安倍元首相撃たれる　奈良県警のグダグダ: 夾竹桃日記

2022年07月11日

安倍元首相撃たれる　奈良県警のグダグダ

安倍元首相が銃撃され、殺害されたのは事件としても重要かつ重大な出来事ですが、我が国の警察の要人警護能力がこの程度のお粗末さであると世界に知らしめた点も重大です

ところが鬼塚友章奈良県警本部長の会見は、「私自身も平成７年に警察官を拝命して、２７年余りの警察官人生での最大の悔恨、痛恨の極みだ。責任の重さを痛感している」という自分語りもあって（鬼塚本部長の警察官人生が何年だろうが関係ありません）、脱力物でした。さらに進退を問われた際は、「事件の全容解明に全力を尽くす」と、当たり前のことをさも重大な決意であるかのように語っています。犯人も現行犯で逮捕されていますし、立件して送検するのが警察の仕事です。全容を解明できなければ無能でしょう

当事者意識の乏しさに呆れ、どうしてこんな人物が県警本部長なのかと思ってしまいます。九州大学法学部卒のキャリア組で、警備部門のエリートなどと報じられますが…

以下、デイリー新潮の記事から引用します

安倍元首相暗殺でひんしゅくを買った奈良県警の会見　県警本部長の更迭は不可避、警視総監・警察庁長官も交代が既定路線に

https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07111031/?all=1

（前略）

奈良県警の刑事部長や警備実施を担当した警備部参事官らが会見したのは、安倍元首相が銃撃され、死亡した8日夜のことだった。

「何を聞かれても”具体的な回答は差し控えたい”と繰り返し続けたことについて、各方面で”あの会見はなんなんだ”……といった、怒りともむなしい気持ちを吐露したとも取れる声があがっていました」と、社会部デスク。

「確かに警備実施の中身は秘中の秘ですから県警幹部の言っていることは間違ってはいないのです。しかし、警察当局の幹部の中にすら”こういう会見の時って中身より言い方だったりするじゃないですか。その点、彼らの振る舞い方は受け入れがたい、良くなかった”と話す人がいました」

不祥事などが起こって開かれる記者会見での言動は危機管理の面で重要な岐路とされているが、今回、県警はそこでもつまづいたというわけなのだ。

警備計画書を承認した本部長の真意とは？　

「いずれどこかのタイミングでは行われることになったと思いますが、幹部らの不手際もあって、翌日夜には県警本部長の会見が行われることになりました」（先のデスク）

9日夜、1995（平成7）年入庁キャリアの鬼塚友章本部長（50）は徹頭徹尾、神妙な面持ちで目を充血させ、絞り出すように会見に臨んでいた。その中身は大要以下の通りである。

・今回の警護、警備に関する問題があったことは否定できない。

・警護計画書に違和感を持ったり修正すべき点を感じたりしたところはなく、原案通り承認をした。

・背後からの脅威への対応が十分だったか、今後検証されるべきだ。

・治安責任を有する県警本部長として極めて重大かつ、深刻に受け止めており、その責任も痛感している。

・午前11時30分すぎに第1報が入った。その状況の深刻さについて、私自身も平成7年に警察官を拝命して、27年余りの警察官人生での最大の悔恨、痛恨の極みだ。責任の重さを痛感している。

（以下、略）

省略した部分では警察庁長官ら、幹部の更迭の可能性についても言及されています

何より優先すべきは要人警護のあり方を根本から見直し、より実効性のある方法にバージョンアップさせ、それを警視庁はもとより各道府県警察に習熟させることです

ヤフーニュースのサイトのコメント欄には、「警察の幹部の首を単にすげ替えるのではなく、警備のあり方を考えさせてから交代させるべき」との意見が書き込まれています。が、警察庁長官や奈良県警本部長に警備体制の抜本的な見直し案を提起する能力などないのですから、考えさせるだけ時間の無駄でしょう（現場の係長とか、課長クラスの方が適しています）

警備の問題で思い起こすのは、東京五輪の警備の件です。各県警の警察官が応援のため東京に集められましたが、物見遊山気分なのか酒に酔って問題を起こしたりと、気分の緩みが散見されました。東京五輪の会場でテロ事件など起こらないと決めつけているのか、褒められる状態になかったのは明らかです

そうした気の緩みが今回の奈良県警の失態につながっていると決めつけるわけにはいきませんが、まったく無縁ではなさそうです

とあるメディアは、今回の事態を「警察の平和ボケ」と書いていましたその通りでしょう

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