DV夫が養女に淫行 懲役2年6月に不満

家庭内での性暴力事件を何度も取り上げています。が、こうしたニュースを見ても、裁判で有罪判決が下されたと耳にしても、性暴力を繰り返している人間は自身の行いを反省したり、悔いたりはしません。「捕まった奴が間抜けなのであり、自分は証拠を残していないから大丈夫」と考えていたり、そもそも自分の行為が逮捕されるほどの悪事ではないと矮小化したり、罪の意識自体抜け落ちている(それゆえ、警察や裁判官から咎められても罪を認められない)のでしょうか?
今回はその罪の意識自体抜け落ちている男性の裁判例です
判決は2021年11月に下され、義理の娘に対して複数回の性的暴力を繰り返した監護者強制性交罪と傷害罪で懲役2年6月を言い渡されたものの、判決を不服として控訴しています
弁護士ドットコムに掲載された傍聴人高橋ユキの記事から一部を引用します
被告男性は妻に対しても繰り返し暴行を繰り返す、いわゆる「オレ様」男です。自分の行動はすべて正しく、妻や養女の行動はすべて間違いであり、平気で嘘をつき自分を悪者にしていると主張しており、罪の意識が見られません


娘にわいせつ「さわやかな父」が重ねた体罰、教育虐待、妻へのDV…反省も謝罪もなく
義理の娘・Bさんに対する傷害と監護者わいせつの罪で起訴されていた被告人の公判は、千葉地裁で2021年11月まで続いていた。子である被害者のプライバシーに影響が及ぶ恐れがあることから、監護者による性犯罪は、被告人の氏名や住所が明かされない。開廷表の被告人名は空欄となる。
被告人は2018年5月、当時中学1年生だったBさんに対して暴力を振るったという傷害罪と、翌年1月〜2月、Bさんの部屋に忍び込んだ上、性的暴行を加えたとして、監護者わいせつ罪に問われていた。傷害罪については認め、監護者わいせつ罪については否認していた。
2021年の梅雨から夏にかけて行われた被告人質問によると、被告人は元妻との結婚後、2012年の3月にBさんと養子縁組をした。
ところがBさんが小学校3年生になってから、ゲンコツなどで叩くなどの体罰を加えるようになる。被告人によれば、Bさんが小学校6年生になるころには、彼女の生活態度に対して不満を抱いていたようだ。
「門限を守らなくなり、些細なことで嘘をつくようになった。遊びに行く場所も嘘をつく。Bの携帯電話にGPSをつけていた、それで分かったり、また私自身が、約束していた場所と違うところからBが帰ってくるのを見た」
●携帯電話を破壊したのは「彼氏と不適切なやりとり」
この頃から、被告人はBさんに男友達ができたことを、非常に気にしており、それが原因で、Bさんの携帯電話を破壊した。
「小学校6年生の終わりごろ、私がBの携帯を確認して、メールを見ると、彼氏と不適切なやりとりをしていた。それに激怒……もう二度と連絡を取らないという約束で携帯電話を返したが、言うことを聞かず連絡を取り合っていたので目の前で携帯電話を折りました」
また同時期に、Bさんにはタブレット学習をさせていたが「やってなかった。お金を払ってるのに無駄にしてることに腹が立って、次のテストまではこういうことは許さんぞと、正座をさせて勉強を見ることがあった」ともいう。
マンツーマンの勉強は夜中の2時に及ぶこともあり、長時間の勉強に耐えられなくなるBさんをゲンコツで殴りながら、机に向かわせていた。
束縛にも近い監視と、暴力で支配していたのはBさんだけではない。元妻に対してもたびたび暴力を振るっており、元妻はBさんや、その下の弟を連れ、実家に避難し別居状態となることもあった。元妻への暴力は壮絶で、警察も複数回、出動する騒ぎに発展している。
「別居前には、まず怒鳴り散らして、首を絞めて持ち上げた。別居後にも電話で口論となり、妻に『ぶっ殺してやる』と大声で叫んだら、妻が警察に連絡して警察が私の自宅に来ました。精神病院に連れて行かれ、事情聴取をされて終わりました」
(中略)
●子どもを連れて逃げた妻に「誘拐で警察に通報するよ」
それでも当時はBさんに対して気がおさまらなかったようだ。避難した家族を追いかけて元妻の実家まで赴いた上、外観を撮影し、こんなメッセージを元妻に送った。
〈このままだと、誘拐で警察に通報するよ〉
弁護人も、さすがに聞いた。
弁護人「え〜、そんなことしたの? と思うんだけど。どうしてそれが正しいと思ってたの?」 被告人「………考え方が……」 弁護人「家族があなたの言うこと聞いてくれなかった?」 被告人「……そうですね……」
のちに家族らは被告の住む家に戻ってきたが、その後も「数えきれないほど」(被告人の弁)別居を重ねてきたという。
(以下、略)


弁護人もすっかり呆れてしまい、弁護のしようもないといった感じです
省略しましたが、被告の暴走っぷりがこれでもかと書かれています。養女に対し、中学生の頃から性暴力を繰り返していたのに、その点を法廷で質問されると小声でゴニョゴニョと答える一方、養女の嘘やごまかしについては大声で主張しています
被告には妻や養女の立場になって考えるという姿勢は微塵もありません
養女の嘘の方がはるかに重大な問題であるかのように語り、それによって自身の性暴力という犯罪を有耶無耶にしようと意図しているのか、意図しないままそのように振る舞っているのか?
自分の行動がいかに社会規範から外れているか、ズレているのか、客観視する能力を欠いているのでしょう
根本的な認知の歪みに起因する問題だけに、懲役2年6月という短期間で改善されたりはしません。刑務所を出た後、認知の歪みを矯正する治療を受けないと、同じ行動を繰り返して周囲を不幸にするだけだと推察します
義父から殴られたり怒鳴られたりすれば家へ帰るのが億劫になりますし、ましてや夜中に義父が布団に入り込んで性交を要求してくるのですから、たまりません。拒絶すればあれこれ理由をつけて殴ってくるわけで
養子縁組を解消し、義父に対し数百万円の損害賠償を請求してもよいのでは(記事だけでは民事上の損害賠償請求を行っているのかどうかは分かりません)
先日、浜松の高校生が女風呂をのぞいた件で退学処分となり、高校生の親が「人生をめちゃくちゃにされた」と怒っているとの報道を当ブログで取り上げました。が、人生をめちゃくちゃにされるとは、今回のようなケースを指すのでしょう
のぞき行為や盗撮も性犯罪であり、それを些細な事と片付けようとするのは本件のDVオヤジと同じになってしまいます

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