寝屋川強盗刺殺事件　刺殺の１９歳少年は検察官送致: 夾竹桃日記

2022年04月21日

寝屋川強盗刺殺事件　刺殺の１９歳少年は検察官送致

１８歳、１９歳で起訴された特定少年の実名を報道するかしないか、メディアは重大な決断を迫られいるかのような記事の書き方が目につきます

およそ世間一般の人間にとって、メディアの葛藤などどうでもよい話であり、「苦悩している」などと打ち明けられてもシラケるだけです

実名で報じたことによって、記者たちは自分が重い十字架を一生背負うかのごとく錯覚しているだけに過ぎません

が、事件は記者たちの葛藤とは別のところで処理されるのであり、意識高い系の一人芝居など関係ないのです

さて、３月の寝屋川市強盗刺殺事件の続報です。刃物で専門学校生を刺して死亡させた１９歳の少年について、大阪家庭裁判所は検察官送致の決定を下しています。大阪地検が起訴し、刑事裁判を受ける展開になります

大阪府寝屋川市で３月、専門学校生の男性（２０）が刃物で刺され死亡した事件で、大阪家裁は２０日、強盗殺人容疑で逮捕、家裁送致された男（１９）の少年審判を開き、強盗致死の疑いに切り替えて検察官送致（逆送）する決定をした。大阪地検が勾留期間の１０日以内に起訴し、裁判員裁判で審理される見通し。

今月１日に施行された改正民法で成人年齢は１８歳に引き下げられたが、少年法は引き続き２０歳未満にも適用。このうち１８、１９歳は「特定少年」と位置付けられ、起訴されれば実名報道が可能になる。地検が氏名を公表すれば、甲府市の放火殺人事件の被告に続いて２例目になるとみられる。

真鍋秀永裁判官は決定理由で、男が刃物を使ったときの状況から「被害者が死ぬとは考えていなかった疑いを生じさせる」として殺意を認定しなかった。一方、金品を奪う目的で激しい暴行を加えたと指摘し、「人命を軽視する犯罪で重い責任を問われるべきだ」として刑事処分が相当だと結論づけた。

大阪府警は３月、男女４人を強盗殺人容疑で逮捕。地検は１９歳男を同容疑で、１８歳男を強盗致死容疑に切り替えて家裁送致したほか、成人の２人を強盗致死罪で起訴している。家裁は１８歳男についても近く決定を出すとみられる。

家裁の決定によると、３月１日午後１１時５０分ごろ、大阪府寝屋川市の路上で、男性の顔に催涙スプレーを吹きかけて特殊警棒で殴るなどし、刃物で背中を突き刺して死亡させ、現金約１３万円などが入ったバッグを奪ったとしている。

（産経新聞の記事から引用）

犯人グループがどのような犯行を計画していたのか、刑事裁判の場で明らかにされるのでしょう。大麻を売ると言って被害者を誘き出し、指定した場所のコンビニエンスストアの駐車場で被害者が本当に１人で来たかどうかを確認した上で、人気のない場所で取引をすると申し向け、犯行現場に誘導したものと考えられます。脅して金を奪っても、大麻を買うために用意した金ですから被害者は警察に被害届は出せないはず、との読みだったのかもしれません

しかし、１９歳の少年は刃物で被害者を刺してしまいました。被害者が抵抗し、金を渡そうとはしなかったのかもしれません。あるいは頭に血が登って抑制できなくなったのか？

「殺す気はなかった」と今後の裁判で主張するのかもしれませんが、被害者は死亡していますので裁判所は殺意があったものと認定するでしょう

さて、検察官送致の場合ですが、自分が少年鑑別所に勤務していた際には、家庭裁判所で言い渡しを受けた後に裁判官の印が押された決定通知書を受け取ります。そのまま、検察庁の庁舎へ少年を連行し、担当の検察事務官に決定通知書と少年の身柄を引き渡します。あらためて検察事務官が決定通知書を読み上げ、少年の氏名や生年月日、本籍地を確認します。この時、少年にかけていた少年鑑別所の両手錠を外し、検察事務官が検察庁の両手錠につけかえます。その後、少年の身柄はその後、拘置所へ送られるという流れになっています

検察官送致の決定に不服があろうとも、その場で釈放されたりはしません。身柄は勾留されたまま高等裁判所に抗告の申し立てをして、裁判官の判断を待つしかないのです。検察官送致の決定が取り消される場合はほとんどありません

追記：もう１人の容疑者である１８歳少年も、大阪家庭裁判所で検察官送致の決定が出ました

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