藤井前内閣審議官 停職12月の懲戒処分で退官

本来禁止されている兼業(ビジネス塾の講師)を務め、多額の報酬を受け取っていたとして更迭された藤井敏彦前内閣審議官に停職12月の懲戒処分が科せられたと報じられています
本人が退官を申し出たそうで、退職金約4000万円から、講師で得た報酬分を引いた約700万円が支給されるのだとか。ならば兼業届を提出しなかった副業(講師役)で3000万円以上稼いでいた、という話なのでしょう


経済産業省は、経済安全保障に関する法案の策定にあたっていた準備室の前の室長が、必要な手続きを行わずにビジネススクールの講師を務め、報酬を得ていたことなどが確認されたとして、停職12か月の処分を発表しました。
政府は、経済安全保障に関する法案の策定にあたる準備室の室長を務めていた藤井敏彦前内閣審議官について、処分につながる可能性のある行為を把握したとして、2月に出身省庁である経済産業省に異動させ、事実上、更迭しました。
その後、関係者への聞き取り調査などが行われ、経済産業省は9日、複数の違反行為が確認されたとして停職12か月の処分を発表しました。
発表によりますと、必要な手続きを行わずにビジネススクールの講師を務め、延べ9年間で合わせて、およそ1600万円の報酬を得ていたことや、少なくとも61件の講演や執筆を行い、合わせておよそ980万円の報酬を得ていたにもかかわらず、必要な報告書を提出していなかったことなどが確認されたとしています。
一方で、週刊誌で報道されていた、朝日新聞の記者に作成中の法案の内容を漏らした疑いについては、情報漏えいは確認できなかったとしています。
ただ、記者の自宅に複数回、出入りしていたことについては、不適切だったとしています。
処分を受けて、藤井氏からは辞職の申し出があり承認されたということです。
小林経済安保相 綱紀粛正徹底の考え
経済安全保障に関する法案を所管する小林経済安全保障担当大臣は、参議院予算委員会で「法案の審議を間近に控え、世間の関心が高まっている中で、極めて遺憾だ。行政の公正性、中立性について国民の疑念を生じさせるなど、断じて許されるものではない」と述べたうえで、綱紀粛正を徹底していく考えを示しました。
また、国家安全保障局の室田幸靖内閣審議官は、処分までに時間がかかった理由を問われたのに対し「経済産業省だけでなく、防衛省、国家安全保障局に出向していたことに加え、無許可で兼業していた企業、講演を行った企業などの数が非常に多数におよび、情報の把握や事実関係の調査に時間を要した」と説明しました。
(NHKの記事から引用)


通常、懲戒処分としての停職は6月であり、それを超える停職処分というのは滅多に見られません。停職6月なら公務員として不適格であり退職しろ、という意味です
政治家に気に入られ「デキる男」として経済産業省から内閣審議官に抜擢され、ブイブイ言わせていたのでしょうが、副業で足元をすくわれた格好です。それも自分がしでかしたのですから、誰かのせいにするわけにはいきません
経済学者中谷巌の主催するビジネス塾「不識塾」は企業の取締役や部長などを対象とし、受講料は年500万円を超える高額です。選ばれた人間たちが集まる場です。今から30年くらい前には、ビジネスマンたちが集まり「自己啓発」のための勉強会、セミナーというのがあちらこちらにありました。大学教授や経済評論家を招いて講義をしてもらう本格派から、異業種交流という名の飲み会派までもろもろです。バブル経済崩壊とともに姿を消したようですが
不識塾は受講料500万円ですから、講師の手当も高額であり、藤井前審議官にとってはおいしい役回りだったのでしょう
一般の公務員が土曜や日曜に講演をしたり、本を執筆するのは禁じられていないものの、講演料は交通費など含めて世間一般の常識の範囲内とされます(数万円程度)。本の執筆も本業に支障のない範囲とされ、仕事を休んでまで執筆に取り組むのはNGです。国立大学の教員であったり、研究機関の研究職についてはそれぞれ規定があるはずです
さて、退官した藤井前審議官ですが、ビジネス塾で知り合ったどこかの企業の社長が声をかけ、再就職を斡旋するのでしょうか?
しかし、朝日新聞の女性記者とたびたび密会し、不倫関係にあったと報じられているわけで、華麗なる転身とはいかないはずです

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