参議院選挙で「アベの呪い」と書いた日刊ゲンダイ

選挙の話題に飽きた、という方もおられると思いますが、選挙の時でないと扱えない話題もあります
かつて日刊ゲンダイといえば、「日本を救うのは小沢一郎しかいない」などなど、小沢一郎待望論をこれでもかと紙面で展開していたメディアです。もちろん、小沢一郎支持の反映として、安倍政権など与党政府をこれでもかと批判していました
その日刊ゲンダイが投票日の前に「アベ神話ついに崩壊!生稲氏含む6候補が次々失速、選挙応援裏目に出る“呪い”状態」と題する記事を掲載しました。誰もがこんな記事を掲載すれば「真逆の結果になるフラグ」と受け取るわけですが、日刊ゲンダイの編集部だけはそう思わなかったようです
記事が掲載されたのが7月7日であり、その後安倍晋三元首相が銃撃され、参議院議員選挙は安倍元首相の弔い合戦のような形となり、自民党が勝利する結果となりました
選挙戦で失速、と書かれた自民党の各候補者が相次いで当選しており、「呪い」などという表現を安直に使うべきではないと、日刊ゲンダイ編集部は肝に銘じるべきでしょう


「アベ神話」ついに崩壊!生稲氏含む6候補が次々失速、選挙応援裏目に出る“呪い”状態
■「選挙に強い」印象操作も崩壊
もっとも、応援に入るのは安倍派議員が優勢の選挙区ばかりだったが、終盤に来て次々と劣勢に追い込まれている。「選挙に強い」との印象操作もついに崩壊寸前だ。
大誤算が、安倍派の総力支援を受けて東京選挙区に立つ生稲晃子候補だ。当初は2期目を狙う自民の朝日健太郎候補とトップを争っていたのに、中盤からみるみる失速した。
候補者アンケートをめぐり、NHKの選択式では無回答を連発し、東京新聞の自由記述には朝日とほぼ同じ文面を提出。音事協など音楽業界4団体の支持表明には「会員の政治的信条の自由を脅かす」として著名アーティストをはじめ、音楽関係者の反感を買いまくり。抗議賛同者はおよそ5000人に達した。
「SNS上では〈#生稲晃子を落選させよう〉などの批判的なハッシュタグが連日拡散。音楽関係者の反発の影響で、浮動票の取り込みはとても期待できません」(与党関係者)
政見放送に安倍元首相が出演したのもダメ押し。政見つながりでは、大阪選挙区で再選を狙う安倍派の松川るい候補も勢いがない。自民は1人しか立てていないのに、日本維新の会2候補の後塵を拝する展開になりそうだ。
安倍元首相が7日までに応援に入ったのは東京と大阪のほか、埼玉、新潟、福岡、山口、兵庫、福井、石川、奈良、大分、愛媛、三重、北海道、千葉、宮城、福島、神奈川、岡山の19選挙区に上る。
「新潟の新人はデッドヒートから抜け出せず、福井の山崎正昭元参院議長は高齢多選批判にさらされ、奈良の現職は維新新人に猛追されている。新人バトルを制するとみられていた福島も危うい」(自民関係者)
まるで「アベの呪い」。選挙後の主導権争いを占う上で、安倍元首相の減退は岸田首相にとってもシメシメだ。


選挙結果を挙げると、生稲晃子は当選していますし、福島の星候補、奈良の佐藤候補、福井の真崎候補も当選しています。この他、応援に入った福岡、埼玉、新潟、三重、北海道などの各候補も当選しているのですから、「アベの呪い」どころではありません。安倍元首相が応援に入らなかった長野県の松山三四六候補は落選しています
まあ、いまさら日刊ゲンダイが自分たちの記事の誤りを認めて反省の記事を掲載したりはしないと思いますが、これだけ読みを誤るのは事前の取材などせず、「自民党は大敗してその責任が安倍元首相にある」との批判が沸き起こって欲しい願望をそのまま記事にした結果です
日刊ゲンダイは選挙の投票率が上昇したのを、安倍元首相の事件による影響だとは認めたくないのでしょうし、高い投票率の結果(多くの有権者が投票した結果)が自民党の大勝だとは認めたくないのでしょう
ともかくも、国民は自民党を選んだわけです

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