名古屋夫婦強盗殺人 末期がんで差戻し審待つ被告

2017年に名古屋市南区で80歳代の老夫婦を殺害し、1200円入りの財布を奪ったとして起訴された松井広志被告について東京新聞が記事を書いています。末期の膵臓がんで余命幾ばくもない状態のまま名古屋拘置所に収監されており、裁判をまっていと
松井被告は名古屋地裁で無期懲役判決を受けたものの、高裁が強盗殺人を認めなかったのは誤りだとして差し戻しを決定し、差し戻し審が始まれないままになっています

「愚かなことした」末期がん宣告で気付いた命の尊さと罪の重さ 体重20キロ減で裁判を待つ容疑者、遺族の複雑な心境
https://www.tokyo-np.co.jp/article/190262
◆ステージ4で延命治療、被害者の冥福祈る日々
5月末、名古屋拘置所の面会室。「松井です」。奥の扉から松井被告が松葉づえをついて姿を見せた。体重は約20キロ減り、逮捕時とは別人のように痩せ細っていた。「身体がだるく、食欲もない」。アクリル板越しに、飲み薬の抗がん剤と栄養剤で延命治療をしていると語った。
膵臓すいぞうがんと分かったのは2月下旬。がんは肝臓にも転移しており、医師からは「手術や放射線治療は不可能。5年間の生存率は数%」と告げられたという。「死刑を宣告されたようなもの。いつまで生きとれるかも分からない」
事件当時は、生活保護を受給していた。外出先から帰宅した際に会った被害者から「『仕事もしないでいいご身分ね』と言われ、自分の怒りを抑えきれなかった」と、犯行の動機を打ち明けた。
拘置所では毎日、被害者の顔写真を見て両手を合わせ、命日やお盆には「南無阿弥陀仏」と唱えた。遺族への謝罪の思いを便せん5枚につづったこともあったが、「気持ちを逆なでするかもしれない」と手紙は出せなかった。
今は、無事に明日を迎えられるかも分からず「命ははかなく、尊いもの」と感じるようになった。「あのとき、自分の怒りの気持ちを静める理性さえあれば…」。松井被告は目に涙を浮かべ声を震わせた。「でも、もう戻れないし、2人は生き返らない。だから一生罪を背負い、冥福を祈り続けるしかないです」
◆「裁判は終えられる?」「健康でなければ償えない」
19年3月の一審名古屋地裁判決は強盗殺人罪ではなく殺人と窃盗が成立すると判断し、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。20年1月の二審名古屋高裁判決は強盗殺人罪を認めなかった一審判決には事実誤認があるとして、審理を名古屋地裁に差し戻し、その後、差し戻しが確定した。差し戻し後の名古屋地裁の公判は始まっていない。
(中略)
◆がんの発見遅れたのは拘置所の不備? 松井被告が国を提訴へ
松井被告は、名古屋拘置所の医療措置が不十分だったため末期がんの発見が遅れたなどとして、国に損害賠償を求めて訴訟を起こす方針だ。
松井被告は「以前から何度も倦怠けんたい感や食欲不振、体重減少を訴えてきた。数値が悪化していたのに速やかに精密検査を行ってもらえず、手遅れになった可能性がある」などと主張する。
訴訟で代理人を務める大野鉄平弁護士は「被収容者が適切な医療上の措置を受ける権利は憲法や法律で保障されている。早期に専門医の診療や精密検査を受けていれば、打つ手があったのではないか」と指摘する。
法務省矯正局や名古屋拘置所は本紙の取材に「一般論として矯正医療は適切に行っている。医療過誤があったとは考えていない」などと回答した。
(東京新聞の記事から引用)


赤字で表記した部分ですが、松井被告は当時生活保護を受けながらパチンコにのめり込んでおり、事件当日もパチンコの帰りでした。記事ではわざわざその事実を伏せており、松井被告が同情を得られるように書いたと思われます
しかし、パチンカスに同情する必要はなく、2人の命を奪った事実は重く扱う必要があります。この記事の書き方では、「仕事もしないでいいご身分ね」と言った被害者女性がすべて悪いかのような印象を与えてしまいます
上記の記事を読めば、記者が末期がんの松井被告に肩入れしているのが伝わってくるわけで、甚だ疑問です
がんの早期発見を望むのであれば、松井被告はパチンコなどせず健康診断を受診すればよかったのです

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