韓国宇宙開発は飛躍するのか 課題山積

ドロドロした事件の話題ばかりではなく、たまには美しい星空を見上げて宇宙の話でも、と思うのですが、なかなかどうして星空もドロドロとした人間の欲望、見栄、虚勢に塗りつぶされそうです
既に取り上げたとおり、韓国は国産を自称するロケット「ヌリ」号を打ち上げて失敗に終わっています(なぜか、文在寅大統領は「半分成功」と言い張っています)
韓国には「計画したら八割方実現したも同然」とのことわざがあるのだそうです。つまり、ロケットを打ち上げた時点で成功したも同然、と考える風潮があるのでしょう
しかし、ロケットが本当に予定された高度にまで到達できたのか判然としませんし、衛星を軌道に投入するという一番大事な目的を達成していないのですから、まだまだこれからというのが実際であり、課題山積のように映ります
が、そんな技術的な課題に関心がない韓国国民は、ロケット打ち上げの「半分成功」で大喜びし、アメリカや中国と肩を並べたかがごとく喜んでいます
韓国の宇宙航空部門を担当する責任者が中央日報に寄稿し、宇宙開発に参入した韓国を自画自賛していますので取り上げます
端的に言って、「日本が成功したのだから、それを真似ればよい」とする、頭の悪い記事です


宇宙が近づいた。米国や欧州、ロシア、中国のような先発走者はもちろん、日本やインドなどの追撃戦が繰り広げられている。アラブ首長国連邦(UAE)までもが火星探査に乗り出すなど、数多くの国々が宇宙への進出に意欲を示している。
誰が勝者になるのかは断定できないが、米国と中国が主導しているという事実だけは明らかだ。
米中両国の宇宙開発には安保次元の投資と力量集中という共通点がある。米国が宇宙開発に本格的に乗り出したのは1957年末。ソ連が最初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げた直後からだ。
米国はわずか4カ月後に「エクスプローラ1号」を打ち上げて追撃にはずみをつけた。競争真っ只中だった1960年代中盤、宇宙開発人材は35万人に達した。今日の米国の技術競争力はこの時期の投資のおかげだ。
中国は、米国とソ連に遅れをとらない弾道弾戦力を備えるという一念の下、1950年代から死力を尽くして、21世紀に入ってロシアを抜き世界2位に浮上した。
月面後方を探査し、採掘を試みるほどの技術力で米国を追いかける中国の宇宙開発人材は30万人を超える。米国と中国に続いて欧州とロシアが追撃する競争の様相は当分続く見通しだ。
注目すべき部分は「民間主導」という新しい現象だ。スペースXやブルーオリジン、プラネットのような民間企業が宇宙産業を再編している。米国の民間宇宙企業は価格競争力を武器に衛星打ち上げと商業的宇宙旅行という市場を創出した。
中長期的に見習わなければならない発展モデルだが現実的な格差は大きい。
それでも希望が見える。何より国の意志が確実だ。宇宙関連の素材と部品、装備を民間主導で国産化するという産業資源部の政策目標に期待が大きい。宇宙開発に対する大統領候補の公約と合致して宇宙産業が跳躍期を迎えることができると信じている。
成功するかどうかはどう選択して集中するかにかかっている。幸い、参考にできそうな国々がある。宇宙開発先進国が通過した経路を見れば答えは自明だ。
自由陣営で米国に次ぐ技術を誇るフランスや日本は政府主導で開発した技術を民間に譲渡するものの、技術成熟度が検証された企業を中心に一元化してエコシステムを構築する方式を選んだ。
宇宙は未来資産であり安保のための安全弁だ。最高級の人材を養成して良質の雇用を創り出す効果もある。世界30位圏外の韓国の宇宙産業が総合国力に見合うくらいまで成長するなら、社会全体の飛躍が可能だ。
われわれには機会を生かさなければならない時代的責務がある。選択と集中が必要な時だ。
(中央日報日本語版の記事から引用)


半導体事業や自動車事業のように、先人の苦労に敬意を払いもせず、後追いでパクリまくれば簡単に追いつけるのだと言わんばかりの内容です
先行する国や企業の技術を模倣するのですから、後から追いかける方が有利なのは言うまでもありません
が、中国が宇宙分野の研究開発に従事する人材を30万人抱えているのに比べ、韓国は千人を超えるのがやっとであり、人材不足は明らかです
これから育成するとはいえ、有為な人材が数百人単位で簡単に増えたりはしないのであり、層の薄さがネックになります
人工衛星開発で先進国並の技術を有していると韓国は宣伝するものの、実態は欧米企業に丸投げして作ってもらっていたものを「韓国独自の技術で開発した」とウソをついているだけです。なので、独創的かつ画期的な新型人工衛星など作れません
それに宇宙開発と称していますが、小惑星探査やブラックホール観測といった天文学分野への貢献などまったく言及されておらず、韓国政府として関心がないのでしょう。科学への貢献より、宇宙ビジネスでいかに儲けるかが中心です
日本は小惑星探査で新たな分野を切り開いたわけですが、韓国はそれを羨ましいとは思っても、天文学に貢献しようという姿勢を皆無のようです。儲からない分野に資金をつぎ込む日本はバカ、とでも思っているのでしょう
余談ながら、日本では将来の月面到達を見込んで宇宙飛行士候補を募集しています。NASAに派遣して訓練を受けさせるのでしょう。しかし、韓国ではいまのところ宇宙飛行士養成計画はありません。朴槿恵前大統領は「月面に太極旗を翻させる」と宣言したものの、宇宙飛行士なしでどうするつもりなのでしょうか?

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