千葉妻殺し裁判 親権争いが殺人に

元警察官である小野陽(あきら)被告(48)が妻を殺害し、茨城県の海岸に遺棄した事件(遺体は未発見)では検察が懲役25年を求刑しています
夫婦の諍いの元は長男の親権を巡る争いだとされますが、そもそも夫は事件当時46歳であり、殺害された妻は当時32歳でした。随分と年齢に差があります。それだけ年齢差があれば生活習慣や価値観、人生観にも大きな違いがあったのではないでしょうか?
夫婦の間の確執については具体的に何があったのか、報道された記事を自分は目にしていないので分からないものの、年齢差のある結婚に無理があったのではないかという気がします
裁判は論告求刑と最終弁論があって結審しています。しかし、小野被告が意見陳述で妻の死を後悔していると述べるものの、長男の親権を取り戻すことへの執着をのぞかせており、長男を取り戻すため邪魔になった妻を殺害したと解釈せざるを得ない態度に映ります


〝遺体なき殺人〟は立証されるか 被告は「殺していません」
裁判では2人の間に、子供の監護権を巡る争いがあったことが明らかにされた。
長男が生まれ、平成27年に入籍した陽被告と理奈さんの関係は29年頃から悪化。翌年、理奈さんの帰省中に陽被告が自宅の鍵を変え、別居状態が続いた。
双方が弁護士を立て、長男の監護権について争ったが、裁判所は長男の監護者を理奈さんとし、陽被告に対して長男を引き渡すように命令。陽被告は「一方的だ」と不満を募らせた。
(中略)
群馬県警の元警察官である陽被告は、事前に職場を張り込んで理奈さんの車を特定、衛星利用測位システム(GPS)機器を取り付けて動向を把握していた。陽容疑者は職場から出てきた理奈さんに声をかけ、2人は軽自動車の後部座席に乗り込んだ。この車内が理奈さん死亡の現場になったようだ。
検察側は、陽被告の自宅から、理奈さんの血液が付着した折り畳みナイフが見つかっていることや、車内の血液の量などから「被告が刃物様のもので、殺意を持って被害者の頸部(けいぶ)を突き刺した」と主張。
一方、陽被告は「妻が(折り畳みナイフではなく)カッターナイフを取り出し、それを取り上げようともみ合っている際に妻の首に刺さって死亡した事故死だ」と主張。折り畳みナイフに理奈さんの血液が付着していた理由を「ずっと前にキャンプやバーベキューで使っていた妻が手を切った」などと説明した。
「理奈を返して」
陽被告は遺体を茨城県の海岸に遺棄したと供述。千葉県警が捜索したが、現在も発見されていない。
事故死を主張する陽被告は、遺棄した理由について「子供が1人ぼっちになってしまうので、隠そうと考えた」と述べた。最終意見陳述では「事故で妻が死んだことを後悔している。せめて忘れ形見の息子を一日も早く迎えに行き、守り抜きます」と涙を見せた。
一方、被害者参加人として出廷した理奈さんの父は「被告人からは一切謝罪がない。今も暗闇の中にいる理奈を返してほしい」と声を震わせた。
殺人か、不慮の事故か-。判決は8日、千葉地裁で言い渡される。
(産経新聞の記事から引用)


遺体を隠した理由ですが、早期に遺体が発見されてしまうと遺体の傷跡から使用された凶器が小野被告の説明しているカッターナイフではなく、小野被告の自宅から発見された折り畳みナイフだとバレてしまい、小野被告の説明がすべて嘘だと類推される可能性があったからでしょう
小野被告は妻と軽自動車の中で話し合いをしたのではなく、問答無用で刺殺したのではないでしょうか?
もちろん、小野被告には殺意があったのであり、事故だとか偶然などという説明は嘘です
その昔、自分が学生の頃は刑法の講義で「検察の立証に一点でも疑わしい点があれば、それは被告人の利益として無罪にすべき」などという主張がありました。つまり完全に犯行を立証できなければ検察の失態として無罪判決を下せ、という理屈です(実際の裁判ではそうした扱いにはなっていません。あくまでも刑法学者の個人的意見です)
なので、遺体が未発見という「遺体なき殺人」であるからといって、「検察の立証に欠陥があるから無罪」という判決が出たりはしません
また、殺意がなかったのであれば救急車を呼ぶなどして里奈さんの命を救うため手を尽くすべきであり、そうしなかったのは殺意があったからでしょう(なおかつ、遺体を遺棄して隠してる)。ですから、「自分は妻を殺していません。冤罪です」などと言うのはおこがましい限りであり、被害者への冒涜です
小野被告は元警察官だそうですが、どうにも中途半端な知識で犯行を計画したように思えてなりません。「遺体が見つかれなければ殺人事件として立件するのが難しい」とか、「殺意があったと立証しないと殺人罪に問えない」など、警察学校で聞いた話で完全犯罪を企図したのではないかと思いたくなります

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