秀吉朝鮮出兵の失敗は亀甲船に負けたから、という説
ウェッブサイト「現代ビジネス」が「なぜ秀吉は朝鮮出兵に失敗したのか…最新技術でわかった驚きの新説」と題した記事を掲載しています。講談社ブルーバックスから出ている『日本史サイエンス〈弐〉』の宣伝記事なのですが、本の著者は造船工学の専門家であり、造船屋の目から見た朝鮮出兵を語り、旧来の学説に異を唱えようというものです
ただし、「秀吉による朝鮮出兵の失敗は朝鮮水軍の亀甲船に敗れたため」との結論には異論が相次いでおり、炎上状態です
まずは現代ビジネスの記事から引用します
なぜ秀吉は朝鮮出兵に失敗したのか…最新技術でわかった驚きの新説
https://news.yahoo.co.jp/articles/558f998d1414fbd528f6ca078fa4045058ef7ab1?page=1
朝鮮水軍に大苦戦
「日本史には多くの謎が残されています。中でも、豊臣秀吉が、あえなく朝鮮出兵に失敗したことは、多くの方が疑問に感じていると思います」
こう語るのは、5月20日に『日本史サイエンス〈弐〉』(講談社ブルーバックス)を上梓した播田安弘氏だ。播田氏は長く三井造船(現・三井E&S)で船舶の設計技師を務めていた。その時に得た知見を活かし、現在は日本史の謎を、独自の理論と数式で解き明かすことをライフワークとしている。
朝鮮出兵はなぜ失敗したか。関白秀吉の命に従い、肥前名護屋城(佐賀県唐津市)に集結した日本軍は、1592(天正20)年3月、朝鮮に向けて渡航を開始する。
「日本の一番隊が上陸した5月以降、朝鮮半島の沿海部で日本軍を苦しめたのが、朝鮮水軍が保有していたとされる『亀甲船』です。亀甲船とは、亀の甲羅のような形状をした平底船で船体に刀をびっしり刺し、計13門もの大砲を有していたと文献に記録されています。朝鮮水軍を率いた李舜臣は、亀甲船を巧みに使い、日本軍を追い詰めました。
亀甲船が実在していたかはまだ確証が持てません。しかし、私はこの記述をもとに独自の数式を使い、亀甲船と日本軍が渡航に使用した関船の戦力差を数字で表しました」
播田氏の計算によると船の「戦闘力」は、大砲の威力を表す「砲力」と、船の排水量と櫓の推力による速度から導き出される「運動エネルギー」の合計と仮定できる。
「砲力は片舷の砲数×口径の3乗で求められます。亀甲船は片方に口径10cmの大砲を7門有していたため、7× 103=7000です。
運動エネルギーは艦の排水量×速度の2乗であり、私の計算では6480となります。この合計の1万3480が亀甲船の戦闘力と仮定します」
一方、日本軍の関船は20~25m長で、大砲を1門だけ積んだ櫓漕ぎ和船だった。関船の砲力は、大砲は口径10cmのものが1門なので1× 103=1000。運動エネルギーは6160。合計の戦闘力は7160にとどまる。つまり、亀甲船の半分程度の戦闘力しかないのだ。この数字からも、日本軍は朝鮮水軍に太刀打ちできなかったと推測される。
(以下、略)
もう、ツッコミどころだらけの記事です
大砲を13門も積んでいたから戦闘力が高い、などと断定するのもバカバカしわけであり、播田氏の計算するところの「戦闘力」など机上の空論に過ぎません
亀甲船が実在したとして、鉄板を表面に貼って装甲にしたものと考えられます。おそらく装甲板で覆われた中に大砲用の発射孔あったと仮定しましょう。片側6門から7門の大砲があったとして、当時は無煙火薬などありませんので撃てばモウモウたる煙が吹き出します。しかも、装甲板で覆われており、換気など不可能です。これでは船内で大砲に弾を込めるのにも煙が邪魔で、大砲の連射など不可能だったはずです
おそよ実戦には不向きな構造だったと素人にも判るのですが、造船工学の専門家には理解できないのでしょうか?
朝鮮側の主張するところ、亀甲船は13隻しかなかったとされ、それで秀吉軍の数百隻もの船を圧倒するほど戦果を挙げたとは考えらません。しかも上記のように船体を装甲で覆っているため、帆はついていたようですが、帆を操って細かな操船をするのは不可能な構造です。動力としては櫓漕ぎに依存するしかなかったのであり、秀吉軍の和船と大差ありません。なので、朝鮮水軍だけが巧みに地の利を生かし、潮に乗って攻めまくったかのように決めつけるのは間違いでしょう
映画やテレビドラマのヒットもあり、韓国では亀甲船を復元しようとの動きがあって、複数の自治体がそれぞれに亀甲船を復元しています。史実に基づき忠実に再現したなどと主張していますが、船の図面など基本となる資料がないため想像の産物でしかありません。海に浮かべたら波を受けて転覆してしまった亀甲船もありました。観光の目玉にするつもりが、失敗に終わっています
おもしろ兵器外伝、亀甲船、李舜臣も驚くファンタジー復元…帆船も手漕ぎ船もダメなわけ?金日成は紙で船を造ったらしいけど ! !
秀吉の朝鮮出兵が失敗に終わったのは各武将が出兵の消極的だったという事情があります。領国の経営で手一杯なのに、わざわざ朝鮮を攻め明と闘う意味が見いだせないのですから。秀吉の死去をもって撤退が決まり、皆が「やれやれ」と思ったはずです
なお、韓国では李舜臣将軍率いる朝鮮水軍が朝鮮半島に進出した日本水軍を打ち破り、それが最終的に秀吉軍を追い払う結果になったと解釈されています。以前、当ブログで紹介した韓国映画「鳴梁」がその華々しい勝利を描いた作品です
ただし、「秀吉による朝鮮出兵の失敗は朝鮮水軍の亀甲船に敗れたため」との結論には異論が相次いでおり、炎上状態です
まずは現代ビジネスの記事から引用します
なぜ秀吉は朝鮮出兵に失敗したのか…最新技術でわかった驚きの新説
https://news.yahoo.co.jp/articles/558f998d1414fbd528f6ca078fa4045058ef7ab1?page=1
朝鮮水軍に大苦戦
「日本史には多くの謎が残されています。中でも、豊臣秀吉が、あえなく朝鮮出兵に失敗したことは、多くの方が疑問に感じていると思います」
こう語るのは、5月20日に『日本史サイエンス〈弐〉』(講談社ブルーバックス)を上梓した播田安弘氏だ。播田氏は長く三井造船(現・三井E&S)で船舶の設計技師を務めていた。その時に得た知見を活かし、現在は日本史の謎を、独自の理論と数式で解き明かすことをライフワークとしている。
朝鮮出兵はなぜ失敗したか。関白秀吉の命に従い、肥前名護屋城(佐賀県唐津市)に集結した日本軍は、1592(天正20)年3月、朝鮮に向けて渡航を開始する。
「日本の一番隊が上陸した5月以降、朝鮮半島の沿海部で日本軍を苦しめたのが、朝鮮水軍が保有していたとされる『亀甲船』です。亀甲船とは、亀の甲羅のような形状をした平底船で船体に刀をびっしり刺し、計13門もの大砲を有していたと文献に記録されています。朝鮮水軍を率いた李舜臣は、亀甲船を巧みに使い、日本軍を追い詰めました。
亀甲船が実在していたかはまだ確証が持てません。しかし、私はこの記述をもとに独自の数式を使い、亀甲船と日本軍が渡航に使用した関船の戦力差を数字で表しました」
播田氏の計算によると船の「戦闘力」は、大砲の威力を表す「砲力」と、船の排水量と櫓の推力による速度から導き出される「運動エネルギー」の合計と仮定できる。
「砲力は片舷の砲数×口径の3乗で求められます。亀甲船は片方に口径10cmの大砲を7門有していたため、7× 103=7000です。
運動エネルギーは艦の排水量×速度の2乗であり、私の計算では6480となります。この合計の1万3480が亀甲船の戦闘力と仮定します」
一方、日本軍の関船は20~25m長で、大砲を1門だけ積んだ櫓漕ぎ和船だった。関船の砲力は、大砲は口径10cmのものが1門なので1× 103=1000。運動エネルギーは6160。合計の戦闘力は7160にとどまる。つまり、亀甲船の半分程度の戦闘力しかないのだ。この数字からも、日本軍は朝鮮水軍に太刀打ちできなかったと推測される。
(以下、略)
もう、ツッコミどころだらけの記事です
ヤフーのサイトにあるコメント欄もさまざまなツッコミが寄せられていますので、関心のある方は目を通してください
そもそも亀甲船の大きさ、規模というものがまったく不明(詳細な記録がなく、現物も残っていない)であるのに、なぜ「亀甲船に負けたから」という結論になるのか理解できません大砲を13門も積んでいたから戦闘力が高い、などと断定するのもバカバカしわけであり、播田氏の計算するところの「戦闘力」など机上の空論に過ぎません
亀甲船が実在したとして、鉄板を表面に貼って装甲にしたものと考えられます。おそらく装甲板で覆われた中に大砲用の発射孔あったと仮定しましょう。片側6門から7門の大砲があったとして、当時は無煙火薬などありませんので撃てばモウモウたる煙が吹き出します。しかも、装甲板で覆われており、換気など不可能です。これでは船内で大砲に弾を込めるのにも煙が邪魔で、大砲の連射など不可能だったはずです
おそよ実戦には不向きな構造だったと素人にも判るのですが、造船工学の専門家には理解できないのでしょうか?
朝鮮側の主張するところ、亀甲船は13隻しかなかったとされ、それで秀吉軍の数百隻もの船を圧倒するほど戦果を挙げたとは考えらません。しかも上記のように船体を装甲で覆っているため、帆はついていたようですが、帆を操って細かな操船をするのは不可能な構造です。動力としては櫓漕ぎに依存するしかなかったのであり、秀吉軍の和船と大差ありません。なので、朝鮮水軍だけが巧みに地の利を生かし、潮に乗って攻めまくったかのように決めつけるのは間違いでしょう
映画やテレビドラマのヒットもあり、韓国では亀甲船を復元しようとの動きがあって、複数の自治体がそれぞれに亀甲船を復元しています。史実に基づき忠実に再現したなどと主張していますが、船の図面など基本となる資料がないため想像の産物でしかありません。海に浮かべたら波を受けて転覆してしまった亀甲船もありました。観光の目玉にするつもりが、失敗に終わっています
おもしろ兵器外伝、亀甲船、李舜臣も驚くファンタジー復元…帆船も手漕ぎ船もダメなわけ?金日成は紙で船を造ったらしいけど ! !
秀吉の朝鮮出兵が失敗に終わったのは各武将が出兵の消極的だったという事情があります。領国の経営で手一杯なのに、わざわざ朝鮮を攻め明と闘う意味が見いだせないのですから。秀吉の死去をもって撤退が決まり、皆が「やれやれ」と思ったはずです
なお、韓国では李舜臣将軍率いる朝鮮水軍が朝鮮半島に進出した日本水軍を打ち破り、それが最終的に秀吉軍を追い払う結果になったと解釈されています。以前、当ブログで紹介した韓国映画「鳴梁」がその華々しい勝利を描いた作品です
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