西尾ストーカー殺人 犯人の元少年は1度も謝罪に来ず

今年4月1日から少年法が改正され、18歳から19歳の少年については特定少年として扱われます。つまり18歳を超えたら民法上は成人扱いですが、少年法では特定少年として従来の少年法と同じ扱いが適用されます。ただし、家庭裁判所から検察官送致となり、起訴された場合は18歳でも実名報道が可能になります
さまざまなメディアが18歳成人という制度改正を巡ってあれこれ報じていますが、少年法との絡みは議論のあるところでしょう
18歳でも成人と同様、厳罰に処すべきだとの意見もあれば、18歳や19歳までなら社会復帰のための機会を与えるべきとの意見もあります
さて、今回は1999年8月に起きた西尾ストーカー殺人事件の犯人が、刑務所を出所後今日に至るまで一度も謝罪に訪れていないと書かれた記事を取り上げます
県立西尾東高校に通っていた永谷英恵さんは同じ高校に在学して当時17歳の鈴村泰史に待ち伏せされ、刃物で刺殺されました。鈴村は中学時代から彼女につきまとっていたストーカーであり、事件当時は高校を中退しています
逮捕後、家庭裁判所から検察官送致となり刑事裁判を受けた鈴村は懲役5年以上10年以下の不定期刑判決を受けたのですが、精神的に不安定という理由で岡崎医療刑務所に収監されています


愛知県西尾市に住む、永谷博司さん。
23年前、当時高校2年生だった長女・英恵さん(当時16歳)を失いました。
娘をナイフで刺して殺害したのは、17歳の少年。
かつて英恵さんと同じ中学と高校に通っていて、付きまといなどのストーカー行為を繰り返していました。
少年の身柄は検察官に送られ、裁判で懲役5年以上10年以下の不定期刑が確定しました。
「逆送されたので、少年の名前が出てほしかったけど叶わなかった。法律の壁でした」(永谷博司さん)
娘の命を奪った少年は、刑務所での服役を終えてからわずか3年後、今度は女性を狙った通り魔事件を起こし、傷害などの罪で実刑判決を受けました。
再び、罪を犯した元少年。
永谷さんは、娘の事件についても反省していないのではないかと感じています。
「手紙を送ってくるけど、自分のことが書いてある。『謝罪したい』という気持ちが書いてあるけど、いつでも謝罪には来られるはず。一度も謝罪に来ていないです」(永谷博司さん)
永谷さんは、実名で報道されることが少年の社会復帰につながるのではないかと話します。
「名前が公表されて、周りからいろいろな目で見られた方が『もっと自分はこうしなければいけない』という気持ちが湧いてくるのではないか。実名を隠していたら何をやってもいいという考えになってしまうから」
「世間から見られるように、立ち直るためにはそうなってほしいと思います。名前が出て、どれだけ重たいことをしたかと自覚してほしい。まじめに生きることを考えてほしいと思うだけですけど。反省を促すつもりで実名を公表してもらえればと思います」(永谷博司さん)
(名古屋テレビの記事から引用)


鈴村泰史は岡崎刑務所から出所後、名古屋市内の精神科に入院し、退院後も通院を継続していました。が、愛知県蒲郡市内で女性に刃物で負傷される事件を起こして逮捕され、懲役1年8月の実刑判決を受けています
永谷英恵さんの父が上記の記事の中で語っているように、刑務所を出た後に遺族宅を訪問し謝罪するだけの時間は十分あったものと考えられます。しかし、鈴村泰史はおそらく自分を振った英恵さんをまだ恨んでおり、親から促されて遺族宛に手紙は送るものの、謝罪する気にはなれないのかもしれません
犯罪に走った少年の立ち直り、社会復帰の支援も大切ですが、遺族に対して謝罪の意を表明できないのであれば社会の中で実のある人間関係も築けないのではないでしょうか?
事件と向き合うというのは被害者遺族と向き合うことでもあります。それを避けたままで「反省した」などと言うのはごまかしでしょう
なお、少年法は犯罪を犯した少年の実名を報道しないようメディアに規制をかけていますが、個人がブログに実名を書くことまで禁じてはいないと解釈し、当ブログでは実名を記載する場合があります

(関連記事)
西尾ストーカー殺人の少年 出所後再犯で懲役1年8月
ストーカー殺人の少年が出所後また殺人未遂
三鷹女子高生殺害を考える1 ストーカー対応
三鷹女子高生殺害を考える2 無職のストーカー
三鷹女子高生殺害を考える6 懲役22年の判決
三鷹女子高生殺害を考える7 東京高裁で差し戻し
三鷹女子高生殺害を考える8 リベンジポルノで追起訴
同性愛者ストーカー殺人を考える
大学職員がストーカー、同僚を殺害して逮捕
同志社女大ストーカー殺人はW不倫の結果
長崎ストーカー殺人で千葉県警本部長ら処分へ
女子大生を刺した神戸ストーカー事件を考える
三角関係でストーカーと化した女教師
大阪母娘殺害事件を考える1 怨恨殺人か
石巻3人殺傷事件を考える1 事件の状況など
石巻3人死傷事件を考える2 人格障害
石巻3人死傷事件を考える3 復縁に揺れる
石巻3人殺傷事件を考える6 死刑判決
石巻3人殺傷事件を考える7 死刑判決批判の愚
ストーカー殺人 被害者を批判するテリー伊藤
「少年犯罪は厳罰化しても減少しない」説への異論
酒鬼薔薇は「命の大切さを知らない」とする誤解
平野区ストーカー殺人 懲役30年の判決
小金井アイドル刺傷事件を考える 容疑者は鑑定留置
小金井アイドル刺傷事件を考える 被害者の落ち度で炎上騒動
福岡女子予備生殺害 懲役22年求刑
福岡女子予備校生殺害 公判は始まらないまま
レッサーパンダ帽男殺人を考える1 発達障害
レッサーパンダ帽男殺人を考える2 不幸な誤解
59歳教師ストーカー 教え子につきまといか
静岡女子大生殺害 無期懲役求刑
駅で10年待ち伏せ ストーカー男逮捕
ストーカーは警察副署長 富山県警が送検

この記事へのトラックバック