大阪障害者施設で暴行死 職員に無罪判決
「障がい者サポートセンターしみず」に勤務していた職員伊住祐輔被告が入所者に暴行を加え死亡させたとして起訴されていた事件で、大阪地裁は無罪判決を言い渡しています
起訴状には被害者の首の骨に骨折があるとしていたのですが、弁護側の証人である医師が「骨折はない」と否定したため、裁判官は被告が暴行を加えたという検察の主張に合理的な疑いがあると判断した結果です
大阪府茨木市の障害者福祉施設で2019年3月、入所者の男性(当時30歳)に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死罪に問われた施設職員の伊住祐輔被告(43)の裁判員裁判の判決で、大阪地裁は16日、無罪(求刑・懲役8年)を言い渡した。佐藤卓生裁判長は「男性が暴行以外の原因で死亡した可能性が否定できない」と述べた。
伊住被告は19年3月22日夜~23日未明、施設内で男性の首や腹部を圧迫するなどの暴行を加えて窒息死させたとして逮捕・起訴された。
検察側は公判で「司法解剖の結果、男性の首には骨折がみられ、首を強く圧迫されたことは明らか」と主張。これに対し、被告は男性への暴行を否定し、無罪を求めていた。
公判では、男性のCT画像を鑑定した弁護側証人の医師が、骨折は認められないと証言した。佐藤裁判長は、多数の司法解剖経験があるこの医師の証言は信用できると判断。男性の腹部にあった複数の傷についても、救命時の医療措置によって生じた可能性が否定できないとした。
判決は、医師の証言や救急搬送時の診断内容から男性が不整脈を発症して突然死した可能性があると指摘。その上で「首の圧迫による窒息以外の原因で亡くなった可能性があり、被告が暴行を加えたとするには合理的な疑いが残る」と結論付けた。
判決を受け、大阪地検の八沢健三郎次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応する」とのコメントを出した。
(毎日新聞の記事から引用)
当初、伊住被告は「被害者男性がなかなか寝つかないのでベッドで手足を押さえつけた」と供述していたのですが、その後、被害者はたまたま偶然、不整脈によって死亡したのでしょうか?
裁判官の認定にも「合理的な疑い」が生じます
それに救急搬送や救命措置の段階で胸や腹にそれほど傷が生じるものなのか、疑問です。心肺蘇生のため電気ショックを与えれば、皮膚の上に火傷の痕が残ったりはしますし、心臓マッサージのため胸骨が折れたりするのは説明がつきます。しかし、それ以外の腹部の傷はどう説明するのでしょう
検察は判決を不服として控訴すると思われます
追記:大阪地検は3月30日、「判決には不満が残るものの、関係証拠を精査した結果、判決を覆すのは困難と判断した」として控訴を断念しています
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