映画俳優放火殺人は冤罪なのか?

ヤクザ映画などに出演した俳優大地義行(本名:平野義幸)は、内縁関係にあった女性をベッドに縛り付けたまま部屋に火をつけ殺害した容疑などで無期懲役判決を受け徳島刑務所に服役中です
週刊誌がこの事件を取り上げ、冤罪との主張を記事にしていますので取り上げます
まず、どのような事件であれ、自分は冤罪との主張に非常に懐疑的です。警察の捜査を100%信頼するわけではないものの、冤罪の主張というのはそれこそ自分(被告)に都合の良い主張をつなぎ合わせ、1つのストーリーとしてでっち上げたものが多く、冷静に読めば破綻している部分があちらこちら見えるからです
ドラマみたいに、「事件とはまったく無関係の人間を捕まえて殺人犯に仕立てる」などという強引な真似はできないのであり、限りなくクロに近い人間を取り調べた上で証拠を固め起訴しているのが実際です
では、平野受刑囚の主張はどうなのでしょうか?


放火犯として逮捕「元有名俳優」の冤罪主張に「東住吉事件」の女性が支援していた
2003年1月、京都市内の自宅に火を付け同居していた女性を殺害したとして、放火殺人の疑いで当時38歳の男性が逮捕された事件が、再び動きを見せている。最近になって新たな目撃者が現われたからだ。さらに逮捕後に裁判で有罪判決を受けた無期懲役囚が「元有名俳優」であることも注目を集める理由になっているという。事件発生からすでに19年が経ったいま、何が起きているのか──。事件を取材しているジャーナリストの相澤冬樹氏がレポートする。
 * * *
大阪を舞台にしたヤクザ映画『新・仁義なき戦い。』(2001年公開)で、豊川悦司、布袋寅泰、佐藤浩市、岸部一徳らとともに共演した俳優・大地義行(だいち・よしゆき)という俳優をご存じだろうか? ほかにも数多くの作品に出演していたが2003年以降、ぱったりと活動が途絶える。
本名・平野義幸氏(57)。38歳の時に放火殺人の疑いで逮捕された。京都にある平野氏の自宅が全焼した事件で、火元は寝室のあった2階。死亡したのは平野氏と内縁関係にあった女性で、ベッドで手足を縛られていた。検察は、平野氏がベッドのそばに火をつけ女性を殺害したとして起訴し、「被害者を救助するための行動をまったく起こさなかった」「被害者が救出される可能性を自ら閉ざした」と主張した。
裁判所もこの主張を受け入れ「無期懲役」の判決が確定した。平野氏は当時覚醒剤を常用していたほか、傷害罪で執行猶予中でもあり、疑われても仕方のない状況ではあった。しかし、彼は逮捕から一貫して無実を訴え続けている。
「オレは極悪人で、どうしょうもないバカ。だけど絶対にやってない!」
逮捕から19年間、ほとんど誰にも信用してもらえなかった平野氏の訴えに対し、今年に入って動きがあった。「平野さんは女性を必死に助けようとしていた」とカメラの前で証言する目撃者が現われたのだ。
「やけどで路上に倒れ込んでいた」という証言
証言をしたのは、荷物の配達員をしていた当時25歳の男性。配達中にたまたま現場を通りかかって火事を目撃したという。平野氏に荷物を届けたことはあるが深いかかわりはなかった。平野氏のために嘘を言う必然性はない立場だと考えられる。
この男性の証言をカメラに収めたのは、ドキュメンタリー映像制作者の二村真弘(にむら・まさひろ)氏。証言によると、男性が現場に着いた時、すでに住宅から煙が上がっていて、平野さんは中から煙に巻かれながら犬を連れて出てきた。
「命からがら慌てて出てこられて、助かった感じに見えたんです」
二村氏がカメラに収めた映像のなかで、配達員だった男性はそう話している。男性の証言によれば、平野氏は犬を近所の人に託すと「まだいるんや。上におんねん」と言って、すごい熱と煙の中、ダアーっと2階に上がっていったという。上で「おーい!おーい!」と呼んでいるけれど、何の返答もない。ひたすら熱と煙が立ちのぼっていた。そんな中でも平野氏は「助けたってくれ、助けたってくれ」といった叫び声をあげていたので、配達員だった男性は「死ぬ気か、この人は」と感じたと振り返っている。もう無理だと悟ったのか、家の中から出てきた時、平野氏の顔はすすで真っ黒になり、やけどを負って路上に倒れこんで周囲の人に介抱されていたというのである。
(以下、略)


まず、被害者は電気コードでベッドに縛り付けられており、逃げられない状態にされていたというのが重要な事実です。被害者を縛り付けたのは平野受刑者以外に考えられません
平野被告は部屋から犬を連れ出し(なぜ、被害者ではなく犬が先だったのでしょうか?)、それから近所の人たちが見ている中で「助けたってくれ」と叫び、部屋へ飛び込みます
そして体に火傷を負い、煤まみれになった状態で部屋から出てきて路上に倒れ込んだという経緯です
自分の第一印象では、平野被告が被害者を助け出そうとする演技をしていただけであり、本気で助ける気などなかったと映ります(確実に殺害するため、あらかじめベッドに縛り付けていたのでしょう)
いったいこれのどこが冤罪なのかと、記事を何度も読み返しました
この記事を読んで「平野さんは冤罪だ。平野さんを救え」とクラウドファンディングに協力する人がいるのでしょうか?
何を信じるかは人それぞれですが、平野受刑者が被害者を縛り付けていた事実がある限り、平野被告による計画的放火殺人という判断はゆるぎません
目撃者である男性の、「平野受刑者は被害者を助けようとしていた」との証言はそのとおりで、迫真の演技だったに違いありません

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