長野老人ホーム 傷害に詐欺で元職員逮捕
各地の高齢者施設で職員が入所者に暴行を加えたり、死に至らしめる事件が相次いでいます。先日は東京の老人ホームで女性入所者を殺害した職員が北海道まで逃げ、逮捕された件を取り上げました
今度は長野県塩尻市の高齢者施設での事件です
望月大輔容疑者(39)は高齢者施設に生活相談員として勤務し、高齢者の通帳と印鑑を預かってお金の出し入れをも業務として担当していました。望月容疑者は複数の入所者の通帳から勝手にお金を引き出し、着服していた疑いがあります。さらに薬物を混ぜた飲料を施設の職員らに飲ませ、体調不良を引き起こした傷害の疑いがあります
傷害容疑で再逮捕された容疑者は、事件の舞台となった老人ホームで、入所者の金銭をだまし取るなどした疑いで複数回にわたって逮捕されていた。金銭的被害を受けた疑いがある入所者は少なくとも3人。塩尻署は傷害容疑との関係を慎重に調べている。
容疑者は専門学校を卒業後に老人福祉施設での勤務を重ねた。今回の老人ホームでは今年1月から働き始め、生活相談員として入所者の金銭や貴重品を管理することが業務だったという。
容疑者が最初に逮捕されたのは6月だった。以降、入所者の金銭をだまし取るなどの犯行が次々と発覚。女性入所者からは3月に5万円、男性入所者からは4月に90万円をだまし取ったとされる。既に亡くなった別の入所者からも3月から5月にかけて17万円を盗んだ疑いも持たれていたが処分保留となった。
傷害容疑事件は、こうした犯行が重ねられる中で起きていた。地裁松本支部で8月末に開かれた容疑者の初公判で、地検松本支部は詐欺罪などの犯行動機について「自己破産の手続きに必要な経費」や交際費を得るためだった―と指摘。その上で、余罪捜査を進めているとしていた。
関係者によると、容疑者は「事件当時は精神が不安定だった」などと話しているという。弁護人は容疑者に対する捜査手法について、取り調べの可視化(録音・録画)がされないなど「問題がある」と批判している。
これまでとは様相が異なる容疑が明らかになった29日、老人ホームの入所者らに混乱した様子は見られなかった。取材に応じた担当者は「二度と不祥事を起こさないよう、現金の管理などについてしっかり指導していく」と話した。
(信濃毎日新聞の記事から引用)
望月容疑者は専門学校卒業後、いくつもの高齢者施設で働いていたようです。が、過去に勤務していた施設でも高齢者の金品を盗んでいたのではないか、との疑念が浮上します
通帳と印鑑を預かっていたと記事には書かれているのですが、施設側の管理体制が随分と杜撰ではないかという気もします。なぜ、望月容疑者1人に任せっきりにし、誰もチェックしなかったのか?
少なくとも2人の職員に担当させ、相互にチェックできる仕組みにしておくべきです。各地の高齢者施設では金銭を巡るトラブルが常態的に発生しています。通帳からお金を引き出すよう指示した高齢者がその事自体を忘れていたり、逆に「通帳から勝手にお金が引き出されている」と申し立てたり、と
当然、事件のあった高齢者施設でもそうした情報は把握していたはずです。であるのに、なぜここまで杜撰な管理体制だったのか?
飲料に薬物を混入させる事件は、望月容疑者が施設内で事件を起こして皆の目がそちらに向くように仕掛け、自分の金銭横領を隠蔽する狙いがあったのではないか、と思われます。が、根拠はなく単なる自分の仮説です
追記:望月被告は軽度の知的障害があったと判明しています。職場での不適応(叱責されたりした経験)から報復として向精神薬を混入させた飲料を職員に飲ませた可能性が考えられます
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