福井女子高生刺殺 祖父の裁判は5月19日から
高齢者のドライバーが起こした交通事故については、「高齢を理由に起訴されない」とのデマが流布されていました。しかし、池袋で事故を起こした飯塚幸三被告は90歳に達していましたが起訴され、実刑が確定して服役しています
単に高齢であるとの理由だけで不起訴にしてはいないわけです
さて、福井市で同居していた高校生の孫を包丁で刺殺した容疑で逮捕・起訴された富澤進被告についても、痴呆症があると報じられてはいたものの、刑事責任を問えるとの判断により、5月19日から公判が始まります。富澤被告は88歳です
2020年9月、当時16歳だった孫の女子高校生を包丁で殺害したとして、殺人罪で起訴された88歳の男の裁判員裁判が、19日から福井地方裁判所で始まる。被告の男は事件当時、認知症だったとみられ、刑事責任能力の有無が争点となる見通し。
無職の冨澤進被告(88)は2020年9月9日、福井市黒丸城町の自宅で午後9時55分ごろから午後11時40分ごろまでの間に、同居していた孫の友美さん当時16歳の首などを包丁で刺し殺害したとされる。
福井地検は男の精神状態や責任能力の有無を調べるため、2度の延長を含め約5カ月の鑑定留置を実施。その結果、刑事責任能力を問えると判断し2021年3月に起訴した。
裁判員裁判は19日から始まるが、被告は当時、認知症だったとみられ、刑事責任能力の有無が争点になる見通し。
また、なぜ孫娘を殺害するに至ったかの動機も注目される。
裁判員裁判の日程は▽5月20日に証人尋問▽23日に被告人質問▽26日に論告求刑などが行われ、31日に判決が言い渡される。
(福井テレビの記事から引用)
被告と弁護人がどう裁判に臨むつもりなのか、明らかではありません。おそらく殺害の事実は認めながらも、痴呆症を理由に情状酌量を求めるのではないかと思われます
ただ、被告が孫の友美とどのようなトラブルになり、殺意をもって包丁で刺したか、公判の場できちんと説明できるのかどうか?
検察官が一方的に筋書きを作り、起訴状を作成したところで、それで友美さんが浮かばれたりはしません
友美さんの父親は中国人女性と結婚し、家庭内不和があったため祖父宅に身を寄せていたと報じられましたが、祖父との円満な関係であったのかどうかは不明です
家庭内・家族間のすべてを暴き出せとは言いませんが、家族だからこその対立・葛藤・憎悪が背景にあったものと考えられるだけに、そこに踏み込んだ立証が不可欠でしょう
さて、高齢化社会を迎えた現在、最初に書いたように高齢者が事件を起こし責任を問われる機会が増えています。交通事故を起こしても「高齢者だから起訴されない。罪を問われない」などというデマが根強く繰り返されているのにはうんざりさせられます
富澤被告の場合も88歳で痴呆の症状(よほど重度の痴呆症なら別ですが)はあれども有罪判決が下されれば収監されるのは当然であり、高齢者だという理由だけで免責されたりはしないと、この裁判をきっかけに認識が多少なりとも改まるのを望みます
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