留置場でわいせつ行為 警察官に懲役2年6月の実刑判決
被疑者を勾留する警察署内の留置場で、警察官が被疑者にわいせつ行為をする事件があちらこちらで起きています。直近では岩手県警と岐阜県警で同様の事件があり、留置場係の警察官が逮捕・起訴されています
警察官がその立場を利用して被疑者にわいせつ行為をしたり、取り調べ中に殴ったりすれば特別公務員暴行陵虐罪に問われます。これは一般人による暴行事件や強制わいせつ事件より重く罰する規定によるもので、権力行使に当たる警察官を戒める目的があります
岐阜県警大垣署の留置係で巡査長だった杉山泰弘被告(32)は、すでに懲戒免職処分を受けています。警察官のやらかした事件の場合、ほとんどが「被告はすでに社会的制裁(懲戒免職処分)を受けている」との理由で執行猶予付き有罪判決が下され、殺人などの凶悪事件でない限り実刑判決が下されるのは稀です
しかし、今回は懲役2年6月(求刑は懲役4年)の判決が示されました
警察の留置場に勾留中の女性にわいせつな行為をしたとして、特別公務員暴行陵虐の罪に問われた、岐阜県警大垣署留置管理課元巡査長の杉山泰弘被告(32)に、岐阜地裁は9日、懲役2年6月(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。
出口博章裁判官は判決理由で、勾留中の女性と会話するうち互いに好意を抱き、性欲を満たすため4回にわたり行為に及んだと指摘。「安易で浅はか、看守者の立場を利用した大胆で破廉恥極まりない犯行だ」と非難した。
弁護側は、被告が懲戒免職処分を受け社会的制裁を受けているとして執行猶予を求めていたが、出口裁判官は「警察官に対する国民の信頼を損なった」などとして退けた。
判決によると、昨年12月23日~今年1月4日、大垣署の留置場の居室で勾留中の30代女性にわいせつな行為をした。
県警は今年2月、被告を懲戒免職処分とした。
(産経新聞の記事から引用)
警察の留置係というポストについては何度も書いていますが、現場で使い物にならないと判断された警察官、病気や怪我を理由に外勤が難しい警察官が配置されるのがしばしばです。従って士気も低く、勤務態度に問題のある人物も珍しくありません。大阪府警富田林署の留置係は勤務時間中に私物のスマホでアダルトビデオサイトを観ていて、留置場内の監視業務を放棄していました。そして被疑者の逃走を許す大失態をやらかしています
杉山被告は32歳で巡査長です。通常なら巡査部長の昇任試験に合格していなければならない年齢ですが、合格できなかったのでしょう。巡査部長になれない警察官を救済する意味で巡査長という中二階のようなポストが設けられています。ちなみに刑務官の場合も、看守の上に看守部長というポストがありますが、看守部長に昇任できない刑務官を救済するため、主任看守というポストが設けられています
さて、杉山被告は複数回、犯行に及んでいるため悪質と判断されたものと考えられます。そのため検事は懲役4年を求刑し、裁判官は執行猶予なしの実刑判決を科しました
元警察官として刑務所行きは避けたいところだったはずです。刑務所に入れば、警察に恨みを抱く受刑者たちが待ち構えており、暴行を受けることはなくても、毎日数十回も嫌味や嘲り、侮辱の言葉を浴びせられるでしょう。他の受刑者から「おい、巡査長」とあだ名で呼ばれるかもしれません
ただ、有罪判決が確定した受刑者がすべて刑務所に収監されるわけではなく、拘置所に留まって雑役夫として懲役期間を過ごすケースもわずかですがあります。拘置所内での清掃や調理、配膳など雑務をこなす役割です。拘置所の職員としても、便利に使える雑役夫は貴重であり、自分のところに残して使役するわけです。ただ、拘置所に勾留されている他の被告人と接する機会もあるため、殺人など重罪を犯した者や暴力団関係者は除外されます
杉山被告の場合はどうなるのでしょうか?
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