新潟女児殺害事件16 控訴審でも死刑求刑
今から2年前、2019年12月に新潟地裁で無期懲役判決が言い渡された女児殺害事件ですが、控訴審が続いています
下校途中の女子児童を狙って殺害し、なおかつ遺体を線路に放置して列車に轢かせ、遺体をバラバラに損壊するという非道この上ない犯行でした。小林遼被告は何としても死刑を免れたく、必死に情状酌量を訴えており、ついには公判廷で土下座までしたのだとか
しかし、その様がかえって被害者両親の怒りを買ったようです
検察は死刑を求刑し、弁護側は有期刑が相当であると主張して結審しています。小林被告は無期懲役でもなお、不服のようです
新潟市で平成30年、下校途中だった小学2年の女児=当時(7)=が殺害された事件で、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われ、1審新潟地裁判決で無期懲役とされた小林遼被告(27)の控訴審公判が16日、東京高裁(大善文男裁判長)であり、検察側は「強固な殺意があった」として死刑を求め、弁護側は有期刑が相当と主張し結審した。判決は来年3月17日に言い渡される。
この日は、被害者参加制度を利用して女児の両親が意見陳述を行った。
母親は、被告が事件直前にも別の女子中学生に対するわいせつ事件で書類送検されていたことを挙げ、「人を人と思っておらず、欲望のままに娘を餌食にした」と非難。
前回の被告人質問で被告が土下座したことについても「被告の反省ばかりがメディアに取り上げられる。ただ単に刑を軽くしようとしているだけで、怒りがこみ上げた」と切り捨てた。
一方、父親は1審判決で犯行の計画性が否定されたことについて、被告が犯行当日に携帯電話の位置情報サービスを切り、児童の帰宅時間帯までコンビニエンスストアで待機していたと指摘。「『殺害の計画性はなかった』は無理がある」と訴えた。
今月13日に被告から「私は加害者として娘さんの最期を覚えている。最期の姿が私の罪だからです」などと書かれた謝罪文が届いたと明かした上で「私は、被告が存在していることが罪だと思っている」などと、改めて死刑を求めた。
1審判決は、殺意やわいせつ行為は認定した一方、「被害者を気絶させようとして首を絞めたのであって、当初から殺害しようとしていたわけでない」と、犯行の計画性については否定。控訴審では、生前のわいせつ行為の有無や、首を絞めた時間の長さなどが争点となっている。
1審判決によると、被告は平成30年5月7日、新潟市内の路上で女児に車をぶつけて連れ去り、車内でわいせつな行為をした後、首を絞めて殺害。遺体を列車にひかせて損壊するなどした。
(産経新聞の記事から引用)
女児を連れ去ったわいせつ行為をし、殺害して遺棄する事件が過去にも多くあります。死刑判決が出たのは奈良での小学生女児殺害事件の小林薫死刑囚です
基本、被害者が1人の事件では死刑にしないというのが日本の慣例です。ただ、身代金目的の誘拐殺人は別です。小林死刑囚は殺害した女児の写真を親に送りつけ、「次は妹を狙う」と脅しました。さらに小林死刑囚には性犯罪で服役していた前科もあり、被害者は1人でも死刑やむなしとの判決になったのでしょう
本件の場合、小林遼被告の犯行は残忍で計画的であり、情状を汲む余地もないのですが被害者は1人ですから、控訴審でも死刑判決は回避して無期懲役になるものと予想します。間違っても懲役30年が上限の有期刑にはしないでしょう
小林被告は刑務所の中で不平不満をこぼしながら、35年以上の服役生活を送るはずです。被害者の両親が生きている間は、小林被告の仮釈放に同意するはずはないので
(関連記事)
新潟女児殺害事件14 無期懲役判決
新潟女児殺害事件13 死刑を求刑
新潟女児殺害事件12 凶悪事件に共通点はあるのか?
新潟女児殺害事件11 解離性障害だと主張
新潟女児殺害事件10 死姦への異常な執着
新潟女児殺害事件9 初公判で殺意を否認
新潟女児殺害事件8 公判前に事件報道を考える
新潟女児殺害事件7 わいせつ致死で起訴か
新潟女児殺害事件6 ロリコンと決めつける報道
新潟女児殺害事件5 車をわざとぶつけて
新潟女児殺害事件4 女子中学生連れ回しも
新潟女児殺害事件3 20代男性が重要参考人
新潟女児殺害事件2 黒い服の男に追われた
新潟女児殺害事件1 轢死に見せるため線路に放置
学習塾殺人事件を考える3 こどもとの接し方
学習塾殺人事件を考える2 アスペルガー障害と殺人の関係
神戸連続児童殺傷事件から20年 「心の闇」を読む
神戸事件元少年Aは「絶歌」で何をしたかったのか?
酒鬼薔薇は「命の大切さを知らない」とする誤解
文藝春秋が神戸連続児童殺傷事件家裁決定を全文掲載
女児誘拐殺人犯小林薫 死刑執行