アメリカで売れている漫画家 2021年ランキング

中国や韓国のウェブトーン(スマートフォンで縦スクロールして読め、概ねフルカラーの漫画)が世界を得ているとの記事をたびたび目にします
個々の作品名も挙げられ、数百万ページビューを記録しているなどと報じられるのですが、いまいちピンときません
さらにそうした報道は、「日本のマンガが駆逐されようとしているのに、日本には危機感が足りない」などという余計な警告までついてきます
中国や韓国のマンガ作品が売れているなら、それはそれで結構な話であり、日本が危機感を抱いてどうなるものかと言いたくなります
中には日本漫画の特徴であるコマ割りが複雑すぎて、海外の読者にはウケないとまで断言してるのですが、余計なお世話でしょう
日本の漫画作品も縦スクロールのフルカラーにするべき、と言いたいのかもしれませんが、多くの漫画家は反対するのでは?
コマ割りによる表現手法が日本の漫画家に定着し、馴染んでいるのですから、それを捨てるという選択肢はないはずです


日本人だけが知らない、中韓が漫画市場の覇権を獲る日 ── 「漫画版TikTok」は264億円調達
オールカラーで描かれ、縦スクロールで読み進める
モバイルに特化したマンガ「WEBTOON(ウェブトゥーン)」が世界を席巻している。
ネットフリックスで2020年にドラマ化され、日本でも社会現象となった『梨泰院クラス』。原作は韓国のカカオエンターテイメントの電子コミックサービス「ピッコマ」から配信されたオリジナルWEBTOONだ。
同じくネットフリックスで2020年12月に配信されたホラーミステリー作品『Sweet Home ー俺と世界の絶望ー』は、韓国のネイバーが提供する「LINEマンガ」発のオリジナルWEBTOONが原作。
こちらは近未来を舞台にしたサバイバル・サスペンスだが、配信開始わずか4週間で全世界2200万人が視聴する人気となり、70か国以上でトップ10内にランクインするなど話題となった。
WEBTOONは従来なら映像化が難しいと思われる奇抜な設定の作品も多い。しかし『Sweet Home』のヒットは、ネットフリックスのように過激な表現にも寛容なストリーミングサービスとWEBTOONの相性の良さを象徴する現象となっている。
韓国ネイバーとカカオは世界覇権を狙い激突
日本の電子コミックサービスでも縦スクロール型のオリジナル作品は数多く配信されている。しかし世界市場は韓国のネイバーとカカオエンターテイメントの躍進が目立つ。
例えば「LINEマンガ(日本)」を包括しているネイバーの「WEBTOON worldwide service」の月間利用者数(MAU)は7200万人に上る。
カカオは、利用者数を非公表としているが、2020年「ピッコマ」がApp Store(ブックカテゴリ)とGoogle Play(コミックカテゴリ)の合計で、グローバルで年間セールス1位を獲得したと発表。
グローバルなM&Aで事業規模を拡大
WEBTOONを配信するサービスは世界的に大きなシェアを持つプラットフォームが未だ存在しない。両社はWEBTOONの世界的な人気を足掛かりに、活発にM&Aをし、電子コミックのプラットフォームとしての事業規模を拡大させている。
ネイバーは2020年にWEBTOON事業部をアメリカ法人・WEBTOON Entertainmentに託し、アメリカ法人が世界各国のWEBTOON関連系列会社を牽引する構造へと改編した。
知的財産(IP)ビジネスの本場であるアメリカに事業部を移し、戦略的に海外展開を推進している。
(以下、略)


この手の記事のテンプレな手段で、あれこれ数字を並べ「凄いだろう」と強調する書き方です
ただ、いくら数字を並べられようと『梨泰院クラス』が素晴らしく面白い作品だとは思えないのであり、それより映画『劇場版 呪術廻戦 0』が日本国内だけで興行収入100億円を超えたという事実の方が凄いと思ってしまいます
元々韓国国内のマンガ市場は小さいのであり、海外で稼がないとやっていけない事情があるため、せっせと国外でビジネス展開をしているだけの話です。稼げているのならよいのでは?
なぜ、韓国のウェブトーンが売れると日本の漫画が駆逐されるのか、その理屈が理解できません
ちなみにアメリカで2021年に売れた漫画及び漫画家のリストがあるので、貼っておきます(漫画というカテゴリーなので、アメリカン・コミックとは別に集計されているものと思われます)

■2021年にアメリカで売れた漫画作品TOP20
1位『進撃の巨人 第1巻』16万9,582部
2位『僕のヒーローアカデミア 第1巻』16万2,949部
3位『鬼滅の刃 第1巻』15万8,292部
4位『チェンソーマン 第1巻』15万0,495部
5位『僕のヒーローアカデミア 第2巻』14万7,762部
6位『地縛少年花子くん 第1巻』14万7,119部
7位『呪術廻戦 第1巻』14万3,239部
8位『僕のヒーローアカデミア 第28巻』12万9,692部
9位『鬼滅の刃 第2巻』12万8,900部
10位『僕のヒーローアカデミア 第26巻』11万9,348部
11位『僕のヒーローアカデミア 第27巻』11万1,554部
12位『僕のヒーローアカデミア 第29巻』10万3,294部
13位『僕のヒーローアカデミア 第3巻』9万9,116部
14位『鬼滅の刃 第23巻』9万7,873部
15位『鬼滅の刃 第3巻』9万5,177部
16位『進撃の巨人 第2巻』9万4,318部
17位『チェンソーマン 第2巻』9万1,563部
18位『チェンソーマン 第3巻』9万1,383部
19位『デスノート ブラックエディション 第1巻』9万1,256部
20位『進撃の巨人 第34巻』9万0,911部

■2021年にアメリカで最も売れた漫画家TOP10
1位 堀越耕平(累計180万8,798部)
2位 吾峠呼世晴(累計158万6,009部)
3位 諫山創(累計132万0,674部)
4位 芥見下々(累計92万8,326部)
5位 藤本タツキ(累計65万6,037部)
6位 伊藤潤二(累計62万3,807部)
7位 あいだいろ(累計62万0,160部)
8位 白井カイウ(累計60万3,276部)
9位 古舘春一(累計53万2,174部)
10位 石田スイ(累計49万6,068部)

最新の漫画累計売上部数は以下の通りのです
漫画の累計発行部数TOP100
【1位】ワンピース:5億部
【2位】ドラえもん:3億部
【2位】ゴルゴ13:3億部
【4位】ドラゴンボール:2億6000万部
【5位】ナルト:2億5000万部
【5位】名探偵コナン:2億5000万部
【7位】ブラック・ジャック:1億7600万部
【8位】こちら葛飾区亀有公園前派出所:1億5650万部
【9位】鬼滅の刃:1億5000万部
【10位】美味しんぼ:1億3500万部
【11位】スラムダンク:1億2029万部
【12位】ジョジョの奇妙な冒険:1億2000万部
【12位】ブリーチ:1億2000万部
【14位】鉄腕アトム:1億部
【14位】タッチ:1億部
【14位】金田一少年の事件簿:1億部
【14位】北斗の拳:1億部
【14位】進撃の巨人:1億部
【19位】はじめの一歩:9600万部
【20位】キングダム:9000万部
【20位】クローズ:9000万部
【22位】サザエさん:8600万部
【23位】グラップラー刃牙:8500万部
【24位】バガボンド:8200万部
【25位】鋼の錬金術師:8000万部
【25位】キャプテン翼:8000万部
【25位】三国志:8000万部
【28位】ハンター×ハンター:7900万部
【29位】キン肉マン:7700万部
【30位】るろうに剣心:7200万部
【30位】フェアリーテイル:7200万部
【32位】呪術廻戦:7000万部
【33位】僕のヒーローアカデミア:6500万部
【34位】花より男子:6100万部

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