「日本映画はなぜ韓国映画に勝てないのか」という記事

日刊ゲンダイが1月10日に「日本映画はなぜ韓国映画に勝てないのか」と題する記事を掲載しました。その翌日、1月11日には濱口竜介監督が村上春樹の小説を映画化した作品「ドライブ・マイ・カー」がアメリカのゴールデン・グローブ賞を受賞したとの報道がありました
もちろん、日刊ゲンダイの記事は数週間前にオーダーがあって書かれたものであり、ゴールデン・グローブ賞とタイミングを合わせて掲載されたものではないのでしょう
それにしても、日刊ゲンダイの記事を書いた映画評論家の前田有一は、「韓国映画に日本映画が負けているのが悔しい」と書いており、何とも理解できません。勝ち負けの問題なのでしょうか?
以下、日刊ゲンダイの記事から一部を引用します


映画評論家・前田有一「日本映画はなぜ韓国映画に勝てないのか」
Netflixが、エンタメ界の話題を総ざらいする状況が続いている。中でも同社史上最大のヒット作となった韓国ドラマ「イカゲーム」の収益が1000億円を超えたニュースは、映画関係者にとっては衝撃だろう。彼らは年間2兆円以上といわれるコンテンツ制作費を武器に、次々とこうした話題作を発表し続けている。
ただ、映画にしろ配信にしろ、日本人として悔しいのは、話題の中心となるのが最近は韓国作品ばかりという点だ。「パラサイト 半地下の家族」がカンヌ映画祭と米アカデミー賞で最高賞を受賞して以来、世界のエンタメ界における存在感において彼我の差は広がるばかり。
最近では世界どころか日本国内のNetflix視聴ランキングでも、ベストテンの上位および過半数を韓国作品が占めている状況だ。「イカゲーム」以降も「地獄が呼んでいる」などヒット作が続き、すっかり人気と高評価が定着した感がある。
■Netflixは巨額の制作費を現地に落とす
韓国の好調の背景には、Netflixが5億ドルもの予算を韓国作品に投じるなど、同国を重視している点がある。北米での契約会員数が飽和に至り、新規会員獲得をアジアに期待するNetflixの戦略によるものだが、同じ立場の日本以上に韓国は結果を出しているようにみえる。
Netflixが現地に巨額の制作費を落とすのは、彼らがローカライズ(現地化)をコンテンツ制作の柱にして成功したビジネスモデルだからだ。この点、ハリウッドの話題作に字幕を付けて世界に売りつける旧来のメジャーがやってきた“輸出型ビジネスモデル”とは全く異なる。
レンタルビデオチェーンを始まりとするNetflixは、もとより自前のコンテンツを持っていなかった。だが他社の権利物をレンタルしたり配信するだけでは成長にも限度があると気付き、自ら映画・ドラマ制作に乗り出した。
■キーワードは「ローカライズ」
その際彼らは、英語圏に特化したメジャー作品と差別化するため、役者、言語からストーリーまで各国・地域の好みに合わせるローカライズに力を入れた。しかも当面の回収は不可能とわかっていながら、凄まじい額の制作費をつぎ込んできた。
すると何が出来上がったか? 「ハリウッド映画並みの映像技術と予算をつぎ込んだ日本映画や韓国映画や各国映画」だ。「イカゲーム」の制作費も、9話分で約25億円もかけている。この路線が大ウケして現在に至るというわけだ。
(以下、略)


これまでにも韓国のアニメ関係者が、「日本アニメに勝てない。悔しい」と発言している記事を取り上げてきたところです。彼らの「悔しい」には彼らなりの意味付けがあるのでしょう。しかし、「日本映画が韓国映画に負けているから悔しい」と書く前田有一の心情は理解できませんし、同意もできません
興行成績はともかく、ここ最近も日本映画は国際的な映画賞を獲得しており、決してダメダメというわけではありません。言うまでもなく、大コケした日本映画は山程ありますが
記事にあるようにNetflixから多額の制作費を引き出せるか否か、で勝負が決まるというのならそうなのかもしれません。が、自分は映画業界の人間ではないので正直、どうでもいい気がします
話を戻して、自分は村上春樹の小説が好きなので、「ドライブ・マイ・カー」は観るつもりです。しかし、韓国の「イカゲーム」は観る気にはなれませんし、その他の韓国ドラマも観ません。これは好みの問題です
なお、不倫問題で話題になった東出昌大がこの「ドライブ・マイ・カー」に出演する予定でしたが、降板しています。主人公の妻に絡む若い男、というのが東出の役どころだったのでしょう

映画『ドライブ・マイ・カー』90秒予告

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