栗原心愛ちゃん殺害事件を考える 原因は何だったのか?
千葉県野田市で当時小学4年生だった栗原心愛さんが父親の虐待を受け死亡した事件が3年前にありました。この事件について当ブログでは何度も取り上げたところです。しかし、こどもへの虐待事件は次から次へと発覚し、死亡するケースは減りそうにありません
そして児童虐待に立ち向かうべき児童相談所でも、職員が保護した少年少女に性的暴行を加えて逮捕者が出る始末です
さて、心愛さん殺害事件から3年という機会で書かれた時事通信の記事に対し、ヤフーニュースのコメント欄に書き込まれた「経済的な理由、貧困を口実にするな」との意見がひっかかりましたので、取り上げます
まず時事通信の記事を貼り、次にヤフーニュースのコメントを引用します
千葉県野田市で小学4年の栗原心愛さん=当時(10)=が父親の勇一郎受刑者(44)から虐待を受け死亡した事件から、24日で3年となる。
心愛さんの祖母はNPO法人「ワールドオープンハート」(仙台市)を通じ、「心愛ちゃんを忘れた日はなく、毎日手を合わせてきた」とのコメントを発表した。
コメントでは「助けてあげられなかった後悔の念が消えることはない」「多くの方に心愛ちゃんの死を悲しんでいただいていることに、家族一同、感謝しています」と思いをつづった。
加害者家族を支援し、勇一郎受刑者と手紙のやりとりをしている同法人理事長の阿部恭子さんによると、同受刑者は父親は無条件に尊敬されるものだと思い込み、自らの虐待を「厳しいしつけ」と考えていた。最近では児童虐待に関する書物に目を通すなどし、問題に向き合い始めたという。
阿部さんは「彼も児童相談所などに相談していたが、経済的困窮などから支配欲が強くなった。精神的な余裕の無さを改善すれば防ぐことができたのでは」と話す。
確定判決によると、心愛さんは2019年1月22~24日、顔に冷水シャワーを浴びせられるなどの暴行を繰り返し受けて衰弱死した。勇一郎受刑者は傷害致死罪などに問われ、21年に懲役16年の実刑が確定した。
(時事通信の記事から引用)
どんなに困窮しようと虐待しない人の方が圧倒的に多いと思いますけど…
母親すら助けませんでしたよね?
で、学校も配慮なし。悪化させて死亡する原因となった
それなのに経済的な理由を上げるの?
元々間違っ出た思想が暴走したきっかけでしかないのにその庇い方っていうか理解の仕方はどうなんだ
コメントを書かれた方の鋭い見識には敬服します
NPO法人「ワールドオープンハート」の阿部さんは取材に応じてもっと多くを語っていたはずですが、記事で取り上げられたのはほんの一部だけでしょう。栗原勇一郎受刑者をかばうために上記のような発言をしたのではなく、現在家庭において虐待をしている父親や母親、虐待しそうになっている父親や母親に少しでも自身の行動を見つめ直してもらいたいとの意図で発言しているのだと推測します
ただし、NPO法人「ワールドオープンハート」の阿部恭子氏は当ブログでも以前取り上げたように(下記のブログ「栗原心愛ちゃん殺害事件を考える 虐待は経済格差のせい?」で引用した週刊女性の記事で)、経済格差こそが問題の根源であるかのような考えを示しており、そこを言い訳に使われてしまうようでは問題の解決につながりません
栗原勇一郎受刑者の場合、正規労働者でしかるべき収入を得ていたとしても、虐待を繰り返すだけの資質や人格の偏りがあったと推測されます
彼の抱えている劣等感を補うため、妻や子に対し高圧的な言動を繰り返し、支配し、抑圧していたとも考えられます。さらにこどもの虐待時の反応を性的な快楽として受け止める、認知機能の歪みを感じます。一般論的なアプローチだけで問題が解決できるとは思えないのであり、より内面に踏み込んだ心理療法が必要なのでは?
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