新潟市議 ストーカー行為で罰金刑も議員は続ける

ストーカー事件で逮捕される者の特徴として挙げられるのが、「自分はストーカーではない」とか「ストーカー行為はやっていない」と強く主張するところです。逮捕に至る前には警察から「◯◯さんの自宅周辺には近づかないように。電話をしたり、メールを送るのもダメ」と警告が何度かなされます。しかし、警告を無視してつきまとい行為を継続するため逮捕に至るわけですが、ストーカー行為を継続しているとの自覚を欠いています
ストーカーの心理というものを深く考えたり、症例を取り上げた論文を読み込んだわけではないので、この自覚のなさが彼らあるいは彼女らにとって当然なのか、あるいは自覚しないよう意識的に操作しているのか、断言はできません
さて、前置きはここまでにして新潟市議会議員がストーカー行為で逮捕され、略式起訴されて30万円の罰金刑を言い渡された事件を取り上げます
新潟市議会の佐藤耕一議員は40代の女性に2年もの間、さまざまな形でつきまとったとして逮捕され、罰金刑を受けています。が、その発言にはストーカー行為をしたとの自覚が抜け落ちており、本当に反省しているのか、今後はストーカー行為を繰り返さないとの意志があるのか不明です


今年9月、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕・略式起訴された佐藤耕一新潟市議会議員が12日、新潟市議会で経緯を説明し、議員続投の意向表明。その一方で、被害を受けた女性からは起訴事実以外にも多くの嫌がらせを受けたと悲痛な訴えが聞かれました。
12日午後1時前、議員協議会の開催を申し立て説明の場を設けたのは佐藤耕一新潟市議です。非公開で行われた場で佐藤市議が説明したのは…
【佐藤耕一 新潟市議】
「今回逮捕容疑となった4回にわたる(女性宅への)車でのうろつきの状況説明をさせていただいた」
この問題を巡っては今年8月、佐藤市議が40代女性の自宅周辺をうろついたとして9月5日に逮捕、9月22日にストーカー規制法違反の罪で略式起訴され、罰金30万円の略式命令が出されていました。しかし…
【佐藤耕一 新潟市議】
「毎日買い物に行きます。その中の4回がそうなった。買い物に出かけていただけ」
Qその女性に会うためではない
「違います。それは違います」
佐藤市議は買い物の途中で周辺を通っただけと説明。さらに不起訴となった知人男性への嫌がらせ行為などの有無を問われると。
【佐藤耕一 新潟市議】
「お相手のあることなので、私の口からは申し上げられない。本当に申し訳ございません。事実関係含めて申し訳ございません」
佐藤市議は明言を避けます。しかし…
【被害女性】
「警察報道であった”つきまとい”という行為以外にたくさん嫌がらせを受けていて」
こう話すのは、実際に佐藤市議によるストーカー被害にあった女性です。佐藤市議が経営関係者となっている会社で副業をしていたという女性。佐藤市議とは挨拶を交わす程度の関係で、犯人と気づかないまま約2年間、嫌がらせを受けていたと言います。
【被害女性】
「一番有り得ないと思っていた人だったんですよね。『笑顔で挨拶をしてくれたり話してくれたりするから、自分に好意があると思い込んだ』っていうふうに検事さんに供述されたらしいんですけど」
去年、女性が仕事の関係で友人の男性と食事をしたところ、男性の妻宛に2人が一緒にいる写真と「密会している」という虚偽の内容の手紙が。その後も…
【被害女性】
「自宅から1.5キロ先とか3キロ以上先に行ったらもう絶対に友人のところに手紙が届くんですよ。また不倫しています。また会っていますって。私がいつもいないところに行くと、それがどんなに至近距離でも必ず友人の妻に通報される。何でこうなるんだろう、どうやって見ているんだろうっていう」
女性の行動歴が友人の家などに届き続け、女性は2度引っ越しましたが、それでも状況は改善せず。さらに本業で経営するエステサロンは保健所に虚偽の通報をされたことで経営を圧迫されたといいます。不安が募る中、去年6月、車の運転中に異音を感じ下をのぞくと…
【被害女性】
「引っ張って外したら外れて、なんだろう、でもなんで張り付くの?と思って元に戻したらパチンってついたので、えって感じ。磁石が中に入っていたんですよね。たぶん」
ついていたのは位置情報を取得するための「GPS」装置。佐藤市議が雇った探偵に女性の行動は監視されていたことがのちに発覚したと言います。略式起訴された事実についても「買い物のため」と説明していた佐藤市議。女性に対して起訴事実以外に嫌がらせがなかったかを尋ねると。
【佐藤耕一 新潟市議】
「繰り返しになりますが、お答えは控えさせて頂きます。申し訳ございません」
すでに罰金は支払ったという佐藤市議は議員を続投する意向を表明します。
(NST新潟総合テレビの記事から引用)

佐藤市議はこの女性の車にGPS発信機を取り付けてどこへ行くのか見張り、さらに誰と遭っているのか目視して確認し、「不倫をしている」など虚偽の手紙を書いて送りつけるという手の込んだストーカー行為を繰り返していたのでしょう。市議会議員なら本来の政治活動に時間を割くべきであり、ストーカー行為のために時間を費やすのは大間違いです
ストーカー規制法違反という犯罪に問われ、有罪判決を受け入れて罰金を払ったのですが、自分がストーカー行為を繰り返したという事実を頑なに否定しているように思われます。なので、またストーカー行為をするのでしょう
被害者である女性は佐藤市議に対し、600万円の損害賠償請求の民事訴訟を起こす予定だとか
それでも佐藤市議は「話し合いたい」とか、「謝罪したい」などと口実を設け、女性に接触を図るのでは?
もちろん、罰金刑を言い渡された時点で「女性には近づかないように」と釘を差されたはずですが、そんな警告はあっさり無視するものと予想されます
市議会議員を辞職し、ストーカー行為の治療を受けるのがベターな選択です
先日、別の記事で今年の夏から「J・デューイ=G・H・ミード著作集」を読んでいると書きました。発端は「ストーカーの自我形成ってどうなっているのだろう?」と思ったためです。手許にあったノーバート・ワイリーの「自我の記号論」を読んで、ミードやデューイまで遡らないとダメだな、と考えました
自我とは個々の人間に備わる人格とする考え方もあれば、社会における立場、地位、人間関係が人格を形成するとの考え方もあります。では、市議会議員という立場、地位、佐藤市議を取り巻く人間関係をして彼をストーカーたらしめたのか、と断じるのは無理があります。社会心理学の言うところの人間関係や社会的な立場とはまったく別のところに、彼をストーカー行為へ走らせた原因があると考えるのが妥当なのでは?
もちろん、デューイやミードは大学教授として哲学や社会学、心理学を講義していたのであり、臨床家ではありません
ストーカー特有の「認知の歪み」は上記の記事のとおりなのですが、それがどのように形成されたのか、臨床家の立場からの考察を記した論文なども読むつもりです

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