「ラブライブ！」オタク　学校の備品を盗みまくる: 夾竹桃日記

2022年06月19日

「ラブライブ！」オタク　学校の備品を盗みまくる

世の中には「なぜ？」と思うようなものをせっせと盗む人間がいます。下着泥棒のように分かりやすい動機の犯罪と同列で語れるのかどうか、ちょっと考えてみましょう

以前、幼稚園や小学校に忍び込んで園児や児童が教室内で履く内履きの靴を盗んだ男を当ブログで取り上げました。数年を経てその男の弁護士と称する人物から、「名誉毀損だから記事を削除しろ」との要求が届きました。あまりにバカバカしいので放置したら、ウェブリブログの事務局によって記事が削除されました。新聞報道（実名あり）をベースに、異常な収集癖は性的嗜好の歪みによるものと考えられるので、心療内科等を受診したほうがよいと書いただけですが、これが「名誉毀損」になるのかと、大いに呆れたところです。まあ、盗撮、淫行や下着泥棒などで逮捕された者は事実を隠蔽したくて「名誉毀損」だとか「人権侵害」を濫発するわけですが

前置きが長くなりました。今回はアニメ「ラブライブ！」にはまったオタクが、学校に忍び込んで机や椅子など盗みまくり、自宅に教室の雰囲気を再現しようと試みた事件を取り上げます

学校に忍び込み、大量の机などを盗み出していた28歳の男に判決が言い渡された。

「教室を再現するためには30台必要だった」

自転車で何往復もし、学校の備品を自宅まで運んでいた男。何が男をそんな行為に駆り立てたのか、裁判で明らかになった。

法廷では落ち着きなく

2月、静岡地裁で開かれた初公判。被告の男（28）はスウェット姿で法廷に現れた。裁判官が名前を尋ねると、きちんと答えたものの、話しながら足を落ち着きなく動かしていた。

裁判官:大丈夫ですか。よろけていましたが、座りますか?

被告:大丈夫です。緊張していまして

男は専門学校を卒業後、介護の職についた。静岡市内の賃貸の一軒家に1人暮らしをしていたが、その家の2階に大量の机や椅子、学校の備品を盗んでは運び込んでいた。

罪状は建造物侵入と窃盗。起訴内容に争いはない。

その量は罪に問われたものだけで、静岡市内の県立のA高校から盗んだ長机1台と延長コードや液晶モニター、私立の中高一貫女子校B校からアンプ1台と机1台、別の私立の中高一貫校C校の部室から制服など10点、あわせて16点（時価8万3100円相当）にのぼる。

実際には、他の学校にも忍び込んでいたことを公判で認めている。

動機は「学校時代を再現」…学園アニメにのめり込み

検察官は男が犯行に至った動機を、青春時代に思い入れがあったことや、学園もののアニメにのめり込んでいたためだと指摘した。

検察官:ラブライブ!（学園アニメの「ラブライブ!サンシャイン!!」）にのめり込み、学生時代に思い描いていた学校生活を再現しようと、机を学校から盗むことを考えた

ただ、最初は通販で机を購入していた。それがなぜ「盗む」ことになったのか。

被告人質問・5月11日

弁護人:学校の備品は、インターネット通販でも買えますよね?

被告:学校で使われていることがテーマになっていました。学校生活、部活を連想できる、イメージ力を高めるために、実際に使われている備品を盗ることにしました

弁護人:通販で買ったものではイメージ力が膨らまないということ?

被告:そうです、そうです

（中略）

裁判官「2度と犯罪に手を染めることがないように」

そして6月3日、被告に下された判決は懲役2年の求刑に対し「懲役2年・執行猶予4年」だった。

裁判官は「犯行は大胆で悪質、動機は自己中心的で身勝手」としながらも、盗んだものが被害者の元に戻っており、仕事を解雇され社会的制裁を受けていることなど、執行猶予とした理由を読み上げた。

そして、最後にこう結んだ。

裁判官:あなたが学園ドラマに浸りたいと言う思いは構いませんが、実行した手段は犯罪行為です。たくさんの生徒に多大な迷惑をかけた自己中心的な考えです。迷惑をかけたことをしっかりと認識した上で、2度と同じような犯罪に手を染めることがないよう、まっとうな生活を心がけてください

裁判を通して、自分の弱さと向き合ったであろう被告。裁判官から諭され、これまでで一番大きくはっきりと「はい」と答えた。

（テレビ静岡の記事から引用）

自転車に机や椅子を括り付けて運ぶ姿は滑稽な気がしますが、悪質な盗みです。被告に前科がなかったのか、これだけの盗みを繰り返したのに執行猶予付き判決でした

机や椅子だけでなく制服や部活のユニフォームまで盗んでおり、被害に遭った生徒たちは自分の体を不審者に触られたような不快感を味わったはずです

自分の憧れたアニメの世界観を自宅に再現したいとの欲望に駆られ、盗みを繰り返すばかりで、被害に遭った生徒の気持ちなどまったく想像もできていないのでは？

執行猶予付き判決を受けた事情を考えると、学校側に被害弁済の申し出をし、示談が成立しているのかもしれません。が、制服やユニフォームを盗まれた個々の生徒とは示談などできていないはずです。証拠品として押さえられていた制服は、起訴後（被告が犯行事実を認めているので証拠品として裁判終了まで保管を続ける必要がない）、生徒に返還されたようです。しかし、変態の盗んだ制服が返還されたとしても、着るつもりにはなれないでしょう

「ラブライブ！」は夢に向かって励まし合い、競い合い、努力する女子高生の物語です。被告はその世界に憧れ、自分も劇中のキャラの１人になりたかったものと推察されます。しかし、盗みによって実社会で多くに女子高生の感情を踏みにじった事実をどこまで理解できたのか、と思うばかりです

さて、「ラブライブ！サンシャイン!!」ですが、自分はキャラたちのやたらキラキラしている目の表現がどうにも苦手で、見ていません。参考のために劇中歌の動画を貼っておきます

ラブライブ！サンシャイン!!