障害児セラピーと称して暴行 初公判で容疑を認める

発達障害のある中学生を拘束したとして、逮捕監禁罪に問われている福岡市のNPO法人「さるく」理事長の坂上慎一被告と、福岡県志免町立小学校教諭の松原宏被告の初公判が福岡地裁で開かれました。中学生の手足を拘束し、車に乗せて坂上被告の運営する施設へ連れ込んだ疑いです
NPO法人「さくる」は発達障害があって暴力を振るうこどもたちへの療育を実施すると称し、高額な料金を受け取っていたとされます


起訴状などによりますと、坂上被告は去年10月、小学校教師の松原宏被告と共謀し、長崎県内に住む男子中学生(当時14)の両手足を結束バンドで縛って頭を殴るなどしたうえ、自らが運営する久留米市の施設に連行するために車の中に監禁したとされています。
黒のTシャツ姿で出廷した坂上被告は、裁判官から起訴内容について問われるとー。
◆坂上被告
「特に申し上げることはございません」
全面的に起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で、坂上被告はかねてから「レスキュー」と称して、障害がある子供に恐怖心を植え付けることで問題行動を解消するようになったと指摘しました。
その上で、「アメリカ映画の拷問シーンを参考にした」「療育として正当化される余地はない」などとの本人の供述調書を読み上げました。
同時に審理されている松原被告も起訴内容を認めていて、2人とも争う姿勢は示していません。
坂上被告らを巡っては、同様の犯行が他にも確認されていて、検察が追起訴を予定しています。
(テレビ西日本の記事から引用)


「自分の指導技術は日本一だ」と豪語していた坂上被告ですが、あっさりと「療育として正当化される余地はない」と認めており、起訴内容については争わない構えのようです
どうせなら法廷で自身の療育論をぶちかまし、検察官相手に論戦を展開してほしかったのですが。元より根拠などない独りよがりの手法であると認識していたのでしょう
幼いこどもがいたずらをすれば押さえつけて叱るのと同じであり、悪さをすれば叱られる、罰を受けると刷り込むことで行動を抑制しようという手法でしかありません。発達障害を抱え、極めて自己抑制を苦手とするこどもたちに有効な手法だとは思えません
注意欠陥多動障害への対処としてはリタリンなど塩酸メチルフェニデート製剤を投与する方法が知られており、欧米諸国でも実施されています。しかし、薬を服用し続けることへの親の不安もあり、薬物依存になってしまうのではないかとの懸念があって躊躇する人たちもいます
根本的な治療法ではなく、あくまで症状を改善させるというものですから、懐疑的になるのは理解できます。ただ、その効果というのは当事者であるこどもでないと実感できないのであり、親があれこれ不安を述べまくってるだけでは前に進みません
投薬ではなく別の方法を模索する親御さんもいて、そうした方が坂上被告のようなインチキ療法に依存し、高額な料金をぼったくられるのでしょう
それにしても今回の件で関与している小学校の教師とは何なのでしょうか?
監禁された中学生は長崎県在住ですから、小学校教師の松原被告とは接点がないはずです。松原被告は坂上被告のあやしい療育理論の信奉者なのか、あるいはこどもは力で押さえつけないとダメだと信じる脳筋教師なのか?
松原被告はまだ教師という身分のままのですが、有罪判決を受ければそれが罰金刑であっても退職せざるを得ないでしょう

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