障害児セラピーと称して暴行 「技術は日本一」と自称
今年の春、スーパーで買い物をした帰りに道沿いの民家から物を破壊するような音がし、小学校入学前と思われる男の子が飛び出してきました。男の子は道路にしゃがみ込んだため、通行中の車が数台慌てて急ブレーキを踏む事態になりました。後から追いかけてきた母親が男の子を抱きかかえ道路際に退避したので事故にはなりませんでしたが、男の子は注意欠陥多動障害のように見えました。家から出ないよう玄関先をバリケードのように塞いでいたのでしょうが、それを壊して飛び出したようです
通常なら幼稚園に通わせる年齢なのですが、発達障害があるため入園を断られたのかもしれません。家にいてもこれですから、親御さんは気持ちが休まらないものと推察します
さて、九州で障害児セラピーと称し、こどもを拘束したり暴行を加えていたNPO法人「さるく」の続報です
毎日新聞は、障害者支援を手がける福岡市のNPO法人「さるく」理事長の坂上慎一容疑者(57)が6月に実施した、オンラインセミナーの動画を独自に入手した。
セミナーは、自傷行為を繰り返す「強度行動障害」のある障害児に坂上容疑者が実践した「セラピー」の動画を紹介しながら進行。坂上容疑者が馬乗りになって障害児の首を両手で押さえたり、抵抗しようとすると「ノー」と語気を強めて障害児の頭を上下左右に揺さぶったりする様子が、画面に映し出された。
この動画について、坂上容疑者は「大きな声で僕が『ノー』『罰』と言ったり、頭をコンとタッピングしたりすることがあります。それを『虐待だ』とか、そういうレベルでコメントする人と議論したくない。結果として命を救っていますからね」と強調。更に「(困ったら)僕に一報、入れてくれ」「技術はここに日本一のがある」といった、療育への自信をうかがわせる発言も繰り返した。
一方、さるくのホームページにはこのセミナー以前から、坂上容疑者名の「生活改善事業の廃止について」と題する文章が掲載されていた。「私が子供たちに行った、他者を殴る行為を防ぐための一時的な身体拘束は、刑事罰に相当する犯罪行為であることは明らかです」と拘束を謝罪する内容だが、「救いたいとの一心から実施した」「保護者の承諾に基づいている」などと釈明も目立つ。
強度行動障害は重度の知的障害を伴う自閉症者らに多く、自分の考えを伝えられない不安や不快感が問題行動として表れるとされる。医学的な診断名ではなく全国的な統計もないが、専門家の推計では人口10万人あたり100人弱の割合で症状が表れるとされる。
ただ、社会的な認知度の低さから対応できる人材や施設の不足が課題となっており、家族の負担は大きい。関係者によると、坂上容疑者のセラピーは福祉事業ではない「私的サービス」で高額だったが「障害が改善した」と支持する保護者もいたという。一方、別の保護者は「真剣に子供のことを考えてくれていたのだろうか」と疑問を呈する。
福岡県警は複数の専門家の意見を踏まえた上で、保護者が支援サービスに同意していたとしても常識的な範囲を逸脱していると判断。坂上容疑者らの逮捕に踏み切った。20日午前8時過ぎ、坂上容疑者の自宅マンション前には報道陣が集まったが、本人は駐車場で県警の捜査車両に乗って移送されたとみられ、姿を見せることはなかった。
(毎日新聞の記事から引用)
報道がいくつもあって全体像がつかみにくいのですが、手足を拘束してこどもを拉致して連れ出し、3日ないし4日の療育で数百万円の報酬を請求するケースもあったと書いている記事もあります
やっているのは上記の記事にもとおり、押さえつけて暴れられない状態にし、暴力で服従させる訓練でしょう。これを療育と呼ぶのには強い違和感を覚えます
これを坂上容疑者は、「私が子供たちに行った、他者を殴る行為を防ぐための一時的な身体拘束は、刑事罰に相当する犯罪行為であることは明らかです」と開き直って実施していたわけで、前回も取り上げたように戸塚ヨットスクールを思い起こします
ただ、戸塚ヨットスクールの場合、情緒障害児(当時の用語)を受け入れるために運営されていたのではなく、たまたま不登校のこどもがヨット訓練を経験して自立し学校にも通うようになったとの噂が広まり、次々と不登校児を受け入れたという経緯がありました。なので、戸塚校長の教育論はすべて後付の理屈にすぎず、自身の体験を唯一の根拠としたものでした(石原慎太郎が戸塚宏の行動を肯定したため、公認されたかのようになりましたが)
坂上容疑者の場合、大学院で学んだとされますが、身体拘束を固定するような療育理論があるのかどうかは疑問です。おそらくないでしょう
坂上容疑者が力で押さえつける実力行使に当って、自身の中に線引きがあったとしても、他のスタッフが同じ線引きを共有できているとは限らないのであり、結局は各スタッフが思い思いに拘束したり暴行を加える形になります
なので非常に危うい気がします
さらに大人の暴力に怯えたこどもが一時的に大人しくなったとしても、その状態で治癒したとは断定できないのであり、反動を生じる場合も考えられます。長期的に見て坂上容疑者の療育なるものが本当に効果があったかどうか、検証する必要があります
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