新潟女児殺害事件17 控訴審でも無期懲役判決

2018年、下校途中の小学2年の女児(当時7歳)にわいせつ行為をした上で殺害したとして、殺人罪などに問われた小林遼(はるか)被告(27)の控訴審判決が東京高裁でありました。無期懲役とした一審新潟地裁判決を支持し、検察、弁護側双方の控訴を棄却した。検察は死刑を求刑していましたが、大善裁判長は「極刑がやむを得ないとまではいえない」と述べ、死刑を回避しています
この事件では小林被告の供述が二転三転し、「わいせつ行為はなかった」とか「首は絞めた殺意はなかった」など、刑を軽減する目的で供述を翻したとしか思えないところがあり、真摯に反省しているようには見えません
裁判の争点を解説した記事がありましたので、貼っておきます


〈解説〉新潟女児殺害 “無期懲役”を覆す判決は出るのか ポイントは“殺意”と“わいせつ”の有無
(前略)
控訴審の主な争点は2つ。「殺意の有無」と「生前のわいせつ行為」の有無です。
一審では殺意について認定しましたが、被害者の首を絞めた時間が3分より短かった可能性があると指摘。検察側は、「この判断は誤りで少なくとも5分以上は首を絞めていた」と主張しています。
Q.5分以上首を絞めたという主張は、何を意味するのでしょうか?
刑事裁判に詳しい堀田弁護士によりますと、『殺害の手段方法の残虐性に関わってくる』ということです。検察側は、強固で確定的な殺意があったことを示したい考えです。
一方で弁護側ですが、「被害者が声を出したので首を絞め気絶させた」として、殺意は無かったことを主張しています。
また、生前のわいせつ行為については、捜査段階の自白は虚偽自白だったと話し、強制わいせつ致死罪は認定されないとしています。
Q.これらの争点を踏まえて、判決のポイントは?
控訴審での判決は控訴を棄却するか、高裁が自ら判決を下すか、一審に審理を差し戻すかとなります。
その中で注目されるのが、量刑についての判断です。
被害者が1人で死刑になるケースは極めて珍しく、堀田弁護士は『裁判員裁判で出された判決を覆すには相当の理由が必要だ』と指摘。
また、弁護側が主張する有期刑についても『わいせつ目的という点が否定されなければ、無期懲役の判決を覆すのは難しい』と話しています。
Q.佐藤記者は控訴審を傍聴したが、遺族の思いはどのように感じましたか?
はい。私も裁判を傍聴し、遺族の話を実際に聞きました。
「何をしても娘と結びついてしまう」、「娘を返してほしい」という悲痛な思いを強く感じました。
遺族の処罰感情も強い中、17日、東京高裁がどのような判断を示すのかが注目されます。
(NTS新潟総合テレビの記事から引用)


小林被告は無期懲役の判決が不服であり、有期刑(懲役30年以下)であるべきだと争っています。控訴審判決にも納得せず、最高裁まで争うのでしょう
しかし、それは自分の犯行を「無期懲役になるような悪質な事件じゃない。女の子にいたずらして殺してしまっただけ」と矮小化し、軽微な犯罪であるかのごとく歪めようとする態度であり、己の罪と向き合おうとしない態度です
学校帰りの7歳の女の子に背後から車をわざとぶつけた上で拉致し、車の中に連れ込んでわいせつ行為をしようとしたものの、抵抗されたため首を絞めて殺害した実に身勝手な犯行です。7歳の女の子でも身を守るためには必死で抵抗するでしょうし、大声で助けを求めるでしょう
殺害した後、小林被告は遺体の下半身を温めた上で死姦に及んでおり、遺体を性処理の道具扱いするという鬼畜の行為です。さらに遺体を線路上に遺棄して列車に轢かせ、ばらばらにすることで犯行の痕跡を隠そうとしたのですから、情状酌量の余地など皆無です
被害者が1人の場合は死刑を回避する、という理解不能な縛りが日本の司法にはあるわけですが、小林被告の犯行は被害者を殺害した上で陵辱し、さらに死者の尊厳を踏みにじる行為であり、死刑判決でも国民の大多数は納得するでしょう
ところが小林被告は無期懲役判決に不満たらたらという状態であり、「何だ、この男は」と思ってしまいます

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