アニメ「パリピ孔明」に興奮する中国

「パリピ孔明」はマンガ雑誌に掲載された作品ですが、P.A.WORKSの手によってアニメ化されています
「三国志」でおなじみの軍師孔明が五丈原で病死した後、現代の渋谷に降臨し、クラブで働く下積み女性歌手と組んで覇道を目指すという奇想天外な設定です
「三国志」を描いた横山光輝のマンガは中国にも大きな影響を与えましたが、その後の「一騎当千」のように三国志を大胆に翻案した日本のマンガやアニメは中国で評判が悪かったという事情もあり、「パリピ孔明」がどう受け取られるのか興味の湧くところです
なお、「パリピ孔明」はクラブの音楽シーンが重要な骨子となっており、音楽面ではエイベックスが協力しています
「日本のアニメは終わった」などと口にする中国や韓国では決して作れない独自性のあるアニメ作品であり、日本のアニメはまだまだやれるのだと感じさせてくれます
さて、中国の反応の一端は以下の記事でうかがえます


アニメ『パリピ孔明』への中国ネット民の反応がヤバい 激しい弾幕はまるで初期ニコ動
https://news.careerconnection.jp/news/135214/
中国ネットを検索すると、OP映像に中国人俳優の演じた孔明をはめ込んだ動画、踊ってみた動画、OPの各シーンを実写で無理矢理再現したファン投稿などが無数に登場していた(撮影している後ろを通行人が歩いているユルさがよい)。見ているとニコ動の全盛期を思い出して懐かしくなってしまった。
こんなに「パロディ」で盛り上がれるのは、本家『三国志(演義)』が日中共通の人気コンテンツとして根付いているからだろう。
ところでこのアニメ、中国のネットでは「派对浪客诸葛孔明」と訳されているが、まだ公式配信はされていない。それにもかかわらずアニメ好き中国人たちのコミュニティで話を聞くと、当然のように「今週の放送回も見たよ!このアニメめっちゃ面白い」と話していた。まったく、どうなっているんだか……。


中国は相変わらず日本のアニメ作品のテレビ放映やインターネット配信を規制しています。それでも規制をかいくぐり、日本の新作アニメを見たいと思う中国人は大勢いるます。説教臭い中国国産アニメでは満足できないのですから(中国のアニメは少年少女に道徳を説き、教訓を与える内容であることが求められます)
さて、過去にも1人の少女が歌手デビューを目指して苦労を重ねるアニメとか、アイドルを目指す少女たちの涙と友情の物語アニメとかありました。努力と根性で困難を乗り越え、励まし合い、支え合う展開がお約束です
「パリピ孔明」は従来の作品と大きく異なっています。主人公月見英子にはさまざまな難関が立ちはだかるのですが、「軍師孔明が奇想天外な策略でどうにかするはず」との前提が存在します。視聴者がそう理解しているのですから、並大抵の奇策ではシラケるわけで、「視聴者の想像を超えた策」が求められ、そこが面白さの秘訣なのでしょう。加えて英子が孔明に信頼を寄せながらも、奇策頼りではなく、ひたむきに自分の音楽を追求する姿勢を示すところにも好感が持てます


『パリピ孔明』が海外でも高く評価される理由は? いちいち心憎い音楽の仕掛け
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa21d93ff12fc5ed217b248b4e9fb23e350e8b6c
実写映画でもアニメでも、主題歌や劇伴が優れた作品は人々の記憶に残りやすく、また思い出しやすい。音楽は映像と強く結びついて鑑賞者の中に残るからだ。とりわけ音楽に関する描写が大きな要素を占める『パリピ孔明』は、アニメ化によって原作の魅力を何倍にも膨れ上がらせた成功例といえる。
主人公の月見英子は渋谷のクラブでアルバイトをしながら、有名シンガーを目指す少女。ひょんなことから英子と出会った孔明は、彼女の歌に深い感銘を受け、英子の夢を実現させるために“軍師”として仕えることにする。舞台は渋谷のクラブで、しかも次々と登場するキャラクターは、バンドのヴォーカリストだったりラッパーだったりと、とにかく音楽に携わる人物ばかり。もちろん英子自身も孔明の手助けを得て音楽イベントに出まくるため、必然的に作中に音楽が必要になる。
アニメ化された『パリピ孔明』は、この音楽にまつわる仕掛けがいちいち心憎い。英子の歌パートを担当する96猫(くろねこ)は、TVアニメ『ふらいんぐうぃっち』(2016年)や『クズの本懐』(2017年)の主題歌といったアニメソングのほか、オリジナルアルバムも多く発売している歌手だけあって歌が上手い。またヒップホップを得意とする声優の木村昴が、カリスマラッパー役でラップバトルを見せたり、音楽制作は邦楽にも洋楽にも強いエイベックスが担当するなど、とにかくスタッフの「音に懸ける本気ぶり」が見えるのだ。


自分もラップとかいまどきの音楽は聞かない人間ですが、ラッパー同士が闘うMCバトルとはこうしたものか、と「パリピ孔明」を見て知りました。まあ、孔明の繰り出すラップを、「あれはお経だよ」とラッパーがくさすセリフもあり、それはそれで面白いと感じたわけです
上記の記事にもあるように、アニメーションだけでなく音楽、ラップにも本気を注ぎ込んだところが「パリピ孔明」のクオリティの高さにつながっているのであり、ここが中国や韓国のアニメには欠けるところでしょう
過去にも書いてきたように中国や韓国のアニメには必ず露骨な手抜きがあります。「どうせこどもが見るものだからこの程度で十分」との思いがそうさせるのか、どこかで見たようなキャラクター、どこかで見たようなストーリー、音楽がダサい、作画が手抜き、世界観がありきたり、などなど目につきます
もちろん、日本のアニメファンの度肝を抜くような斬新な作品を中国、韓国が作ったならそれはそれで評価したいと思います


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