神戸弘陵高生徒殺し 犯行時少年で現在は29歳

2010年神戸弘陵高校の男子生徒が刃物で刺殺された事件で、逮捕・起訴されたのが犯行当時17歳だった泉龍都被告であり、現在29歳です。法律上の扱いでは犯行後成人に達していても、匿名扱いとされます。匿名扱いする意味も必然性もないと昨日書いたところですが、法律や制度上の扱いはそう簡単に変更されません
報道機関は匿名で報じるしかないわけですが、当ブログでは実名で表記します
年齢によるさまざまな縛りについて、神戸新聞が記事にしていますので引用します


報道機関には「犯時少年(29歳)」と示された。殺人事件であるのに、起訴した29歳の男の名前を、神戸地検は明かさなかった。捜査機関の対応は、改めて少年事件であることを印象付けた。
事件は2010年10月4日夜、神戸市北区の住宅街で起きた。バス通り沿いの自動販売機の近くで、女子生徒と話していた高校2年の堤将太さん=当時(16)=は突然、男に刃物で何度も刺され、殺された。襲った男は逃走した。
捜査は難航した。発生から11年近くたち「迷宮入り」したかに見えたが、21年8月、愛知県に住む28歳の男が殺人容疑で逮捕された。男は事件当時、17歳だった。
少年法は、立ち直りや社会復帰を重く見て、事件当時に未成年であれば名前や顔写真の掲載を禁じている。だが、この事件のように、発生時と逮捕時に長期の時間差が生じることもある。男は既に30歳手前の「立派な成人」だが、少年法により、逮捕時から一貫して匿名で報じられている。
■逃亡11年、被害者の父は強い違和感抱く
未解決の期間は、亡くなった将太さんの父、敏(さとし)さん(63)にとっても長かった。駅の改札口などに立ち、情報提供を求めるチラシを配り続けた。将太さんの友人らと地域の住宅にも投函(とうかん)した。犯人を追い詰める一心だった。
急転直下、捜査が動いたのは2年前。男が「人を殺したことがある」などと話すのを聞いたという情報が端緒になった。逮捕まで、男はどのような生活を送っていたのか。
男は事件の数カ月前、青森県内の高校を退学し、神戸市北区に移り住んでいた。事件の後、神戸を離れ、逮捕時は愛知県にいた。
愛知では、両親と住む自宅近くの施設で働き、商品を宣伝する広告作成などを担当。同僚は「いつもホテルマンのようにきっちりとした服装」と印象を話した。また、交流サイト(SNS)には自らの写真を載せて、画像加工の知識などを投稿していた。表面上は事件への関与を忘れたかのような生活を送っていた。
捜査関係者によると、男は事件後に殺人事件を題材にした小説を書き、インターネット上に公開していた。ナイフを使った殺人の場面もあったという。
約11年の「空白期間」。逃亡中の容疑者と思えない大胆な振る舞いは、遺族の神経を逆なでするものだった。
今月施行された改正少年法は、18、19歳を「特定少年」として、刑事裁判を受けさせる対象事件を増やし、8日には最初の実名公表となる特定少年も出た。だが、北区の事件で起訴された被告の男は当時17歳で、改正法であっても実名報道できる年齢ではない。そのため今後も、被害者名は出ても被告の名は出ない。
裁判員も入る裁判では、ほかにも少年法に基づいた配慮がなされる。最も大きいのが、刑の程度を決める「量刑」の制限だ。男は事件時点の年齢で判断され、死刑求刑はできず、有期刑でも成人よりも刑が軽くなる可能性がある。
「事件を起こしたのが17歳でも、逮捕されるまでは犯罪は継続していたと考えるべきではないか」。息子の命を奪われた敏さんは、被告の男に少年法が適用されることに強い違和感を抱く。「僕が見ているのは、29歳のあいつですよ」
(神戸新聞の記事から引用)


以前にも書きましたが、殺人事件の時効が廃止されましたので逃げ続けてもいつかは逮捕されます。5年、10年と逃げ隠れした挙げ句に逮捕されるよりは、犯行時(17歳)で自首した方が刑罰は軽く済むのですが、当人にはそうした判断ができないのでしょう。もし、泉被告が事件直後に自首していたなら、少年院送致で20歳頃には出院していたかもしれません
さて、上記の記事に立ち戻ると、犯行時18歳未満ですから死刑は適用されません。18歳以上が死刑を科されるというのが日本の法律です
判例を基準に考えるなら被害者は1人で偶発的な殺人であり、計画性のない未成年者の犯行ですから懲役10年くらいの量刑が考えられます。ただし、犯行から10年も逃げていたのは反省が感じられず悪質と裁判官は受け止めるはずです。発達障害など、情状として斟酌する事情があれば別ですが
追加の情報として、泉被告は父親の転勤によって幼少時から関東や関西を転々とし、青森県内の高校に入学したものの女子生徒に刃物もを向けて脅す事件を起こし退学した、との話です
転校を繰り返したとなれば、友達もいなかったのでしょう。青森県の高校を揶揄するつもりはありませんが、言葉が通じなくて苦労したはずです
女子生徒に刃物を向けた事件の経緯は不明ですが、高校を中退して挫折感一杯のまま神戸の親類宅に身を寄せた泉被告が、楽しそうに女の子としゃべっている将太さんに嫉妬し、犯行に至ったものと考えられます
さほど複雑な背景がある事件だとは思えないのですが、取り調べから起訴、公判前の争点整理に時間がかかりすぎているように感じます。現時点で初公判がいつになるのか、決まっていないようです

(関連記事)
神戸弘陵高生徒殺し 賠償を巡る裁判で
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/518670759.html
神戸弘陵高生徒殺し 懲役18年確定で賠償問題は
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/518616824.html
神戸弘陵高生徒殺し 控訴審でも懲役18年判決
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/516470365.html
神戸弘陵高生徒殺し 控訴審は1日で結審
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/514556281.html
神戸弘陵高生徒殺し 賠償支払い命令に異議
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501392093.html
神戸弘陵高生殺徒し 9300万円賠償を被告に命じる
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501371195.html
神戸弘陵高生徒殺し 判決不服で控訴
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/500065552.html
神戸弘陵高生徒殺し 懲役18年判決
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499808831.html
神戸弘陵高生徒殺し 懲役20年の求刑
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499698863.html
神戸弘陵高生徒殺し 被告の主張は矛盾だらけ
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499674432.html
神戸弘陵高生徒殺し 鑑定医は精神障害を否定
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499659154.html
神戸弘陵高生徒殺し 公判で殺意否認
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499627484.html
神戸弘陵高生徒殺し 初公判を前に
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499604577.html
神戸弘陵高生徒殺し 初公判は6月7日
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/498640179.html
神戸弘陵高生徒殺し 2度目の精神鑑定実施へ
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202209article_52.html
神戸弘陵高生徒殺し 再度の精神鑑定要求
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202208article_9.html
神戸弘陵高生徒殺し 少年扱いで匿名のまま公判か
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202206article_49.html
神戸弘陵高生徒殺し 泉容疑者を起訴
神戸弘陵高生徒殺し 容疑者泉龍都は起訴されるのか?
神戸弘陵高生徒殺し 事件を小説に書いていた
神戸弘陵高生徒殺し 異様な素顔と書く「AERA」
神戸弘陵高生徒殺し 10年越しに犯人逮捕
岡山女児殺害事件を考える 14年間の捜査は?
岡山女児殺害事件を考える 未解決の女児殺害事件にも関与か
岡山女児殺害事件を考える 14年目で犯人特定
廿日市女子高生殺害事件 無期懲役判決

この記事へのトラックバック