日韓海底トンネル 釜山市長が熱望

実現性のない空論であるとはっきりしているのに、韓国側は何度も「日韓海底トンネル」構想を蒸し返します。しかもその都度、「日本側が日韓海底トンネルを切望している」と嘘をついて。「孤立した島国である日本は大陸とつながるのが悲願」という理屈です
釜山市の市長が日韓海底トンネル計画を蒸し返し、日本では九州の西日本新聞もこの計画を取り上げています
そもそも北朝鮮と韓国が対立している現在、海底トンネルで韓国とつながってもそこで行き止まりであり、何のメリットもありません。そして北朝鮮国内の鉄道インフラはボロボロの状態で、近代改修のために莫大な投資が必要です。誰がそれを負担するのでしょうか?
FLASHが日韓海底トンネルについて記事にしていますので、引用します


総工費10兆円「日韓海底トンネル」がSNSで話題に…韓国政権交代で実現の可能性高まる
日韓トンネルに再び注目が集まっている。きっかけは西日本新聞がネットに掲載した「韓国政権交代で、日韓トンネル実現期待」という記事だ。
6月11日、九州と韓国を結ぶ海底トンネルの建設を目指す「日韓トンネル実現九州連絡協議会」の総会が開かれ、記念講演した研究員が「日韓トンネルは日本をユーラシア大陸と地続きにする効果を生む」と意義を強調した、との内容だ。
「九州と朝鮮半島を結ぶ『日韓海底トンネル』の話題は、以前から出ては消えてを繰り返してきましたが、2021年4月、韓国・釜山市長選を機に再び注目が集まりました。保守系で当時野党だった「国民の力」の金鍾仁氏が、日韓海底トンネルの建設を打ち出したのです。
経済効果は54兆ウォン(5.4兆円)で、45万人の雇用を生むとの期待がありました。文在寅政権は否定的でしたが、政権交代して『国民の力』の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が就任したことで、日韓トンネルに再び期待する声が高まっているのです」(経済記者)
総工費は約100兆ウォン(10兆円)で、日本側が70兆~80兆ウォン(7兆~8兆円)、韓国側が20兆~30兆ウォン(2兆~3兆円)を負担するという案だ。
だが、2021年も今回も、「日韓トンネル」が報道されると、ネット上では否定的な声が相次いだ。
《日本にとって、「百害あって一利なし」》
《現実的に考えて、日韓トンネルって建設されないと思うんだよね。一番の理由は、工事費数兆円をペイ出来ない。格安航空で1万以下で行けるのに、万単位の通行料を払ってまで利用しない》
やはり、日韓トンネルは絵に描いた餅なのか。しかし、朝鮮半島情勢に詳しい「コリア・レポート」編集長の辺真一氏は、「日韓トンネルは戦前日本の夢だったのです」と意外なことを言う。
現在の日韓トンネルは、佐賀県唐津市~壱岐~対馬~釜山で複数のルートが想定されており、海底トンネルで鉄道と道路の両方を通すプロジェクトだ。
だが、日本では、1939年(昭和14年)、JRの前身の国鉄が「弾丸列車」として、下関と釜山をトンネルでつなぎ、中国の北京まで高速列車を走らせる計画を立てている。
「韓国側で、日韓海底トンネルに最初に言及したのは盧泰愚大統領です。1990年の訪日時に国会演説で言及し、海部俊樹首相に共同建設を持ちかけています。
金大中大統領も2000年に『日韓トンネルが建設されれば、北海道からヨーロッパまで結ばれるので、未来の夢として考えてみる価値はある』と発言しています。
日本側も竹下登元首相から森喜朗元首相までは、真剣に検討していたんです。森元首相は、2000年10月のASEM会議で、日本と韓国をつなぐトンネルを作り『ASEM鉄道』と名付けようと自ら提案もしています。外務省も21世紀のプロジェクトとして推奨していたのですが、すべて歴史認識問題でストップしてしまいました」(前出・辺氏)
(以下、略)


ツッコミどころだらけの記事です。最初に指摘しなければならないのは、10兆円では海底トンネルはできません。軟弱な地盤、海底断層など難工事が予想され、工事費は膨らみ続けるはずです。それに日本側が7兆円負担し、韓国が3兆円負担などという割合も不可解です。共同開発なら折半するべきで、日本だけがより多く負担するなどバカバカしい話です
加えて、建設費だけでなく海底トンネルには毎年、莫大な額の維持費が必要です。長大なトンネルの各所で湧き出す海水を排出するため、ポンプを24時間365日稼働させ続けなければなりません。青函トンネルがそうであるように
ところが海底トンネルなど掘削せず、既存の定期航路と空路を利用するならこうした費用はまったくかからないのであり、現時点での海路と空路の利用がいかに経済的であるかが分かります
物流の観点からも、海底トンネルより海路を利用した方が多くの貨物を一度に運べるのであり、トンネルの建設費が不要な分だけでもメリットがあるわけです
なので、海底トンネルに10兆円を超える費用を投じるなど、現実を無視した話でしょう
ただ、韓国側にすれば北朝鮮と戦争になった場合の避難経路として、海底トンネルを利用して日本へ逃れられるという絶大なメリットがあります。韓国側が海底トンネルに執着する理由はその辺りにあるのかもしれません
なお、引用から省略した部分では「コリア・レポート」編集長の辺真一が、「日本と朝鮮半島が海底トンネルでつながれば、竹島問題はなくなるかもしれない。日韓がいがみあうことも、なくなるかもしれない」などと寝言のような発言をしています。竹島問題が海底トンネルで解決などするはずはないのであり、意味不明です

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