アラブ首長国の火星探査機 なぜ韓国でなく日本を選んだ?

韓国メディアの報道では、科学にしろ歴史・文化にしろ、事実関係を無視したデタラメが記事の根幹をなしているのがしばしばです
つまり事実関係などどうでもよく、「日本の文化が妬ましい」とか、「日本がノーベル賞を獲るのが悔しい」といった感情の表出が狙いであり、目的なのでしょう。なので、細かな事実関係など見向きもせず、確認もしないで記事を書き飛ばすスタイルが定着しているのかもしれません
7~8年前には日韓併合時代に設置した測量用の三角点を、「日本が朝鮮民族の精気を断つため、呪いの杭を龍脈に打ち込んだもの」だと大々的に報道し、韓国政府が国費で山頂の三角点を撤去して回る事態がありました。いまどき測量用の三角点を知らず、呪いの杭だと騒いでいるのですから土人並みです
さて、今日は少し古くなってしまいましたが、2020年にアラブ首長国連邦の火星探査機が日本のH2Aロケットにより打ち上げられた際の話題を取り上げます
韓国の国営放送であるKBSが、「なぜアラブ首長国連邦は火星探査機を打ち上げに韓国ではなく、日本をパートナーに選んだのか」と題する記事を書いていました


2020年7月26日、韓国・KBSは「アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査船はなぜ日本のロケットを選択したのか」と題する記事を掲載した。
記事はまず、「UAEが20日に火星探査船『アマル』の打ち上げに成功した際、韓国航空宇宙研究院(KARI)は祝賀メッセージを送るとともに、月や火星探査に向けた協力を提案した」とし、「韓国とUAEは特別戦略的パートナーの関係にあり、原子力発電や軍事分野、農業技術部門などで協力しているため、こうした提案をすることはごく当然のことだ」と説明。その上で「それなのになぜUAEはアマルの打ち上げに日本のロケットを選択したのか」と疑問を投げかけている。
アラブ圏初の火星探査船であるアマルは、三菱重工業のH2Aロケットで種子島の宇宙センターから打ち上げられた。韓国・科学技術政策研究院のイ・チュングン名誉研究員は「ロケットが地球を脱出するには第1宇宙速度の飛行で可能だが、火星に探査船を送るには第2宇宙速度が必要だ」とし、「現在この第2宇宙速度を具現化するロケットを保有するのは米国、EU、ロシア、インド、日本だけ」と説明した。さらに「探査船を送るのに最適な時期は2年に1回の周期で訪れるため、その時期に各国は探査船打ち上げのための競争を繰り広げることになる」とし、「こうした状況で、火星探査船を開発したがロケットを保有していないUAEは、ロケットはあるが火星探査船のない日本をパートナーに選んだ」と分析したという。記事は「宇宙競争に自国のロケットが使われることをメリットと考えた日本は安価で入札に参加した可能性が高い」「さらに種子島宇宙センターは赤道と近いため技術的側面でも有利だ」などと説明している。
その上で記事は「UAEが日本のロケットを使用したのは技術的な面と経済的な面を考慮した選択に過ぎないとはいえ、韓国が日本のロケットを選択したUAEに宇宙探査協力を提案したのは理解しがたい」と指摘。ただ、「現実の中で最大限の実利を確保することが外交なのならば、協力の提案は当然かもしれない」とし、「UAEと韓国が協力して技術を発展させ、自国のロケットに自国の探査船を載せて打ち上げる日が来ることを願う」と伝えている。
これに韓国のネットユーザーからは「UAEが韓国と親しいからといって、全ての事業を韓国と行わなければならないと言うのか?」「私でも失敗の確率を最小限にするために日本のロケットを使う」「日本と同等の技術や経済力を備えていないのに、協力を期待してはいけない。日本に勝つにはまず実力を育てよう」「日本は韓国よりはるかに昔から宇宙ロケットを研究して成果を出してきた」「日本と韓国のノーベル賞の数の違いを考えて」など、「UAEが韓国ではなく日本と協力するのは当然だ」と主張する声が相次いでいる。
(レコードチャイナの記事から引用)


「なぜ」と言われても、韓国は火星探査機を打ち上げるためのロケットを保有していないからです。その事実を直接書きたくないのか、あるいは開発中の韓国ロケットが完成するまでUAEが待ってくれなかったのが不満なのか、回りくどい記事になっています
また、UAEと韓国が協力関係にあると書かれているのは、韓国が建設を請け負った原子力発電所を指すのですが、「運転開始から60年間、韓国軍が無償で警備にあたる」との条件付きです。他国の原子力発電所警備にわざわざ軍隊を派遣するという理解しがたい話ですが、現に韓国陸軍の部隊が半年交代で現地に駐留しています。こうした「闇の約束」部分を、韓国メディアは大きく報道しません。60年間も駐留となれば、その経費はバカにならない額なのですが
この原子力発電所の国際入札で韓国は日本に勝って落札し、「韓国の技術が日本に勝った」と大々的に報じていました(日本は海外の原子力発電所警備のため自衛隊を派遣するなどという、愚かな条件を飲んだりしません)
韓国にすれば日本に勝ったこと、日本を出し抜いたことが重要であり、韓国軍部隊を60年間駐留させるなど、どうでもよい話なのでしょう
さて、話を戻して日本の火星探査は2024年に予定されており、火星の衛星フォボスに探査機を送り込み地表の砂を採取、地球に持ち帰る計画です。小惑星探査機「はやぶさ」で培った経験が生かされるのでしょう
現時点では打ち上げに使う予定のH3ロケットの開発に手間取っており、先行きは不透明です。が、技術的な問題は解決できるものと信じて、探査機打ち上げを待ちましょう

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