ヤマト運輸男女殺傷事件 控訴審でも懲役27年

ヤマト運輸の配送センターで従業員に刃物をで切りつけ、1人を死亡させ1人を負傷させたとして懲役27年の1審判決を受けた筧真一被告の控訴審判決がありました
筧被告は1審判決が「「被告は被害者2人が結託して辞めさせるように仕向けたと思い込んだ。さらに女性への恋愛感情の裏返しとしての憎しみが主な理由となって殺害を決意した」と認定したのを不服とし、控訴していました。犯行はあくまでヤマト運輸側の不当な解雇に抗議するためのものだった、と主張していました


勤務先の配送センターで従業員の女性を包丁で刺して殺害したなどの罪に問われている男に対し、大阪高裁は控訴を棄却しました。
神戸市北区の無職・筧真一被告(48)は、おととし10月、勤務先だったヤマト運輸の配送センターで従業員の廣野真由美さん(当時47)を包丁で刺して殺害し、別の男性従業員を刺して左手に大けがを負わせたなどの罪に問われています。
1審の神戸地裁は筧被告の犯行動機を廣野さんへの恋愛感情や男性従業員への不満などから「2人が結託して被告を退職に追い込んだと思い込んだ」などとして、懲役27年を言い渡し、筧被告側が控訴していました。
9月14日の判決で大阪高裁は「被害者らが結託してやめさせるよう仕向けたとする思い込みには全く根拠がなく、そのいきさつに酌むべき点はない」などとして1審判決を支持し控訴を棄却しました。
判決を受けて、廣野さんの遺族は次のようにコメントしています。
【廣野さんの遺族コメント】
「被告人は、控訴審では、私の妻を殺害したのは勘違いだった、申し訳なかったと主張しました。勘違いでは済まされませんし、謝っても妻は戻ってきませんが、少しは反省したのだろうかとも思いました。しかし、被告人は一度も裁判に来ず、自分の言葉で語ることをしませんでした。何のための控訴だったのか、まったくわかりません。懲役27年という結論にどうにか納得しようとしてきましたが、本日までの態度を見て、十分な報いだったのだろうかという思いを抱かずにはいられません」
(MBSニュースの記事から引用)


控訴審は被告の出廷が義務付けられていませんので、弁護人だけが出廷して進められるのが一般的です。もちろん、被告人が出廷して反省の弁を述べるのが禁じられているわけでもなく、筧被告に謝罪の意志があれば出廷できたはずです
そうしなかったのは、恨み・僻みが勝って謝罪を口になどしたくなかったから、と推測されます
つまりは法廷で遺族に謝罪するだけの勇気もなく、遺族の感情に寄り添う気もない小さな男、というだけです
もちろん、損害賠償や慰謝料を支払うだけの財産もないのでしょうから、このまま何もしないで済ませるものと思われます。15年くらい経て、仮釈放を得たいがため遺族宛に謝罪の手紙を繰り返し送るようになるかもしれません
殺人の場合、仮釈放の手続き上、遺族が仮釈放に同意するか否かが重要な判断材料になります(しばしば、殺人犯が遺族の知らないうちに、警察から連絡もないまま仮釈放になっている、などと言われるわけですが、原則として仮釈放には遺族の意向確認の手続きが存在します。この「連絡もないまま仮釈放」という風説はおそらく刑事ドラマの設定に影響されたものと推測されます)
この意向確認の手続を行うのは警察ではありませんし、刑務所でもありません。保護観察所です
筧被告も服役して70歳近くなれば仮釈放を求めるようになり、そのときになってようやく遺族の恨み、憎しみに気がつくのでしょう
余談ですが、刑事ドラマでは刑事が犯人に手錠をかけて刑務所へ連れて行くシーンがあったりしますが、実務上そのような取り扱いはありません。あくまで拘置所に収監し、拘置所から刑務所へ送られます

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