新潟連続強姦殺人事件を考える5 新たな殺人で起訴
新潟県新発田市で当時10~30代の4人の女性を次々に襲い、うち1人を死亡させたとして強姦(ごうかん)致死罪などに問われた喜納(きな)尚吾受刑者は、2015年に無期懲役判決を受け、その後判決を不服として控訴したものの無期懲役刑が確定し、岐阜刑務所に服役していました
喜納受刑者は3人の女性を殺害した疑いがあったのですが、立件できたのは1人だけでした
新潟県警はなおも捜査を継続し、6年を経て前回起訴に至らなかった当時20歳の女性について強姦殺人や死体遺棄などの容疑で再逮捕し、起訴しています
この事件から6年、警察は別の事件で無期懲役の判決が確定していた喜納尚吾受刑者を逮捕しました。
【県警 大竹保和 刑事部長(当時)】
「困難な事件だったと思う。ただ、そうした中で、捜査に携わった多くの捜査員が緻密に捜査を重ねてきて、その結果6年かかった」
殺害現場を目撃した人はおらず、直接証拠がなかったため逮捕まで6年がかかった今回の事件。無期懲役が確定している喜納被告に対し、検察側は死刑を求め、弁護側は完全否認するとみられています。
こうした中、裁判で大きな争点となるのが、今回の事件が喜納被告の犯行か否かです。
【刑事裁判に詳しい 堀田伸吾 弁護士】
「今回の起訴内容、公訴事実ですが、犯行の場所や暴行の態様方法、こういった部分がかなり曖昧な形で、特定されていない部分が何カ所か見受けられる」
こう話すのは、刑事裁判に詳しい堀田伸吾弁護士です。
起訴状によりますと、喜納被告は2014年、通勤中の被害者の女性が運転する車に乗り込んで連れ去り、殺害した罪などに問われています。しかし、この起訴状に殺害場所や方法については明記されていません。
【刑事裁判に詳しい 堀田伸吾 弁護士】
「事件発生から相当な時間が経過している中での起訴となるので、検察側に被告人の有罪を証明するだけの確たる証拠があるのかどうか。ここが、もし確たる証拠がない中で様々な事実を積み上げてというふうになってくると、なかなか立証が厳しい部分があるのかもしれない」
直接証拠がない中で、喜納被告の犯行をどう立証するのか。仮に殺人罪が認められた場合…
【刑事裁判に詳しい 堀田伸吾 弁護士】
「裁判員としては、また無期懲役なのか死刑なのか含めての判断になってくる。非常に難しい事件になってくる可能性がある」
一方で…
【刑事裁判に詳しい 堀田伸吾 弁護士】
「被告人の争い方によっては、無罪の判断が出る可能性があるかなと思っている」
(FNNプライムオンラインの記事から引用)
被害者の車のハンドルから被害者と喜納受刑者の混合DNAが検出された、というのが唯一の物証のようです(遺体は発見時すでに白骨化しており、犯人のDNA検出は不可能)。検察は目撃証人など24人を公判に出廷させ、喜納受刑者しか犯人はいないと立証する構えのようです</d喜納受刑者の弁護人は、被害者女性は元交際相手との関係で悩み、自殺した可能性があると指摘の主張を展開し、無罪を主張する方針です
しかし、遺体が発見された場所は浅い水路であり、入水自殺には不適当な場所です。自殺説には無理があります
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/502412386.html
しかし、遺体が発見された場所は浅い水路であり、入水自殺には不適当な場所です。自殺説には無理があります
喜納受刑者は前回の裁判で1人に対する強姦殺人と3人に対する強姦致傷等の罪で無期懲役が確定していますので、今回は立件された1件の強姦殺人のみの裁判となります。既に確定している罪をあらためて裁くことはできません。なので、被害者が1人の場合は死刑判決を回避するという裁判所の古臭い規範によって、死刑判決はないものと考えられます
検察は無期懲役を求刑するのではないでしょうか?
この場合、喜納受刑者は2つの無期懲役刑を背負う形になり、先に刑が確定した無期懲役の刑を終えたのち、次の無期懲役の刑の執行が始まります。具体的には30年以上服役した時点(有期懲役刑の上限が30年であるため)で先に確定した無期懲役刑は執行を完了したものとし、次の無期懲役刑の執行を受けるわけです
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