京都教育大学集団強姦事件を考える9 学生は不起訴処分

滋賀医科大学の集団強姦事件、同志社大学の集団強姦事件を考える上で外せないのが、2009年2月の京都教育大学学生による集団強姦事件です。もちろん、今回逮捕され起訴された滋賀医科大の学生や同志社大の学生にとって10年以上前の京都教育大学生による強姦事件など無関係で、無関心な事象だと思われますが、今一度確認しておきたい内容を含んでいます
京都教育大学の集団強姦事件については、学校側が男子学生の行動を問題視し無期限停学処分としました。が、その後は男子学生は不起訴処分となり、最終的に男子学生の責任はどこかへ消えてしまい、大学側が男子学生に10万円の損害賠償を支払う形になっています。男子学生の名前を大学のホームページに掲載し、加害者として無期停学処分にすると告知した件が名誉毀損とされたためです
以下の記事で触れている訴訟とは刑事訴訟ではなく、男子学生を京都教育大学が無期限停学とした処分について争った民事訴訟です


京都教育大学集団準強姦容疑事件に関しての京都地裁判決に対する緊急声明最終版 有志一同
(前略)
2011年7月15日、京都地裁は、京都教育大学の男子学生4人が、大学より受けた無期停学処分を不当だとして起こした訴訟について、原告側の言い分を認め、処分無効・各人10万円の慰謝料支払いを大学に命じる判決を下しました。京都教育大学がこれらの学生に無期停学処分を科したのは、2009年宴会中に酒に酔った状態で居酒屋という公共の場において集団による性的暴力を受けたと同大学女子学生から被害の訴えがあったことから、「被害学生」「加害学生」双方を含めて調査をおこなった結果であり、さらには男子学生たちが将来教師として児童・生徒を教育・指導する立場に立つ可能性があることに鑑みてのことでした。だからこそ、京都教育大学は、単に停学処分にするだけではなく、教員に必要な人権感覚を身につけるための更生プログラムを提供し、停学期間中も指導を続けたと報道されています。
わたしたちは、何らかの形で教育に関わる者として、以下の3点について、今回の判決が社会に及ぼす悪影響を強く憂慮し、「緊急声明」を公表し、広く一般市民に訴えるものです。
1)「被害を訴えた当事者」不在の<被害者非難>について
今般の判決に関する新聞報道によれば、京都地裁(杉江佳治裁判長)は、性行為については女子学生の同意があったものとし、大学がおこなった処分は不当であると結論づけています。各紙の報道には、判決は「『(女子大学生と)明確な同意があったというべきだ』と指摘」(産経新聞、2011/07/15)、「『(性的行為には)女子学生の同意があった、本件は集団準強姦事件ではない』と認定」(毎日新聞、2011/07/15)、「『女子大学生の言動などから、当時酩酊していたとまでは言えず、明確な同意があったというべきだ』と指摘」(日経新聞、2011/07/16)と、今回の訴訟では証言台において発言する機会がなかった女子学生の意思についての「認定」が繰り返されています。その結果、あたかもこの事件が、女子学生の虚偽の訴えによるえん罪事件であるように印象づけられていることを懸念しています。
(以下、略)


京都教育大学の飲み会では見張り役の学生を置き、酔いつぶれた女子学生を宴会とは別の部屋へ運んで男子学生が入れ替わりレイプしたものです。これはあの悪名高き「スーパーフリー」の集団強姦事件そっくりの手口です。にも関わらず、上記の記事にあるごとく、京都地裁の裁判官は性交に同意があったと認定し、つまりは集団強姦事件ではないと判断しました。学生たちの羽目を外した遊び、という扱いです
この集団強姦事件が報道されるや、たちまち「酩酊した女子学生が悪い」とか、「レイプされても文句は言えんわな」といった反応がミクシィなどSNSで飛び交い、被害者であるはずの女子学生への攻撃が集中しました
上記の有志による緊急声明はこのような、「酒に酔いつぶれて強姦されるのは女子学生が悪い」とする風潮に抗うために発出されたものです
滋賀医科大学の事件でも同志社大学の事件でも、検察は不起訴処分にせず立件して起訴しています。それだけ世間一般が学生による「酒に酔わせた上でのレイプ」を問題視するようになった結果、といえます
つまりは学生同士の羽目を外した遊び、では済まされないのです
京都教育大学の男子学生のその後は不明ですが、何人かは教員資格を得て教師になったのでしょうか?
そんな教師は身近にいてもらいたくないものです。「合意があったから犯罪ではない」などと主張して平然としているようなクズに、自分のこどもの教育を委ねる気にはなれません

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