NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

NHKの大河ドラマはあれこれ批判があるものの、続いています。紅白歌合戦と並ぶ看板番組の1つであり、簡単にはやめられないのかもしれません
今年は鎌倉幕府の礎を築いた源頼朝の家臣団を取り上げた「鎌倉殿の13人」で、三谷幸喜が脚本を担当しています
下記の記事では、「北条家の物語は日本人が800年ずっと面白がってきた物語。題材として面白くないはずがない」とNHKチーフプロデューサーは力説していますが、視聴者の関心は薄いものと予想します。よほどの歴史マニア、大河ドラマファンでもない限り、北条家の物語に興味を持ったりはしません
視聴率では苦戦するはずです


野心とは無縁だった若者が、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか―。9日に始まるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、鎌倉幕府の2代執権・北条義時が主人公だ。源平合戦から鎌倉幕府の成立、血で血を洗う権力争いを経ての北条家の勃興が、三谷幸喜の脚本で描かれる。「苦い勝者」。制作統括の清水拓哉チーフ・プロデューサーは主人公の義時をこう表現する。(本間英士)
義時役を演じるのは小栗旬。三谷は近藤勇が主人公の「新選組!」(平成16年)、真田幸村の生涯を描いた「真田丸」(28年)に続く3度目の大河執筆となる。
「これまで『滅びていく者たちの輝き』を描いてきた三谷さんが、今回は『歴史の勝者』を描きたい、と言っています。しかし、ただの勝者ではありません。勝利の過程で傷つき、多くの人を傷つけた〝苦い勝者〟を描きたい、と」
北条家に興味を持っていたという三谷。その中で、白羽の矢が立ったのが義時だ。もともと伊豆の小豪族にすぎなかった北条家。この地に源頼朝が流刑になったことが、義時の人生を一変させる。
「義時は偶然、歴史の表舞台に引っ張り出されちゃった人。何てことのない家の次男坊が天下取りに巻き込まれ、周囲のクセのある人々に翻弄されながら成長していく。そして、ある意味で頼朝をしのぐ大権力者になっていく…。相当ドラマチックです」
「鎌倉殿」とは鎌倉幕府将軍のこと。かつて天下取りを支えた13人の有力家臣団は頼朝の死後、合議制の名の下で激しい内部抗争を繰り広げていく。
「合議制とはいえ『みんなで話し合いましょう』という生易しいものじゃなく、それぞれの思惑が複雑に絡み合っていた。力を合わせて鎌倉幕府をつくり上げた功労者たちが、今度はお互い争い合う。その歴史的皮肉を、群像劇の名手である三谷さんが真正面から緻密に作り上げています」
物語では、京の後鳥羽上皇が義時討伐の兵を挙げる「承久(じょうきゅう)の乱」も描かれる。義時は武家政権の命運を懸け、決戦に挑む。
「北条家の物語は日本人が800年ずっと面白がってきた物語。題材として面白くないはずがない。そして、三谷作品の魅力はエンターテインメントであること。(視聴者を)毎回驚かせ、笑わせ、感動や高揚に行きつくよう作られています。歴史に詳しい人も、詳しくない人も、それぞれが楽しめる作品です」
(産経新聞の記事から引用)


以前書いたように、平安時代を舞台にした漫画「応天の門」を読んでいて、当時の社会制度や官職など分からない部分が多く難儀しました。そこで講談社学術文庫から出ている「官職要解」を購入し、ガイド役に使っています。平安時代から鎌倉幕府、徳川幕府までの社会制度や官職を解説した本です
例えば左大臣、右大臣という要職はそれぞれ1人だけなのですが、大納言は3人が定員とされたものの実際は6人いた時期もある、などということが分かります。同様に中納言も6人いたとか。それだけ官職に就くことへの執着が強く、我も我もと高位の職をねだったのでしょう
そして平安時代の中頃まで武士の身分がともかく低く、貴族階級から一段も二段も低く見られ、高位の職に就けなかったのが分かります
してみれば、武士が政権を握り、朝廷からなる貴族社会を軽視して執政を担う事態が、当時の人々にとって天地がひっくり返るような出来事であったのだろうと想像されるわけです
まあ、そこが「鎌倉殿の13人」の妙味なのでしょう
ただ、出演者については疑問がいくつもあります。「大河ドラマに西田敏行を出演させると視聴率が上がる」という都市伝説があるらしいのですが、後白河法皇に西田敏行という配役にはげんなりさせられます。NHK大河ドラマで14回目の出演になるのだとか
確かに良い役者ではあるのでしょうが、毎回のように西田敏行を使う必要があるとは思えないのであり、謎です。まずはNHKが大河なら西田敏行を使わなければ、と思いこんでしまっているのが問題です。他にも年配の良い役者がいるのですから、何が何でも西田敏行を起用する必要はないのでは?
さらにもう1人。ドラマに登場する役としては最も有名かもしれない北条政子に、なぜか小池栄子を起用しており、これも謎です
はっきり言って大した役者でもない小池栄子をなぜ抜擢するのか?
北条政子の凄みを演じられる女優はほかにもいるでしょうし
かくして「鎌倉殿の13人」は、低視聴率にあえぐ展開になると予想します。鎌倉時代を取り上げるのは悪くないにしても

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