熊本高3いじめ自殺 加害生徒いじめ認め和解へ

同級生と体育祭で披露するダンスの練習をしていた際、ダンスの習得ができないと批判され何度も反復して踊らせる、という「いじめ」あるいは「強要」が元で自殺したとされる当時17歳の高校3年生を巡り、加害者とされた元同級生がそれぞれ和解を申し入れたと報じられています
同級生4人によるいじめの内容にダンスの練習にとどまらず、教室内で被害者に聞こえるように嫌味を言ったり批判するという内容で、当ブログの過去記事「熊本高3いじめ自殺 当時の同級生を提訴へ」で取り上げていますので、そちらを参照願います


熊本県立高校3年の女子生徒が、4年前いじめを受け自殺したとして、両親が当時の同級生4人に慰謝料などの支払いを求めていた熊本地裁の裁判で、1人との和解後、裁判が続いていた残る3人もいじめを認め、和解を申し入れたことが分かりました。
これは、亡くなった 深草 知華(ふかくさ ともか)さん(当時17歳)の遺族が明らかにしたものです。
訴えなどによりますと、同級生4人は2018年5月17日、教室で「死ねばいい」などと知華さんに聞こえるように発言しました。
知華さんは自宅で自殺を図り、翌日未明に亡くなりました。
今年6月、同級生の1人が両親に謝罪し、10万円を支払うという内容で和解が成立しました。
遺族によりますと、この際の報道を受け、残る3人から和解の申し入れがあったということです。
3人のうち1人は近く和解が成立する見込みで、遺族は「見通しが立って良かった」と話しています。
(RKK熊本放送の記事から引用)


この「いじめ自殺」についても、例によって第三者委員会による調査が行われています。が、調査がされただけで教育委員会も学校も何かをするわけでもなく、「再発防止にこころがける」とお題目を唱えるだけです。第三者委員会による調査の前に、高校の校長らが中心となって調査委員会が組織され、いじめ自殺について調査が行われました。その結果、学校内でのいじめだけでなく、「家庭にも問題があった」と結論付けています。学校長は当事者ですから、こうした調査に加わるべきではありません。結果として学校の責任を過小評価し、家庭の責任を過大評価する調査報告書を作成したものと推測されます
結局、深草さんの両親が同級生4人を相手取り、損害賠償支払いを求める民事訴訟を起こしました
被告という立場になってようやく元同級生4人は深草さんへのいじめを認め、謝罪する気になったのでしょう
損害賠償としての受け取る金額は10万円ですから、賠償金目的の訴訟ではありません。遺族として必ずしも満足できる結果ではないにせよ、ようやく一つの区切りを迎えられるものと思います
追記:別の報道によれば、残る2人の元同級生と和解の目処は立っていないとの話でした

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