安倍元首相撃たれる　警備の失態: 夾竹桃日記

2022年07月09日

安倍元首相撃たれる　警備の失態

安倍元首相が奈良市内で銃撃を受け、昨日亡くなっています

政治的には影響がいろいろあるのでしょうが、今回は警備上の問題に絞って書きます

奈良県警本部長が記者会見し、「痛恨の極み」と述べています。鬼塚友章本部長は警察庁警備局公安課理事官や警視庁警備局警備課警護室長を務めた警備畑のエリートとされる人物ですが、現場で警備の指揮をとっていたわけではなく、県警本部の部長あたりが警備計画を立案し現場の責任者だったのでしょう

7月8日、安倍晋三元総理が奈良市で銃撃されて死亡した事件で、奈良市内に住む元海上自衛隊員・山上徹也容疑者（41）を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。この事件を受けて、7月9日に奈良県警の鬼塚友章本部長が会見を行い「きわめて卑劣で許しがたい犯行」と話しました。

7月8日奈良市で安倍元総理が参議院選挙の応援演説中に銃撃されて死亡しました。警察は、奈良市内に住む元海上自衛隊員・山上徹也容疑者（41）を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。捜査関係者によりますと、山上容疑者は取り調べに対し「母親が宗教にのめりこみ恨みがあった。その宗教団体と安倍元総理につながりがあると思った」などと供述しているということです。また、山上容疑者は事件前日の7月7日に安倍元総理の遊説先である「岡山にも行っていた」とも供述しているということです。

また、事件前、山上容疑者は自宅最寄りの近鉄「新大宮」駅から一駅離れた「大和西大寺」駅まで電車で移動し事件現場を訪れていたということです。

7月8日に奈良県警の鬼塚友章本部長が会見を行い「今回の事件は選挙遊説中の元総理の殺害を狙った極めて卑劣で許しがたい犯行。まずは徹底した捜査による事案の全容解明が急務で、県警本部長として所要の体制を構築し警備にあたっていたが、安倍元総理が発砲され殺害されたことを極めて深刻に受け止めている。痛恨の極みです」と述べました。

さらに当日の警護については、「このような重大な結果を招いたことについて、警護上の問題があったことは否定できないと考えている。警護員の能力なのか、早急に確認し、具体的な策の検討、見直しを行う必要がある」と述べました。

また、今回の安倍元総理が奈良県に訪問することについて、「今回の遊説は前日に急に入った」と言及、そのうえで「いかなる状況においても所要の体制を確立し、しっかりした警護体制をおこなうことは当然なので、警護を対応する者において配置を検討し、計画書を作った。計画書を確認し承認したのは当日」と話しました。

（MBSニュースの記事から引用）

以前、当ブログで「駅に制服姿の機動隊員を配備し、テロ対策を講じているように見せかけているが、機動隊員は街頭での職務質問の経験も乏しく不審者なのか一般人なのか見分けるのは困難」と書きました。警察組織は縦割りなので、機動隊員は警備出動が仕事であり、街頭で職務質問をする地域課や警ら隊の警察官のようなノウハウも経験も備わっていません

「警察２４時」に登場する自動車警ら隊の警察官が素早く不審な人物を見分け、職務質問をかけるところをご覧になった方は多いと思います。服装、動き、目線などの情報から不審人物かどうかを判断するには訓練と経験が必要です。機動隊員は壁役として立っているだけであり、不審人物が接近しても傍観しているだけでしょう

それがまさしく今回の状況です。安倍元首相の背後から近づく男（犯人）を誰も静止せず、注意も払わなかったので、簡単に接近を許し銃撃されてしまいました

ただし警察は縦割りの組織ですから、今回のような警備に自動車警ら隊の人間や職務質問のエキスパートを配置したりはしません。あくまで警備部門の人員を配置するでしょう。ゆえに同じ過ちを繰り返す可能性が大です

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