バレーボール部顧問 女子部員への体罰常習で再逮捕

昨年、東京でオリンピックが開催され、スポーツへの関心が一段と高まりました。特にスケートボードの十代の女子選手たちがのびのびとしたパフォーマンスを繰り広げたところが注目されました
ところがいまだに高校スポーツの場では、気合だの根性だのという精神論に依存した指導がまかり通り、選手への体罰も繰り返されるという残念な状況が続いています
「殴ったからといって選手は強くならないし、うまくならない」とは野球で活躍した桑田選手の言葉です。桑田選手はPL学園で1年生からレギュラーでしたが、上級生からの理不尽なしごき、暴力に悩まされたのだとか
長くPL学園の監督を務めた中村順司氏は名将と讃えられてはいますが、PL学園野球部の暴力体質は一掃できませんでした
さて、本日は千葉県立松戸高校の教諭にしてバレーボール部顧問の体罰事件について2度目の言及になります
6月にも逮捕の報道を取り上げたところですが、本日再逮捕されたと報じられています。常態的に部員への体罰を繰り返していた疑いがあるとしての再逮捕です


ミスに憤慨 顔面にボール投げつけ
千葉県立松戸高校・女子バレーボール部顧問の国安鉄太郎容疑者(51)は、練習中、女子部員の顔面に、バレーボールを投げつけて、ケガをさせた、傷害などの疑いが持たれている。千葉県警松戸警察署の調べによると、今年5月、高校の体育館での朝練中に、プレーでのミスに憤慨。至近距離から、女子部員の顔面めがけて、ボールを複数回投げつけたという。
女子部員は鼻から出血し、顔面打撲など全治1週間のケガを負ったという。その日のうちに、部員の母親が警察署に駆け込み、被害届を提出。松戸署は、他の部員や関係者に対する事情聴取を重ねた結果、先月29日、国安容疑者を逮捕した。
さらに、捜査の過程で、去年12月、都内の大学で練習試合に出向いた際、同じ部員の顔面にバレーボールを投げつけていたことも発覚。国安容疑者は、今月19日、暴行の疑いでも、再逮捕された。
県立高校を”強豪校”に 知らぬ者なし「名将」
国安容疑者は、千葉県内では、かなり有名な存在だったようだ。県立柏井高校では、在任中、インターハイに3年連続出場。「春高バレー」では3位に導いた。公立高校ながらも、県内有数のバレーボール“強豪校”に育て上げたという。
国安容疑者を知る元生徒によると、まさに「千葉県では知らない人がいない先生」だったという。また、学校では体育教師として、生徒指導も担当。これだけでも学校に1人はいる“誰もが恐れる先生”というイメージが湧くが、その“厳しさ”でも有名だったとのこと。
国安容疑者を知る元生徒は、取材に対して、「生徒指導で校則などを違反して言うことの聞かない人がいると、大声で怒鳴り、生徒の前で机やイスを蹴るなど物に当たることもよくあった」と話した。
部員の顔・体にアザも
さらに、バレーボール部の練習では“度が超えた指導”が、度々、見受けられたという。元生徒は、「体育館でのバレー部の練習中にはよく『ふざけんな』などと国安先生の怒鳴り声が響いていました。怒られて体育館から出されて、外を何時間も走らされている部員もいました」と証言する。
そして、体罰についても、「今回のようにボールを顔面にぶつけられているのを見たことありますし、よく顔や体にぶたれたようなアザを作っている部員もいました」と打ち明けた。体罰は今に始まったことではなく、“常習的”だったというのだ。
県警「明らかに指導の域を超えている」
千葉県教育委員会は、今回の体罰について、国安容疑者を戒告処分とした。容疑者本人は、県教委の聞き取りに対して「体罰の認識が甘く、反省している」と話したという。一方で、県警の調べに対しては、容疑を一部否認している。
ある捜査関係者は「昨今、体罰についての相談などは珍しいことではないが、今回は態様も悪質で明らかに指導の域を超えている」と憤った。県警は、他にも体罰がなかったか余罪を調べている。
(FNNプライムオンラインの記事から引用)


以前にも書きましたが、学校長というのは大抵は校長室にいる場合が多く、校内を巡回してどのような授業が行われているのか、部活ではどのような指導がされているのか確認しようとはしません。「授業も部活もそれぞれの担当者に任せているので、覗くような真似は控えるべきだ」という決まりでもあるのでしょうか?
学校長は責任者ですから、部活で体罰まがいの指導がされてないかチェックするのは当然の務めでしょう
しかし、ほとんどの学校長はその役割を果たそうとせず、校長室に居座ったままです。これでは管理職とはいえません
自分の経験としても授業中、あるいは部活動中に校長が巡回して来たという経験はありません。ですから、数十年もの間、学校長は責任者としての役割を果たさないまま給料を受け取るのが当たり前になっていた、といえます
職員会議で「体罰はいけません」と訓示するだけが校長の役割なのでしょうか?
しかし、校長が責任を果たしていないと教育委員会や文部科学省は決して認めないのでしょう。認めてしまえば、これまでの教育行政が嘘だったと肯定する結果になります
逮捕された国安容疑者については、現在の生徒やバレー部のOBが「国安先生はいい人だ。熱心な指導者だ。厳しく処罰しないで欲しい」などという減刑嘆願書を出すため署名を集めたりするのでしょうが。絶対にやめてもらいたいものです
追記:松戸区検は国安容疑者を略式起訴し、罰金40万円の刑が確定しています。千葉県教育委員会は国安容疑者を戒告処分にしており、懲戒免職にはしていません。おそらく他校へ転勤させてお茶を濁すのでしょう

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