「安倍元首相を追悼する若者」を批判する韓国

安倍晋三元首相の葬儀に関する韓国メディアの報道はさまざまですが、東亜日報の東京特派員の書いた記事が特に印象深かったので取り上げます
東京特派員として日本社会の中に身を置いているだけに、韓国メディア特有の「色眼鏡で見る日本」ではなく、かなり現実に即した社会評となっています
特に安倍晋三元首相が若者の支持を集めていたとの指摘はいまさらですが、韓国メディアにしては斬新です。韓国メディアは従来、「日本の中高年の保守派が自民党を支持し、若者は韓流好きだから韓国に好意的だ」という、現実離れした認識に縛られてきました


日本のアベ・シンヂョ(安倍晋三)元総理の国葬が行われた27日、日本武道館隣近の公園には20~30代と見られる若者たちが多かった。ベビーカーを押してきた赤ちゃんの母親、まだスーツがぎこちない若い会社員、大きな鞄を背負った学生・・・、2か月の前の被殺直後も同じだった。家族葬が行われた増上寺の群衆の大半は若年層だった。
断片的な印象ではない。朝日新聞が今月10~11日に実施した世論調査で、アベ元総理の国葬に対する18~29歳の賛成率(58%)は、70代以上(26%)の倍以上だった。賛成率が30%台の50~60代とも違った。国葬に対する批判世論がハゲしい日本で、若年層は自民党政権の心強い支えである。
アベ元総理の国葬反対デモは白髪の老年層が大半だった。戦争を経験したり親世代に直接聞いた人々である。平和憲法の改正と防衛力増強の反対も彼らが声を高めている。良心的勢力であると評価できるのだが、日本国内では厳重な安保の現実に背いているという評価があることも否定できない現実だ。中高年と田舎の居住者が自民党を支持し、若者と大都市は野党を支持するという日本政治の公式はアベ政権時に壊れた。
日本の若者たちがアベ元総理を支持する要因を一つに要約するのは難しい。第2期アベ政権が発足した2012年末、1万円台だった日経の平均株価は2万円台を軽く超えた。大卒の就職率は98%(2018年)に達した。オリンピックも誘致した。2011年の東日本大震災の際に失策を連発し、福島原発の事故に対処できなかった野党は選択肢にはない。何よりも物心がついて以降、アベ元総理以外の別の総理を経験できていない。
構造改革が後回しになり、世界最大の国家債務と円安に縛られてコロナ19でオリンピックは半分になったが、若者たちは多少のことではアベノミクスのせいだとは思わない。1990年代中盤の就職氷河期を経た40代が今まで苦しんでいたのを見て胸をなでおろす。歴史修正主義、憲法改正の議論には関心がなかったり、日本が本来の場所を見つける過程だと考えている。日本国内に蔓延した反韓ムードには、このような雰囲気が影響を及ぼした。
ここまで言えば、「こんな日本が正しいというのか」、「縮んでいく日本に付いていくつもりなのか」という指摘が出る。知ろうとすることと肩を持とうとするのは異なるが、日本に対しては特にこのような反応が多い。アベ元総理が残した『賊反荷杖(盗人猛々しい・逆ギレ)』的な歴史認識は韓国としては開いた口が塞がらず、一時的な効果に終わったアベノミクスはベンチマーキングモデルになりにくい。それでも感情的に憤怒して嘲弄ばかりしていては、現在の日本を正確に把握することはできない。
日本と上手く付き合う必要がなく、韓国が世界を主導できると思うなら無視しても良い。現実はそうではない。数多くの専門家たちと国民は、韓日関係の改善が新たに再編される国際情勢であり、国益のために必要だと考えている。政府もそのような外交政策を展開している。
それならば日本の今を読まなければならない。日本が暮れていくなら何故なのかを把握し、戦略を整えなければならない。日本を知るためには主流政治を理解すべきであり、これを最も支持する若年層の考えを知るべきだ。「総理が穏健派(ハト派)だから保守派を追いやって韓国側になるだろう」、「韓流ブームで若者は全員韓国にハマり、極右派だけが韓国を嫌う」という考えは残念ながら日本の本当の姿とはかけ離れている。「韓国はすぐに滅んぶ」という妄想に陥った日本国内の嫌韓論者たちの失策を、我々が追いかけてはいけないという意味だ。
(東亜日報の記事から引用)


まあ、そう簡単に安倍支持派とか不支持派などと色分けはできません。自分は安倍元首相の国葬に反対する派ですが、安倍政治を否定はしません。特に韓国の嘘を許さなかった安倍外交は評価します
従軍慰安婦問題を完全に解決するとして、当時の安倍首相は10億円の基金を支出したのですが、韓国側は勝手に慰安婦問題解決のための財団を開催してしまい、10億円の基金は宙に浮かせたままさらなる謝罪と賠償を日本に要求しています。菅政権、岸田政権とも安倍外交の流れを汲んで韓国の嘘を許さない姿勢を維持しており、徴用工問題とも相俟って韓国側は完全に手詰まり状態です
これまでのような「日本が悪い、日本のせいだ」では解決しないと韓国側に明確に知らしめたのであり、これは過去の自民党政権とは大違いです。「歴史問題を蒸し返したところで何の切り札にもならないぞ」というわけです
その当時、外務大臣だったのが岸田現首相ですから、韓国の嘘を許す気になれないのは当然であり、日韓の関係改善には韓国政府がこれまでの嘘を認め、日本を騙すような真似は止めると宣言しなければなりません
ところが今回もまた、ニューヨークの国連総会にかこつけて日韓首脳会談開催が決まったと、一方的に韓国政府が公表してしまい、日本政府を激怒させています。またも嘘をついて、首脳会談開催を既成事実化しようとしたのです
日本相手に何をしても構わない、という韓国政府の態度がまったく変わっていないのは明らかです
韓国政府のプロパガンダであるインチキ韓流ブームに惑わされることなく、韓国批判を続ける日本の若者が大勢いる現実をこの記事は伝えています

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