那須女性遺棄事件 求刑は無期懲役

帰宅途中の女性を尾行し、施錠されていない玄関から侵入して強姦し、殺害した上で遺体を那須高原の別荘地へ遺棄した佐藤喜人被告の裁判で、検察は無期懲役を求刑しています
公判の場で佐藤被告は離婚後、性欲が抑えきれず次々と女性を狙った旨、供述しています。離婚の原因がどうあれ、あまりに身勝手な理由です。殺害された被害者が聞いたなら、「なにそれ? そんな理由でわたしは殺されたの?」と驚愕するでしょう


面識のない女性=当時(35)=を襲い、殺害後に山林に埋めて遺棄した男の裁判員裁判が東京地裁で開かれている。「性的欲求を抑えられなかった」。法廷で語られたのは、あまりにも身勝手な動機だった。検察側は「周到な犯行で極めて自己中心的」と指摘し、無期懲役を求刑。弁護側は「計画性はなく、凶器なども用いていない」と刑の減軽を訴えた。判決は17日に言い渡される。
■失踪装い遺体を遺棄
殺人、死体遺棄などの罪に問われたのは住居不定、無職、佐藤喜人被告(30)。犯行時は保育士として働いていた。
冒頭陳述などによると、令和2年9月24日午後、東京都豊島区内の1人暮らしの女性方に侵入し性的暴行を加え、ロープで首を絞めて殺害。女性が失踪したと見せかけるため親族が所有する栃木県那須町内の別荘に遺体を運び、近くの山林に穴を掘って埋めた。
帰宅途中の女性を見つけ尾行、自宅を突き止めて無施錠なのを確認し、犯行に及んでいたという。同12月、警視庁の任意の聴取に対し、女性殺害などを自供した。
逮捕時は長かった髪を短く切り、上下黒のスーツ姿で公判に臨んだ被告。動機について捜査段階で「盗みが目的だった」と供述したというが、公判では「一番は、性的欲求が抑えられなかった」と語った。「離婚し、自暴自棄になっていた時期があった」とも説明。子供との面会ができず、鬱屈した思いを抱えていたという。
殺害を決意した理由について「被害者に顔を見られてしまい、右目の下にできものがあるという特徴も見られたと思った」と述べた。
■「捕まりたかった」
失踪を偽装した手口の詳細も明かした。犯行後、盗んだ鍵で女性宅に複数回出入りして掃除をしたり指紋を拭きとったりしたほか、女性宅からキャリーケースや衣類も持ち出し、衣類は別荘の薪(まき)ストーブで燃やした。野生動物に掘り起こされないため遺棄した穴にすのこを置き、その上から土を盛ったという。
また被告は、女性を殺害後、都内や埼玉県内の路上で女性の身体を背後から触るなどの強制わいせつ事件を3件立て続けに起こしていた。
理由について「(殺害した直後は)捕まりたくないという気持ちだったが、女性を殺めた罪の意識があり、事件を起こして警察に捕まりたかった。(自首する勇気がなく)被害者が出た方が警察が早く動くと考えた」と打ち明けた。
わいせつ事件の被害者の中には、当時9歳の女児も含まれていた。「(保育士として働いており)子供を守る立場でありながら、申し訳ない」と謝罪し、「刑務所には性犯罪の更生プログラムがあると聞いたので参加したい」と述べた。
■「自分の娘と思って」
今月9日の論告求刑公判では、被害者参加制度を利用し殺害された女性の父親が意見陳述した。「被告は人間の皮をかぶった悪魔。残酷で卑怯な犯行は絶対許せない。裁判員には、娘を自分の娘と思って判決を考えてほしい」と訴えた。
被告の親族は、被害賠償として3千万円を用意したというが、遺族は受け取りを拒否しているという。
欲望に任せて見ず知らずの女性を襲い、命まで奪った被告。最終意見陳述では「長期間刑務所に入ることになると思うが、自分を見つめなおし反省していきたい」と語った。
(産経新聞の記事から引用)


記事に書かれているところの、被告の親族が3千万円の賠償金を用意したという事実に驚かされます。こんな事件を起こせば、親兄弟からも親族からも縁を切られるのが通常です。しかし、佐藤被告の親族はたまたま資産家でもあったのか、被害者遺族に賠償金の支払いを申し出ました。被害者遺族としては事件の判決が確定しないうちは、とても賠償金を受け取る気にはなれないはずです。気持ちの整理がつかないので
本来なら賠償金を支払い、その見返りとして被告の罪を宥恕する(許す)と遺族に一筆書いてもらい、それを公判の場に提出し「被害者遺族も被告を許しているので寛大な判決を」と申し添えるわけですが
殺人事件の多くは犯人に賠償を支払うだけの資産も資力もなく、賠償支払いを求める訴訟を起こしたところで何も得られない状態にあります
なので今回のケースは珍しい限りです
判決の方は情状酌量によって減刑する余地なしと判断し、求刑通り無期懲役が言い渡されるものと予想します

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