障害児セラピーと称して暴行 余罪で再逮捕

発達障害児の支援を行うNPO法人の理事長坂上慎一郎被告の公判が始まっていたのですが、ここにきて余罪による再逮捕となっています
坂上被告は発達障害のあるこどもの行動改善の技術があると称し、多額の指導料を受け取っていたのですが、単に「暴力で屈服させるだけ」であり、療育でもなんでもありません。よくもまあ、こんなやり方がまかり通っていたものだと呆れてしまいます


発達障害のある中学生らが「療育」名目で監禁されたとされる事件で、福岡県警は6日、別の男子中学生を監禁したとして、障害者支援を掲げる福岡市のNPO法人「さるく」理事長、坂上慎一被告(57)=同市早良区、逮捕監禁罪で起訴=ら2人を逮捕監禁容疑で再逮捕した。坂上容疑者の逮捕は3回目。
他に再逮捕されたのは小学校教諭、松原宏被告(37)=同県篠栗町、同罪で起訴=で、坂上容疑者の活動を手伝っていたとみられる。
再逮捕容疑は、両容疑者は共謀し2020年11月14日午前8時過ぎ、同県久留米市の自宅にいた当時中学生で15歳だった男性の手足を結束バンドで縛ったり、頭に袋のようなものをかぶせて数回殴ったりした後、車で連行。県内の山中や、さるくが運営する同市の障害者施設「くるめさるく」まで連れ出し、同日午後1時過ぎまで監禁したとしている。県警は両容疑者の認否を明らかにしていない。
両容疑者は長崎県内の中学生を監禁したなどとして22年7月に逮捕され、坂上容疑者は別の中学生の逮捕監禁容疑でも再逮捕されていた。9月26日にあった福岡地裁の初公判で2人とも起訴内容を認め、福岡県警は同様の余罪が10件程度あるとみて捜査を続けていた。
坂上容疑者は08年6月にさるくを設立。福岡、久留米両市によると、くるめさるくや障害児らを対象にした居宅介護サービスは事件後、坂上容疑者から両市に届け出があり、22年9月30日付でいずれも廃止されている。
(毎日新聞の記事から引用)


坂上被告はこどもに対して、「山に埋まるか、池でおぼれるか選べ」などと脅していたのだとか。まるでヤクザの手口です
発達障害があろうと、「ガツンと言って力で押さえつければ問題は解決する」と思い込んでいたのかもしれません
上記の記事にあるように、余罪がまだ10件程度あるのならこれから1つ1つ立件するわけで、そこから追加起訴された分を含めて公判となります。公判の再開は来年の夏くらいでしょうか?
共犯である小学校教諭の松原宏被告は坂上被告の、「ガツンと言って殴ってやれば発達障害なんて解決する」との理論に共感して片棒を担いたとも考えられます。あるいは拉致監禁を手伝って報酬をもらっていたのでしょうか?
公務員の副業は厳しく規制されており、NPO法人の手伝いといっても報酬を受け取るのは御法度です。勤務先の小学校に副業届を提出して許可を受けていた(報酬を受取ることも含め)ならともかく、そうでなければ懲戒処分の対象となります
余談ですが第二次大戦前の欧米や日本では優生保護思想がはびこっており、障害のあるこどもは安楽死させた方が親の負担も国家の負担も軽くて済む、という大義名分が通用していました。その結果、ヨーロッパ諸国やアメリカでも障害児の安楽死が行われています。アスペルガー障害という名称にその名を残すアスペルガー医師はオーストリア人で、ナチスの思想にも共鳴し優生保護思想を実践した人物です。彼の遂行する政策により、障害を持った多くのこどもたちが殺害されました
ユダヤ人虐殺という惨事に隠れてしまっていますが、「障害のあるまま生きるより、殺してあげた方が本人のため」などという理屈が堂々とまかり通る時代があったということを、私達は忘れてはなりません
追記:福岡地裁は坂上慎一被告に対し懲役3年の実刑(求刑は懲役4年)の判決を言い渡しています。坂上被告は2008年からNPO法人「さくる」を運営していますので、当時から監禁や暴行を加えていたのではないかと思われます。執行猶予を付けずに実刑を科したのも、その独善的な思考によって多くの被害者を出していた(立件されていないのですが)と考えれば当然の刑事処分でしょう

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