者の車のハンドルから被害者と被告のDNA型が検出されていたことを明らかにしました。
一方、弁護側は「被害者の車が見つかったことと、遺体が発見されたこと以外は、推測や想像にすぎず疑問点が残る」などと述べて事件ではなく被告は無罪だと主張しました。
今後は、事件かどうかについて警察官や解剖医などの証人尋問が行われ、今週金曜日の21日からは、被告が犯人かどうかについて審理が行われることになっています。
裁判は来月7日に結審し、その後、判決が言い渡されます。
(中略)
平成26年4月、新発田市の山あいの小川で、20歳の女性が遺体で見つかりました。
この女性は、遺体が見つかる3か月ほど前に行方が分からなくなっていて、その直後には、遺体発見現場からおよそ350メートル離れた場所で、女性の車が道路から落ちかけた状態で発見されていました。
現場の遺留物の捜査などから警察は喜納被告を逮捕し、新潟地方検察庁は、女性の顔を水につけたり、首を圧迫したりするなどして溺死か、窒息死させたとして、殺害方法や死因について断定せずに起訴していました。
(NHKの記事から引用)

本件被害者と喜納受刑者は面識がないはずですから、被害者の車のハンドルから喜納受刑者のDNAが検出されたとすれば、喜納受刑者は被害者と会った上に車に乗り込んでいたと考えるのが妥当です。しかし、喜納受刑者は身に覚えがないがないと言うだけで、説明になっていません
もちろん、これだけで有罪だと断じる裁判官はいないのであり、補強するだけの証拠や証言が必要になります
判決の言い渡しは来月18日だそうです
本件裁判が証拠不十分で無罪判決になったとしても、喜納受刑者はすでに確定している無期懲役が取り消されたりはしません。後日、新たな遺体が発見され、三度喜納受刑者が殺人容疑で起訴される…という事態になるのでしょうか。そうならないのを願います
冒頭でも書いたように、喜納受刑者が犯行を自供しない限り、あるいは遺体が発見されない限り警察は殺人があったかどうか把握するのが困難です。新潟県の新発田市周辺での強姦事件で届け出があったものや、行方不明の届け出がされていた女性について、新潟県警は徹底した捜査を実施したとは主張するのでしょうが
せめてこの件の発覚がもう少し早く、先の事件と併せて裁かれたなら喜納受刑者には死刑の可能性があったはずです
死刑判決を下す条件の1つが残虐な殺害行為であった場合とされ、強姦殺人はこれに該当します。未成年のうちに事件を起こして少年院送致となり、さらに放火事件で服役し、今度は強姦殺人です。反社会性もここに極まった感があり、喜納受刑者に更生の余地があると思う一般市民は皆無でしょう

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